山本一信(本部講師)

私は平成11年2月に結婚し、翌年11月には待望の長女が誕生しました。

新生活に期待しながら家に連れて帰り、

長女を寝かせようと新調した布団に移しました。

すると途端に

「ふぇ~ん」

とか細く何かを訴えるように泣き始めたのです。

 

妻はお腹がすいているのかと思い、お乳を飲ませてみましたが泣きやみません。

二人で色々とあやしてみたのですがどうしても泣きやみません。

もしかしたらと部屋を暖めた途端に娘はすやすやと眠り始めました。

 

どうやら産婦人科と比べて部屋が寒かったことが原因だったようです。

私たちは新生児が敏感なことを良く判りませんでした。

 

その夜からのことです。

“新生児は3時間おきに目を覚ます”と知識として知ってはいたものの、

実際に経験すると想像を超える大変さでした。

私は“早く退院して貰いたい”

と願っていたのも束の間

“もう少し産院にいてくれれば良かったのに・・・”

と考えてしまいました。

 

そんな中、妻は

「あなたは仕事があるから私が世話をするから・・・」

と私に負担をかけないよう一生懸命に子供の世話をしてくれました。

当時の私は妻にすっかり甘え、いつしか任せっきりにしていました。

 

そのため娘も『お母さん子』になっていました。

私はその時、子供はお母さんに甘えるものだからとあっけらかんと考えていました。

その後の平成15年3月には次女が誕生しました。

夜中に出産したため産婦人科に家族全員泊まることになりました。

無事出産も終わりそろそろ寝ようとしたとき、

長女が

「お母さん抱っこして」

と言って大泣きを始めました。

長女はこれまでずっとお母さんと一緒に寝ていたのです。

私が

「お母さんは今日、赤ちゃんを産んだのだから抱っこはできないんだよ。

 お父さんと一緒に寝ようよ」

と言っても らちがあきません。

数時間後、妻の協力のもと何とか寝かしつけてその日は終わりました。
長女が妻と一緒でないと寝付けないため、翌日も産婦人科に泊まることになりました。

しかし環境が違うためか長女は興奮してなかなか寝つきません。

夜の10時になっても元気いっぱいに騒いでいたので、病室の他の方に迷惑となると思い、

決心して長女を自宅に連れ帰ることにしました。

その途中、娘から

「やっぱりお母さんの所に行く~」

と言われないようにと、

私はコンビニで娘にお菓子を沢山買い与えました。

 

そして家に帰るといつも1時間と決めている子供番組のビデオを

気の済むまで見せようと考えていました。

私は今まで長女の世話をしたことがなかったので、

お菓子やビデオでごまかすことしか思いつかなかったのです。

この時

“これまで子育ては妻に任せっきりにして、

我が子ときちんと向き合っていなかったなぁ・・・”

と深く反省しました。

妻は産院から退院後、次女の世話で手一杯でした。

私はそれまでの反省と長女と1週間一緒に過ごしたのが少しの自信となり、

長女の世話を出来るだけするようにしました。

 

長女との時間を共有するうちにだんだんと私になついてくれ、

そのうち、当時4歳の長女から

「私すっかりお父さん子になっちゃった」と言われるようになりました。

 

(生長の家相愛会「父親教室」HPの「今月の講義」、2006.04)

 


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