山本一信(本部講師)

 

私はこれまで夫婦の仲が良ければ、子供は何の問題も無く育つと思っていました。

また私なりに妻との会話は結婚当初から大切にしていましたし、

妻に毎日子供の様子をいろいろ聞いていましたので、

子供のことを良く分かっているつもりでいました。

しかし私自身が子供との会話(小さいときはスキンシップやお世話)をすることが

あまりに少なかったため、子供と2人きりになったときには困り果ててしまったのでした。

このことについて、生長の家総裁谷口清超先生は著書『父と母のために』の中で

次のようにお説き下さっています。

<<でも本当は親子の中で色んな話が交わされるのが理想的です。

 それにもっと大切なことは、夫婦の間で楽しい会話が交わされるということです。

 これが欠けている夫婦がかなりある。

 だから親子の間でも欠けてくるのです。(中略)

 従ってよき父母であることと、夫婦仲よくあることとは、とても関連があります。

 夫婦喧嘩ばかりしていたり、ムッツリと黙りこくった夫婦の間で、

 血の通い合う親子関係ができるということはまずありません。

 血族というものはお互いに代用がきかないのです。

 だからまず夫婦がよく話し合うことが大切で、

 それとは又別に親子の話し合いがとても大切です。(214~215頁)>>

現在長女は5歳、次女は3歳になります(いずれも当時)。

さてある休日のことです。

私が洋服を買いに一人で出かけようとすると長女が「私も行きたい」と言い出しました。

本当は一人でゆっくりと洋服を見たかったのですが、

仕方なく長女を連れ、近所のショッピングセンターに出かけました。

 

道中、長女はとても嬉しそうに、いろいろな話を私にしてくれました。

主な話題は幼稚園の友達との出来事でした。

私にとっては誰がどうやら何を言っているのかさっぱり分かりませんが、

長女の語り口調から彼女が通う幼稚園での楽しそうな様子が伝わってきました。

そしてショッピングセンターに着くと長女が「トイレに行きたい」と言うので、

連れて行きました。

それから私の目的である洋服店に行こうとすると、

途中の雑貨屋さんにきれいな石やガラス玉が置いてあったため、

長女は釘付けになってしまいました。

 

仕方なくしばらく 付きあってあげ、「そろそろ行こうか」というと、

また「トイレ」と言うではありませんか。

 結局、娘に付きあってあちこち寄り道しているうち思わぬ時間が経過し て、

自分の買い物をすることはできませんでした。

 

 家に帰り、長女に今日のお出かけの感想を聞いてみると、

「うん、お父さんと一緒で楽しかったよ」と答えてくれました。

長女の笑顔を前に“買い物なんて、いつでもできる”と、

娘と過ごした休日が何物にも代え難い満足した一日になっていたことに気が付きました。

 

(生長の家相愛会「父親教室」HPの「今月の講義」、2006.04)


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