あなたの家庭での問題は?
「物より心」と思う自分は考えが甘い?
主人の会社は業績が低迷し、残業も減りました。その分、家にいる時間が長くなったのですが、主人はインターネットの株式投資に夢中になり、何百万円ものお金を運用しています。主人は給料が減った反動か、世の中はお金さえあればなんとでもなると考えているふしがあります。物より心の豊かさが大事と言っている私を、お前は何も分かっていないとあざ笑います。主人に自分の考えを分かって欲しいのですが、それとも自分の考えは甘いのでしょうか?
“豊かな心”は幸福になるために必要です。夫の理解を求める前に、まず“愛の心”で接しましょう。
お互いを大切に思っている夫婦でも、互いの深い部分の気持ちというのは、なかなか伝わりにくいこともあるのかもしれませんね。
さて、この「物より心か?」という問題はなかなか難しい問題だと思います。質問の意味を明確にするために「物より心を大事にしたほうが、幸福になるか?」という設問に置き換えて、一緒に考えてみたいと思います。
例えば、普通の人の何十倍もの収入があり、物質的にはとても裕福な生活を送っている家庭があるとしましょう。でも、さらにその上の裕福な複数の家庭から「あなたの月収は自分より劣っているね」などと言われ、見下されようものなら、その家庭は、裕福な生活を送っているにもかかわらず、幸福であり続けることが出来るでしょうか?
また、どんなに裕福な家庭の方でも、人間は老いて死んでいかなければなりません。物さえあれば幸福であると思っている人は、この、全ての物を置いていかなければならない、「死」というものに直面して、幸福であり続けることが出来るのでしょうか?
ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは、生前、持ち物は必要最低限のものだけで、聖書と左肩にピンで留める十字架、綿のサリー、サンダル、「神の愛の宣教者会」の規則を記した会憲、聖歌集、ロザリオ、鉛筆、消しゴム、それにバケツに石鹸くらいだったそうです。しかし、このマザー・テレサに対して、彼女の人生が不幸であったという人がいるでしょうか?
人の“愛の心”を信じる
私はこれだけの例から、「物より心を大事にしたほうが幸福になる」と、直ちに言いたいのではありません。どちらかをより大事にしたほうがいい、というよりは(両方備われば、なお良いですが……)、幸福であるという感じは、“心”に依存する部分が多い、「豊かな心」は幸福になるために不可欠なのだということを言いたいのです。
ですから、奥様の考えが甘いとは思いません。「豊かな心」がなくて物だけをかき集めてみても、かえって嫌われて、いままでの人間関係を崩してみたり、身を持ち崩して不幸な境遇に陥ってしまうのは、歴史や、犯罪事件が教えるところでしょう。
ところで、幸福になるための「豊かな心」はどうしたら得られるのだろうか、ということですが、その1つとしては、先ず愛の心、つまり他の人のことを「思いやる心」を実践していくことです。これを生活に実践していけば、社会から感謝され、次第に「充実感」「感謝の心」が起こり、そこから「報恩の心」「成長する喜び」「生きる喜び」等が育ってきて、それが「豊かな心」になり、「幸福である」と感ずるようになると思います。
あなたのご主人は「愛の心」から、家族の安定した生活を支えるために、資産運用をされているのかもしれません。あなたは、社会に貢献するお仕事をご主人にバリバリして頂き、そして楽しい家庭を築きたいと思っておられるのですね。しかし考え方はお互いに違っても、根底には愛の心があるのではないでしょうか。意思がうまく疎通出来ていないように見えるのは表面上の問題だけかもしれませんよ。
人から愛を引き出すのは、愛の心です。ご主人を責めるのではなく、奥様の中にある愛の心をもっと表現し、ご主人に接していくことが大切です。奥様がおっしゃっている「心の豊かさ」を、きっとご主人も理解してくれることでしょう。
このQ & Aは、『理想世界』平成17年9月号に掲載されました。
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