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聖経、『生命の實相』の出版問題についての本部見解

聖経、『生命の實相』の出版問題についての本部見解(機関誌・平成21年12月号に掲載)を公開しました。[2009.10.27] 

 平成21年10月27日 

宗教法人「生長の家」

教化・講師部長 目等 泰夫

聖経、『生命の實相』の出版問題について

 すでに各教区の教化部長を通して発表している通り、宗教法人「生長の家」は前生長の家白鳩会総裁、谷口恵美子先生と共に、平成二十一年五月二十五日、生長の家社会事業団(理事長 松下昭=元生長の家理事)並びに光明思想社(代表取締役 白水春人=元日本教文社社員)に対し、『生命の實相』のいわゆる“神道篇”などをめぐる著作権関連訴訟を東京地方裁判所に提起しました。また、“神道篇”についての生長の家と谷口恵美子先生の立場は、生長の家の公式ホームページに昨年九月二十六日付で掲示されている通りです。

 ところが最近、一部の元信徒などから、自らが関係した教区の生長の家幹部などに対して、本件に関して虚偽の事実を書いた文書が配布されていることが判明したので、全国の幹部・信徒の方々がこのような悪質な宣伝活動に迷わされぬよう、ここに最近の展開なども含めて、改めて当法人の見解を明らかにいたします。

訴訟の対象になっている、平成二十年九月二十七日に光明思想社から発行された『古事記と日本国の世界的使命』は、『生命の實相』黒布表紙版第十六巻(昭和十六年九月一日刊)から「神道篇 日本国の世界的使命」の中の「第一章 古事記講義」の部分だけを抜き出したうえ、本来の表題とは異なる表題(古事記と日本国の世界的使命)に「甦る『生命の實相』神道篇」という副題を付した本です。『生命の實相』黒布表紙版第十六巻には、「神道篇」のほかに「経済生活篇」も含まれており、谷口雅春先生はこの両者を一体のものとして発行されたのです。さらに、本来の「神道篇」は八章から構成されているにもかかわらず、その中の一章だけを単行本とすることは、雅春先生の当時のご意思を明らかに無視していると言わねばなりません。

これらの行為は、著作権者である谷口恵美子先生および当法人の権利を侵害し、また著者である谷口雅春先生の人格的利益を害し、さらに生長の家の布教活動を不当に妨害するものです。したがって当法人は、生長の家社会事業団と光明思想社に対し出版中止等を書面で申し入れましたが、同事業団らは当法人の要求を全く聞き入れませんでした。そこで、やむを得ず、生長の家の布教活動に対する不当な妨害を除くとともに、谷口恵美子先生および当法人の権利、谷口雅春先生の人格的利益を守るため、当法人は谷口恵美子先生と共に当該書籍の出版、頒布の差し止め等を請求する訴訟を起こしています。また、この訴訟では、同事業団に著作権が帰属する谷口雅春先生の著作物については、当法人に著作権の管理権があるので、同事業団は当法人の承諾なく出版権を設定したり消滅させたりすることはできないことの確認等も請求しています。

●生長の家社会事業団の横暴


生長の家社会事業団は、本件にかかわる“神道篇”だけでなく、現行の『生命の實相』(頭注版、愛蔵版)や『甘露の法雨』などの聖経類等についても、従来から出版権にもとづいて発行を継続していた株式会社「日本教文社」からの出版を取りやめるとの通告を生長の家に無断でしてきました。すなわち、同事業団は日本教文社宛の平成二十一年二月四日付書状で、同社との間で締結されている谷口雅春先生の著作物の出版契約をすべて期間満了で終了させ、延長ないし更新しない旨を通知してきました。同事業団が今後、生長の家の意思に反して『生命の實相』や聖経類を光明思想社から出版することを企てていることは明白です。

最近明らかになった虚偽をかたる文書は、このほど宗教法人「生長の家」を退職した人物によるもので、この人物はかつて駐在していた教区の一部幹部らに、光明思想社が発行する書籍の購入を依頼する文書を送付しています。その文書中には「生長の家教団内で『生命の實相』が蔑ろにされ、ついには生長の家教団から発行されなくなる事態に至り(それに伴い聖経も本部サイドからは発行されなくなります)」と書かれています。これは事実と全く異なり、『生命の實相』の継続出版を拒否したのは社会事業団であり、『生命の實相』と聖経を日本教文社から発行しないと言っているのも同事業団です。

生長の家の宗教上の最高規範である「生長の家教規」第二条には、生長の家設立の目的について「谷口雅春創始の、生長の家の教義に基き、その主著『生命の實相』を鍵として、万教共通の宗教真理を開示し、これを宣布することによって、人類光明化につくすこと」と明記されています。『生命の實相』は生長の家の聖典等の中で基本的な聖典であるだけでなく、現在も講師試験問題の出典や研修会等のテキストとして使用されていることは周知の事実です。聖経および『生命の實相』の出版は、生長の家の信徒の信仰生活や布教活動の基本となるものであるため、当法人も日本教文社もそれを蔑ろにしたことなどありません。この点、講師ならびに各組織の会員の皆さまには事実を正確に認識していただきくれぐれも誤解のないようお願いいたします。

●聖経および『生命の實相』を守るために


谷口雅春先生はご生前、社会厚生事業を行う生長の家社会事業団の財政を支えるため、『生命の實相』頭注版をはじめ、いろいろなご著書の印税を同事業団に寄付されておられました。しかし、谷口雅春先生ご昇天後、どの著作権が同事業団に譲渡されたかが明確でなかったため、昭和六十三年三月二十二日、谷口雅春先生のご相続人である谷口輝子先生、谷口清超先生、谷口恵美子先生と同事業団との間で確認書および覚書が交わされ、同事業団に譲渡された谷口雅春先生の著作権について確認、決定されました。すなわち、この確認書および覚書により、『生命の實相』は頭注版と愛蔵版の著作権が同事業団に譲渡されていることが確認、決定され、聖経その他のご著書の著作権の譲渡についても個別具体的に確認、決定されました。

ただし、『生命の實相』をはじめ谷口雅春先生の著作物は、生長の家の布教活動にとって基本となる聖典で極めて重要なものであり、同事業団に著作権が譲渡されたのは同事業団に『生命の實相』を出版させるためでなく著作権収入を同事業団の社会厚生事業の運営費用に充当させるためでありましたから、著作物の出版その他の利用は一切、谷口雅春先生のご生前中は谷口雅春先生の、そして谷口雅春先生のご昇天後は、宗教法人「生長の家」の指示に従って行われてきました。これが生長の家グループの“よき伝統”であり、創始者、谷口雅春先生のご意向を尊重した出版のあり方として、事業団も合意していたところです。

ところが近年になり、同事業団の理事会構成メンバーの多数を宗教法人「生長の家」の布教方針を無視する者が占めるようになり、例えば『生命の實相』の著作権については前記のとおり頭注版と愛蔵版に限定されているにもかかわらず、戦前に発行された黒布表紙版についても出版の権利があるとして、勝手に同版第十六巻の一部を切り出し、さらに題号まで変えて昨秋、光明思想社から出版しました。この「神道篇」の出版が生長の家の布教活動を妨害するものであることは、生長の家公式ホームページ掲載の「『生命の實相』神道篇出版に関する本部見解」に示したとおりです。また、本年になると、同事業団の横暴は度を増し、私たち信徒の信仰と布教の重要な媒体である現行の『生命の實相』すべてと聖経類のほとんどを、もともと出版権を有していた日本教文社から引き上げ、同社を辞めた人物の会社に担当させようとしているのです。このような行為は、違法行為であり、明らかに布教妨害に当るものです。

このような経緯でありますので、講師諸賢ならびに各組織の会員の皆さまには、今回のような虚偽の言辞に惑わされないよう、布教活動にあたられますようお願い申し上げます。



『生命の實相』神道篇出版に関する本部見解(生長の家公式ホームページに掲載)


 平成20年9月26日 

宗教法人「生長の家」

教化・講師部長 目等 泰夫

『生命の實相』の「神道篇」について

 この度、光明思想社という出版社から谷口雅春著『古事記と日本国の世界的使命』という書籍が出版されました。この本には、「甦る『生命の實相』神道篇」という副題が付けられています。しかし、生長の家の聖典である現行の『生命の實相』全集には「神道篇」なるものは存在しません。

 

当法人の調査では、『古事記と日本国の世界的使命』は、戦前に発行されていた『生命の實相』全集二十巻中の第十六巻から、その一部(「神道篇」の第一章だけ)を抜き出して、改題して刊行されたものと思われます。このような発行の仕方は、著作権の帰属や著作者人格権など著作権法に抵触する様々な問題をはらんでいます。

一、『古事記と日本国の世界的使命』の出版に関わる著作権法上の問題


(一) 現行の『生命の實相』全集の著作権は財団法人生長の家社会事業団に寄付されていますが、当法人は、同財団法人に寄付された『生命の實相』の著作権は限定されており、昭和十六年刊の『生命の實相』は寄付の対象に含まれていないとの見解を有しています。

(二)戦前の『生命の實相』第十六巻には、「神道篇」のほかに「経済生活篇」が収録されています。神道篇については、さらに第一章から第八章までの構成となっています。ところが『古事記と日本国の世界的使命』は、この神道篇から第一章のみを切り離して単行本としているため、著作権法に定める同一性保持権を侵害しています。

(三)生長の家創始者である谷口雅春先生は、言論の自由がなかった戦前だけでなく、自由な言論・表現活動ができた戦後も、昭和六十年のご昇天直前まで、生長の家総裁として講話や執筆などを通して生長の家の教えを説き続けられました。この間、『生命の實相』第十六巻は、「神道篇」「経済生活篇」の双方を戦前の形のまま復刊されませんでした。また、神道篇の古事記講義のかなりの箇所を削除・加筆のうえ、現行の『生命の實相』頭注版その他の本として発表されています。

 このような経緯を見ると、この度の発刊は、著作者である谷口雅春先生の意向に反する行為と言わざるを得ません。また、教義解釈と著作者の権利を継承している生長の家総裁、谷口清超先生、及び谷口清超先生と共に著作者の権利を承継している生長の家白鳩会総裁、谷口恵美子先生の許諾も得ずに出版されているため、違法な行為であります。

二、戦後まもなく谷口雅春先生に天降ったいくつかの神示により、戦前の古事記の解釈には間違いがあることが示されました。


(一)「神道篇」の中にある戦前の「古事記講義」には、「全世界が日本の国となり大日本天津日嗣天皇陛下一君によって統治されるという事が今度大規模に実現する天孫降臨ともいうべきもの」と書かれていて、当時の日本の天皇によって世界統治が実現されることが古事記に予言されている、との解釈が打ち出されています。

(二)当時(昭和十六年前後)の谷口雅春先生は、明治憲法下における日本の軍隊を「皇軍」と称され、皇軍の行うことはすべて、天皇陛下の意思であると考えられました。

(三)ところが、敗戦後に下ったいくつかの神示では、この考えが明確に否定されています――

@『大和の国の神示』(昭和二十一年一月六日朝の啓示による)では、大日本天津日継天皇(だいにっぽんあまつひつぎすめらみこと)について「天孫降臨と云うことは天の父のみこころが天降って、天が下ことごとくが一つの光の世界になり、大和、平和の世界があらわれると云う意味の象徴的表現である。日本民族が世界を治めるのではなく、『天孫』すなわち『天の父のみこころ』が全世界を治める時期が到ることである」と示されました。

Aまた、同神示には「大日本世界国と云うことを狭い意味に解して、日本民族の国だなどと考えるから誤解を生ずるのである」「天孫とは肉体のことではない」「神からみればすべての人間は神の子であるから、特に日本民族のみを愛すると云うことはない。あまり自惚れるから間違うのである。大日本天津日嗣スメラミコトとは固有名詞ではない。理念の表現である」などと示されています。

Bさらに、『日本の実相顕現の神示』(昭和二十年十二月二十八日未明神示)では、「迷いの軍隊を皇軍だなどと思ったのが間違だったのである」とあります。

三、谷口雅春先生は戦前の古事記講義に削除や加筆をされ、戦後に発刊された『生命の實相』等の著書の中で、より新しい解釈を発表されています。


『生命の實相』頭注版第十二巻、『限りなく日本を愛す』『古事記と現代の預言』 の著書では、戦前とは違う新たな内容を加えた古事記の解釈が行われています。

四、このような本を発行した「株式会社 光明思想社」と、同書の編集者と記載された「谷口雅春著作編纂委員会」は、当法人とは一切関係がありません。


生長の家の信徒の皆様には、古事記についての谷口雅春先生の解釈には、戦前と戦後では変遷があることをご理解いただき、現在、日本教文社から刊行されている『生命の實相』頭注版第十二巻等をしっかり学ばれますよう、お願い申し上げます。