体験談

ふたりのYさん/東京第一教区栄える会 茜正仁

2022年7月5日  

生長の家でないYさんに講習会推進の電話をした時のことです。「家庭内離婚でそれどころじゃない」という悲痛な声に後日訪問すると、ひげも髪も伸び放題の異様な男性が現れました。部屋いっぱいの万年床をかき分けて私が座るや、彼から言葉があふれ出しました。妻への不満、過去への恨みが果てしなく続きます。突然ふすまが開き隣室の妻が反論の叫びを上げます。ただ聴きました。それから何回か訪問しました。
数か月後、息子と奥さんが出て行ってしまい、消沈する彼の相談に乗ったりしていたある日、警察から電話で「Yさんが留置されている、本人の希望であなたに面会に来てほしい」。傷害事件を起こしたのです。若い頃、彼の車の事故で他所の子が亡くなっていて、飲むと自分を抑えられなくなるのでしょう。朝一番に私の事務所に酔った彼が現れることもあり、社員は「社長、なんであんな人とつきあうの」と責めます。「いや、私がもし彼と同じ境遇に生まれ同じ経験をしたら、彼の様にならないとは限らないんだよ」それが私の答えでした。深夜、家の入り口のガラスが割れる音がしました。泥酔した彼が蹴破ったのです。その夜は、警察は来るし大変でした。
それから、色々ありました。宇治一般錬成10日間を受け、彼の自筆のメモには「神は愛なり 天の恵みに感謝 人の愛に感謝 苦しみ 悲しみ 空しさ さびしさ 痛みに感謝 喜びのためにすべてあるなり…」と。私の目は涙、です。彼のご両親からは「Yは『自分を本当に分かってくれるのは茜さんだけ』と言っています」と託され、彼にもやっと穏やかな生活が訪れました。彼の訃報が届いたのは数年後でした。きっと霊界で更なる修行をされているに違いないと確信しています。
平成25年、私は相愛会教区連合会長に推されました。自分に何ができるか悩み、考えた末の結論は「同信の仲間が、何があっても信仰の喜びをどこまでも深めていく、そのお手伝いならできるかも」でした。
会員の皆さんには「楽しく運動しましょう」と、「自発的な信仰者になりましょう」とお願いしました。波長類似のものが外界に現れるのですから、「楽しくやる」は絶対に必要です。また、自分事にならなければ喜びは湧かないので、やらされ運動は面白くない、それで「自発的な信仰者」とお願いしました。会員の内なる神の生命を拝みつつ、その人が伸びるあらゆる機会をとらえたいと常に念じていました。雑談の中でもひらめくと、「思い切ってやってみて」と直ぐお役を任せたり、「○○さん、今の話を文章にしてくれませんか」と頼みます。行動したり、考えを文章化する中でご本人が色々なことに気づかれるからです。無限に伸びようという会員の皆さんのイノチと、うまくタイミングが合うと嬉しい結果につながります。山野隆美さんは、そんなお一人で、現在、誰もが認める教区で活動ピカ一の地区連会長さんであり、「自分がこんなに信仰どっぷりで、これほど穏やかで幸せな人生になるとは全く思わなかった」と奥様と日々感謝の生活を送っておられます。これからも、神さまと共に、仲間と共にこの素晴らしい真理の道を歩いていきたいと思います。


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