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難病の母の介護でテレビ出演

教え支えに明るく前向きに 名古屋市の石川宜子さん

名古屋市在住の聖使命会員、石川宜子さん(33)は、去る7月12日、NHK教育テレビで全国放映された『介護百人一首〜突然 親が倒れたら〜』に出演。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている実母の衣代さん(71)を、自宅で温かく介護している様子が紹介され、話題を呼んだ。教えを支えに常に明るく愛深く衣代さんに接している宜子さんは、「母の介護を通して、改めて教えの素晴らしさを実感しています。今後も母の幸せのために手助けしたい」と語っている。


やさしい声で衣代さんに語りかける宜子さん
(名古屋市の自宅で)

『介護百人一首』は、介護生活で感じた思いを詠んだ短歌を視聴者から募集し、その作者をアナウンサーの小谷あゆみさんが訪ね、短歌を詠んだ背景を探るという番組。平成16年からNHK教育テレビで、不定期に全国放映されている。

石川さん親子は、去る7月12日、「突然 親が倒れたら」というテーマで午後8時から30分間放映された同番組の中で約15分間出演した。

番組は、自宅近くの公園で、衣代さんを乗せた車いすを宜子さんが押しながら散歩している場面から始まる。「(母は)週1回の散歩を楽しみにしています」と宜子さん。

次いで、衣代さんがALSと診断され、在宅介護を受けるまでの経緯が、ナレーションと宜子さんへのインタビューで明らかに。

衣代さんが体に異変を感じるようになったのは平成15年のこと。ひどい腰痛に悩まされるようになり、たびたび路上や自宅で転倒するように。そのため、翌16年3月に都内の大学病院に入院し、精密検査を受けたところ、4月に難病のALSと診断された。

その半月前に呼吸不全となって、のどに直接人工呼吸器を付けるようになっていた衣代さんは、発声ができない口を動かしながら、冷静に「お母さんは大丈夫」と宜子さんに伝えたという。

「その言葉で在宅介護を決心しました。母にも“私がそばにいてお母さんが病気になる前よりも幸せにしてあげるね”と告げると“ありがとうね”と涙を流して…」

その後、衣代さんは徐々に手足の筋肉が萎縮して動かなくなり、ベッドに寝たきりになった。丸1年を病院で過ごし、昨年2月、可動式のベッド、車いす用のリフトなどの介護用の設備を整えた自宅に帰ることに。

そこで紹介されたのが衣代さんの次の短歌。

 懐かしき我が家に帰り嬉しさに頬を伝うは一筋の雨

宜子さんも、生まれて初めて短歌を詠んだ。

 母の手を握れる今日のありがたさ穏やかな日日胸に焼き付く


三重県桑名市の公園“なばなの里”に旅行した折に

このほか番組では、口も動かせなくなった衣代さんと会話するシーンも映し出された。宜子さんが、「あつい」「かゆい」などの単語や50音の文字が書かれた手製の“文字板”を指して、衣代さんが目を「右」に動かすと「イエス」、左に動かすと「ノー」と判断しながら、時間をかけて意志の疎通を行う様子。また、夕方になって衣代さんから「せ・ん・た・く…」と目で伝えられ、慌てて洗濯物を取り入れたエピソードなどが紹介され、「介護をしているというより、逆に母に支えてもらっている感じ」という宜子さんの言葉も。

番組の最後には、宜子さんが明るく母親の世話をする姿を目の当たりにしたアナウンサーが、「すてきで、前向きな介護をされていると思いました」と、言葉を添えた。

宜子さんは、「母は番組の放送をずっと涙を流して見ていましたが、その姿を見て出演して良かったと思いました」と語る。放送後すぐに、感動した石川さん親子の友人などから電話やメールが寄せられたり、視聴者からは「励みになりました」などの声がNHKに届けられたという。 石川さん親子が同番組に出演したきっかけは、昨年9月、同番組の放送を見て、夫を介護する妻の思いに共感した宜子さんが、NHKのウェブサイトにその番組の感想と前述の短歌を書いたメールを送ったこと。

その後、今年6月6日に同番組のディレクターから番組出演の依頼があり、同月12日に自宅と近所の公園で番組の収録が行われた。 衣代さんは、信徒だった兄の影響で、昭和30年、20歳の時に入信。44年に結婚、1男1女の子宝に恵まれたが、50年に夫が他界。以後、女手1つで2人の子供を育てながら、白鳩会活動にも尽力した。

平成3年、生長の家本部に奉職。講師部(当時)などに勤務し、8年には、本部講師となって活躍していた。

一方、宜子さんは、母の影響で、高校卒業後、生長の家養心女子学園に入学。卒業後は母の勤務する生長の家本部で5年間務めた経験もある。

毎夜、母の傍らで聖経『甘露の法雨』を読むことを日課としている宜子さんは、「体がだんだん動かなくなってくる母の姿を見ると、落ち込むこともあります。でも、み教えのおかげで、『目も見える』『意識もはっきりしているよね』、と光明面を見る生活ができることがうれしい」と話す。

衣代さんも、接するすべての人々に感謝し、介護ヘルパーからは「こんなに穏やかな患者さんに会ったことがない」と驚かれるほどだという。

宜子さんは、「母の介護を通して、改めて教えの素晴らしさを実感しています。母と一緒に過ごせる時間は限られていますが、今後も母の幸せのために手助けしたい」と語っている。

筋萎縮性側索硬化症 40代以上に発症することが多い進行性の難病で、全身の運動神経が侵されて筋肉が萎縮し、手足のまひや呼吸器障害などを起こす。約10万人に1人の割合で発症するといわれる。