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本紙好評連載中のエッセイ
『教育ワンポイント・アドバイス』を出版

東京都の鎌稲蔵さん

平成10年4月以来、本紙で好評連載中のエッセー「教育ワンポイント」が、『教育ワンポイント・アドバイス——すぐに役立つ親と教師の大切な心得』と題して1冊の本にまとめられ、1月18日、(株)日本教文社から出版される。筆者は、東京都在住の地方講師で元公立中学校校長の鎌稲蔵さん(75)。鎌さんの初の単行本となる同書は、昭和30年から中学校の音楽教師として“生長の家の教育法”を実践し、子供の能力を伸ばして、不良少年を更生させるなどの実体験に基づいて書かれたもの。「“子供の天分”の引き出し方を分かりやすく、読みやすく書いたつもりです。この本を通して教育現場や家庭教育で教えを実践してもらえたらうれしい」と語る鎌さんを自宅に訪ね、出版の喜びや教えとの出合いについて聞いてみた。

■子供の天分を引き出す

 クリスマスも間近に迫った昨年12月13日、東京・葛飾区のJR金町駅から車で約15分のピアノ教室を兼ねた鎌さん宅を訪れた。
 鎌さんに案内されたレッスン室は、2間続きの洋間(16畳分)で、それぞれの部屋に1台ずつ、グランドピアノが置かれ、部屋の片隅には子供の背丈くらいのクリスマスツリーが…。
 生徒は3歳から60歳まで20人。現在は、武蔵野音楽大学ピアノ科出身の長女の徳子さん(43)に指導全般を任せているが、鎌さんも6人の生徒を担当。


レッスン室のグランドピアノの前で
(左から、長女の徳子さん、妙子夫人と)

「長女は、褒めて伸ばすところと厳しいところをうまくバランスをとって指導していますね」

 一方、昨年春に結婚した二女の稲葉聡子さん(37)は、東京音楽大学声楽科出身。鎌さんと妻の妙子さん(75)は、姉妹2人が妙子さんのお腹にいる時から、クラシック音楽を親しんで聞かせて、それぞれの天分を引き出してきた。
 そんな鎌さんは、昭和30年、中学校の音楽教師となって以来、平成4年、中学校校長を定年退職するまで37年間にわたって“褒める教育”を実践。生徒や親から絶大な信頼を得てきた。

「子供たちの天分を引き出してあげるのが、教師ばかりでなく、大人の役割なんです」

■悪い子供はいない


出版される著書

 こう語る鎌さんは、今年1月18日、『教育ワンポイント・アドバイス—すぐに役立つ親と教師の大切な心得』(新書判、176ページ、定価1,000円、日本教文社刊)を出版する。
 本紙(本面)で、平成10年から、「教育ワンポイント」と題して連載しているエッセー81篇(平成18年10月まで)をまとめたもので、「親と教師の大切な心得」「子供の可能性を伸ばすには」「子供は愛情の中で育つ」の3部構成。
 昨年8月、日本教文社が、「近年、子供のいじめが頻発する中、親や教師に対して問題を克服する指針となれば…」と出版を企画したもの。

「本来、悪い子供なんて1人もいないんですよ」

 本書には、そんな信念を持つ鎌さんが、子供たちの実相を礼拝し、“善”のみを認め、無限の可能性を引き出して、多くの問題を解決してきた実体験がわかりやすく書かれている。

「この本は、私の生長の家の教育の“実践記録”なんです。連載の途中から出版するのが夢でしたので、本当にうれしい」

■神の子の実相を礼拝

 鎌さんから、同書にも紹介された最も印象深いエピソードを聞いてみると——。
 鎌さんが教師になって7年目のこと。教え子だった青年が、ある教師から受けた体罰への恨みを晴らすため、ナイフを持って学校に現れたという。その時、「今こそ“悪はない”という生長の家の教えを実践する時!」と思った鎌さんは、「実相円満完全…」と祈り、実相を観じながら青年に近づき、「君も苦労したな」「お母さんは元気?」などと声をかけると、青年はわれに返って怒りを静め、おとなしく去っていったという。

「青年は、在学中から問題児でしたが、常に彼の“実相”を拝んでいました。その時から私の気持ちが通じていたのでしょう。青年は私を信頼してくれていたんです」

 鎌さんは、常に手帳を持ち歩き、エッセーの材料を書き留めているが、そのアイデアを練るのはなんと入浴中とか。

「浴室は1人きりで集中できるので、ノートと鉛筆を持ち込み、文章の構成などを考えています」

■生長の家の教育を実践する人を1人でも多く

 鎌さんは、生長の家を熱心に信仰する両親の下で生まれ育ち、昭和14年、小学3年からは、仏前で、父親と共に神想観の実修と聖経読誦をすることが日課となった。


原稿を執筆中の鎌さん

 中学2年の時、ピアノの演奏に興味を持ったものの、自宅にピアノがなかったため、“朝の時間”を生かして、早朝5時から7時まで中学校のピアノを借りて練習に励み、練習後は、お礼として、校長室前の廊下を水拭きしていたという。
 定年退職後の平成5年、地方講師、10年、養心女子学園の副校長となり、現在は生長の家教職員会顧問を務め、教育相談に応じる傍ら、毎月2回、誌友会に出講するなど光明化運動への情熱は衰えを知らない。昨年3月に、布教功労賞を受賞。

「この本を通して生長の家の教育の実践者が1人でも増えたらうれしい」

 鎌さんが“善”のみを見つめるまなざしは、子供たちへの愛情であふれていた。