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生きている地球 95

環境共生住宅②:普及に向けた取り組み

“環境共生住宅認定制度”が契機に

本欄では、地球環境をめぐるさまざまな問題とその克服の動きを探っている。
今回は、前回に引き続いて「環境共生住宅」を取り上げ、その普及に向けて、“環境共生住宅認定制度”の導入などの取り組みについて探ってみた。

■環境共生住宅認定制度で基準を明確化

民間に環境共生住宅が普及し始めたのは、平成11年、「環境共生住宅推進協議会」(建設、電機、自治体など77団体が参加)が「環境共生住宅認定制度」を創設したのが、きっかけ。


資料提供:(財)建築環境・省エネルギー機構

これにより、あいまいだった環境共生住宅の基準が具体的に定められ、それを満たした住宅だけが、環境共生住宅という名称を使用できるようになった。
基準として、まず環境に配慮した基本的な4つ──
①平成4年の省エネ基準の達成
②高耐久化
③立地環境への基礎的配慮
④健康住宅・バリアフリー
──は必須条件であり、さらに「提案類型」という項目──例えば、高度でユニークな性能やシステムとして、太陽光発電装置、リサイクル建材の利用、緑化への配慮など──の中から2つ以上を取り入れなければならない。
これらの基準は、法律や制度の改正、ニーズの変化に呼応して、(財)「建築環境・省エネルギー機構(IBEC)」が、毎年、見直しを行っている。

■認定の流れとメリット

環境共生住宅の認定は、建築・販売業者や住宅の所有者がIBECに申請し、IBECの理事長および大学教授などの専門家13人の認定委員が検討し、認定の可否を決める。
申請から認定まで3、4カ月で、申請費用は一戸のみの「個別供給型」が15万円、分譲住宅(各戸が同じ基準)の「システム供給型」が140万円。
住宅販売メーカー側のメリットは、①セールスポイントになること②環境に配慮している企業としてイメージアップになる。また住宅購入者のメリットは、①住宅の品質性能が優れている保証となる②消費エネルギーが一般住宅に比べて少ない、などが挙げられる。


『認定プレート』(4㌢×3㌢)

■住宅販売メーカーの取り組み

環境共生住宅の建設戸数が、16年度、831戸、17年度、791戸と2年連続で全国第1位の実績を持つのが、大和ハウス工業株式会社(本社・大阪市)。
同社は、特に「街並みとの調和(外壁や植栽)」「高断熱・高気密による省エネ」「薬品加工していない建材の使用」に注力。19年度には、同社戸建住宅の半数を環境共生住宅とする目標を立てている。
「お客さまには、環境共生住宅の認定を取得していることやその機能を十分に説明し、納得の上で購入していただいています」(小南俊文・同社商品開発部主任技術者)

■建設戸数は年々増加

一方、「環境共生住宅推進協議会」(前出)でも、建築の専門家を招いた『環境共生住宅フォーラム』(不定期)や、実例を写真パネルや模型を使って展示した『環境共生住宅巡回展』(年数回)を開催して、広く一般の人々への啓発に努めている。
こうした啓発活動や住宅販売メーカーの建設への取り組みによって、環境共生住宅の認定戸数は、認定制度が始まった平成11年度以降、年々増加。(図参照)
とはいえ、住宅全体の中に環境共生住宅が占める割合はまだ少なく、17年度、全国の住宅着工数124万9,366戸のうち、環境共生住宅の認定戸数は7,619戸(0.6%)に過ぎない。
先の小南氏(大和ハウス)は、「“環境共生住宅”と打ち出しても、それだけでは売れないのが現状。税制面での優遇策もなく、消費者だけでなくメーカーの双方にメリットが少ない」と、指摘する。
また、IBEC企画・環境部長の永岡洋二氏は「認知度はまだまだ低く、環境保全に興味を持っている人に、環境共生住宅は“こんなメリットがある”という情報を地道に伝えていきたい」と語る。
しかし、地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、家庭から排出される量が1990年から4割も増加(2004年)していることを考えれば、環境共生住宅を選択するような消費者や住宅メーカーの一層の意識改革が求められているといえそうだ。