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生け花でロシア人と文化交流

北海道根室市 前田なをさん

北海道根室市在住の地方講師、前田なをさん(78)は、今年6月18日、華道家元池坊根室支部の副支部長として、同市の道立北方四島交流センターニホロで、北方四島在住のロシア人家族に生け花を指導し、同国との友好・文化交流に貢献、その模様が翌日のNHK釧路放送局のニュース番組『タンチョウてれび』や『北海道新聞』などに紹介されて話題を呼んだ。「ロシア人家族との心触れ合う交流が北方四島返還に役立つことを願っています」と語る前田さんに話を聞いた。

どの人の命も礼拝し、生け花を指導する前田さん
(左から2人目)

 北方四島在住のロシア人との友好・文化交流活動は、「北方四島交流事業」(主催・北方四島交流北海道推進委員会ほか)の一環として、四島返還の早期実現を目的に行われているもの。

 6月18日、この交流活動の1つとして、前田さんをはじめ池坊根室支部の役員ら10人が集まり、北方四島から訪れたロシア人家族68人(大人35人、小・中・高校生33人)に生け花を指導。同支部による交流は、平成17年から数えて5回目。

 午後3時20分から、支部役員が生け花の説明を行った後、ロシア人家族は9つのテーブルに分かれて、生け花を開始。

 これまで、5回とも通訳者をほとんど介さずに指導してきたという前田さんは、「言葉が分からなくても、“どの人の命も神様の命”と心の中で念ずると気持ちが通じ合い、特に子供たちとはすぐに打ち解け、指導がうまくいくのです。出来上がった作品は、いかにも子供らしく、独創的な作品になるので教えがいがありますね」と指導の喜びを語る。

 その後、舞台上の大きな1つの花器に子供たちが一人1本ずつ花を生ける“寄せ生け”を体験。子供たちは、花を生ける前、それぞれが正座して頭を下げる日本式のお辞儀を慣れない様子で行うほほえましい場面も。

 そして、〝寄せ生け〟が完成。参加者全員で記念撮影を行って、午後4時30分、交流会は終了した。

 前田さんは、「日本で600年の伝統を持つ池坊の生け花の文化をお伝えすることは、両国の友好・文化交流に大変意義あるものと思います」と語る。

 前田さんは、根室市出身。4姉妹の三女として生まれ、池坊の根室支部長で引立ひきたて教授だった母親のやすさん(故人)から生け花の手ほどきを受けた。

 昭和18年、14歳の時、女学校に通っていた前田さんは、学徒動員で農業に従事したが、慣れない重労働のため、腹膜炎を患って入院することに。

 退院後も、病床に伏せる生活が長く続いたが、そんな前田さんが生長の家に触れたのは、25年、21歳の時。姉の友人から『白鳩』をもらい、そこで読んだ「人間・神の子、本来病無し」の教えに感激。早速、病床から立ち上がる力が湧いて、すっかり元気になったという。

 前田さんは、昭和30年から4年間上京し、編み物の専門学校に通学。その間、毎週日曜日、生長の家本部(東京・原宿)に通って、谷口雅春先生ご指導の誌友会に参加。「先生のご講話を聴いて、足の不自由な人が立ち上がったり、テンカンの発作が起きた人が、先生の手が触れただけで静かになるのを垣間見て大変感動しました」

 34年、帰省した前田さんは、同年、夫の健さん(77)と見合い結婚。が、新婚生活3日目で健さんは肺結核で入院し、前田さんは足繁く病院に通って、健さんを看病した。

「治癒まで3年間、“神の子・病無し”と夫の実相を観て看病できたのもみ教えのおかげ。こうした体験を経て、報恩感謝の気持ちが湧き起こりました」

 その後、池坊の引立教授となった前田さんは、やすさんの生け花教室を手伝う一方、51年、地方講師、56年、根室北支部支部長を拝命するなど光明化運動に励み、平成3年、白鳩会教区連合会副会長を拝命し、定年まで重責を担った。現在、自宅で毎月1回誌友会を開催しているほか、月2回、出講講師として活躍。夫の健さんも、車の送迎で活動に協力している。

 前田さんは、「北方四島返還は、日本国民の願い。北方四島在住のロシア人を神の子の命として礼拝し、友好を深めていくことが、四島返還実現の力となると信じて指導を続けたい」と力強く語っている。