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7月のある日、東京・原宿の生長の家本部「生光展係」に14点の絵手紙と絵封筒が届いた。
青々と、丸々とした、おいしそうに描かれた
差出人は、兵庫県新温泉町に住む白鳩会員の中井松枝さん。本紙6月1日号を読み、この10月、東京・銀座で、第30回生光展が開催され、絵手紙と絵封筒も募集していることを知り、早速、制作し送ってきた。
中井さんの作品は、花や野菜、近所の風景など、身近な題材を伸び伸びとした筆致で描いているのが特長。作者の明るい人柄がにじんでくるようだ。
「頭の中に思い浮かんだものを何も見ずに描きます。失敗しても、どうごまかして描こうかと頭をひねるのが楽しみ。ハハハ」
訪ねた記者に快活に語る中井さんだが、平成18年、両目の視力を失ったこともあった。
「何も見えなくなって驚きましたが、検査の間も、“実相円満完全、実相円満完全…”と心の中で念じ続けていました」
検査しても原因不明。しかし、特別、治療もしないのに、2、3日、病院のベッドで安静にしていたら視力が徐々に回復し、1カ月後に退院した。
その年、水彩画を習った経験を持つ中井さんは、91歳で、興味のあった絵手紙を描き始めて、親戚や友人に送るように。
「目が見えるだけでありがたくて…。起床後、まず目が見えることに心から感謝して1日を始めています。目が疲れないように気を付けて、絵手紙を描きます。私のヘタな絵でも人様に喜んでもらえるのがうれしい」
そんな中井さんは、昭和21年、生後10カ月の子供と夫を相次いで病気で亡くして落ち込んだが、親類の勧めで『生命の實相』を読んで教えに触れ、残された3人の子育てに励んだ。
「難しいことは分かりませんが、“人間神の子、生命は生き通し”と知って慰められました」
その後、白鳩会の支部長を拝命して活動に励み、第一線を退いた今でも、後輩宅を訪れて、生長の家の話などの明るい話題を提供して喜ばれている。
取材の数日後、中井さんから新しい3通の絵手紙が。曲芸のサルが左手を上げてこちらに挨拶している絵と、「過日は御苦労様でした」の言葉。
「欲は全然ありませんが、天寿を全うさせてもらうまで頑張って生きようと思っています」
今日も中井さんは、屈託のない笑顔で明るい1日を過ごしているはずだ。
