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「絵手紙を描いている時は、時間を忘れるほど楽しい」と中井さん

90歳を過ぎて絵手紙を始める

兵庫県新温泉町 中井松枝さん(93)

7月のある日、東京・原宿の生長の家本部「生光展係」に14点の絵手紙と絵封筒が届いた。
 青々と、丸々とした、おいしそうに描かれた水茄子みずなす 2本の絵に、「色は悪いけれど水茄子でおいしいですよ」との言葉が添えられた絵手紙、ハンモックにゆられてのんびりと読書する男性が描かれた絵封筒等々。
 差出人は、兵庫県新温泉町に住む白鳩会員の中井松枝さん。本紙6月1日号を読み、この10月、東京・銀座で、第30回生光展が開催され、絵手紙と絵封筒も募集していることを知り、早速、制作し送ってきた。
 中井さんの作品は、花や野菜、近所の風景など、身近な題材を伸び伸びとした筆致で描いているのが特長。作者の明るい人柄がにじんでくるようだ。
「頭の中に思い浮かんだものを何も見ずに描きます。失敗しても、どうごまかして描こうかと頭をひねるのが楽しみ。ハハハ」
 訪ねた記者に快活に語る中井さんだが、平成18年、両目の視力を失ったこともあった。
「何も見えなくなって驚きましたが、検査の間も、“実相円満完全、実相円満完全…”と心の中で念じ続けていました」
 検査しても原因不明。しかし、特別、治療もしないのに、2、3日、病院のベッドで安静にしていたら視力が徐々に回復し、1カ月後に退院した。
 その年、水彩画を習った経験を持つ中井さんは、91歳で、興味のあった絵手紙を描き始めて、親戚や友人に送るように。
「目が見えるだけでありがたくて…。起床後、まず目が見えることに心から感謝して1日を始めています。目が疲れないように気を付けて、絵手紙を描きます。私のヘタな絵でも人様に喜んでもらえるのがうれしい」
 そんな中井さんは、昭和21年、生後10カ月の子供と夫を相次いで病気で亡くして落ち込んだが、親類の勧めで『生命の實相』を読んで教えに触れ、残された3人の子育てに励んだ。
「難しいことは分かりませんが、“人間神の子、生命は生き通し”と知って慰められました」
 その後、白鳩会の支部長を拝命して活動に励み、第一線を退いた今でも、後輩宅を訪れて、生長の家の話などの明るい話題を提供して喜ばれている。
 取材の数日後、中井さんから新しい3通の絵手紙が。曲芸のサルが左手を上げてこちらに挨拶している絵と、「過日は御苦労様でした」の言葉。
「欲は全然ありませんが、天寿を全うさせてもらうまで頑張って生きようと思っています」
 今日も中井さんは、屈託のない笑顔で明るい1日を過ごしているはずだ。


筆の運びも軽やかな
中井さんの制作風景(動画)

中井さんの明るい人柄がにじみ出た絵手紙、絵封筒の数々

中井さんの明るい人柄がにじみ出た絵手紙、絵封筒の数々

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