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90歳で絵を描く日常が地方紙で話題に

長崎市の井上良子さん

「絵筆を持つと時間を忘れます」と井上さん。
使い慣れた油絵用の画材に囲まれて

「絵を描いて脳を使っていると、頭もボケませんね」
 長崎市在住の白鳩会員、井上良子さん(90)は、70歳から趣味で始めた油絵を今も続けながら、長男夫婦と一緒に元気で幸せな日々を過ごしている。
 そんな井上さんは、昨年12月8日付の『長崎新聞』で、生涯学習に励む市民を紹介する欄「あなたもご一緒に…まだまだ学びたい」に取り上げられ、描く喜びや、美術館巡りをしたり、眼鏡なしで新聞を隅々まで読むなどの好奇心いっぱいの生活ぶりが、写真入りで紹介された。
「何を見ても美しく感じるのは、絵を描き続けてきたことで、ものを“見る目”が養われてきたからでしょうね」
 こう語る井上さんに、日時計主義で老いの日々を楽しむ暮らしぶりを聞いた。

◆描いている時は少女の気分

 自宅6畳の和室が井上さんの“アトリエ”。明るい黄色の背景に白やピンクのバラが鮮やかに映える6号(410×318㍉)の油絵が、壁に立て掛けるように座卓の上に置かれていた。
「この絵では、背景に明るい黄色を使うと華やかな印象になることを発見しました。絵の道は奥が深くて、おもしろい」
 井上さんは、小さなイーゼルに6号のキャンバスを立て掛けて、花などの静物画を中心に月に1、2枚を制作。「静かで集中できる深夜に描くことが多いですね。描いている時は少女に戻った気分です」と語ると、くりっとした瞳を輝かせた。

◆70歳から描き始めた油絵

 井上さんは、67歳で夫に先立たれた後、何か夢中になれるものを求めていた時に、女学校時代に絵が好きだったことを思い出し、70歳から週1回、長崎市内のカルチャーセンターに通って油絵を習い始めた。
「“その年齢で絵を描くなんて素晴らしい”と絵の先生から褒められ、描くのが楽しくて…」
 平成16年、85歳の時、よく通う画材店が主催する「第16回ながさき80歳、90歳代絵画展」に8号の静物画を初出品し、以来、最終回となった昨年9月の第20回展まで5回にわたって出品し続けた。
「年1回の出品が目標でした」  第20回展の会場で、井上さんはテレビ局の取材を受け、その映像がニュース番組で放映されたことが新聞社の目に留まり、取材を受けることに。
「近所の人や信徒さんから“素晴らしいね”と讃嘆され、晴れがましい気持ちになりました」

◆「生きていることが楽しい」


井上さんの近作
『グラジオラス』(6号)

 井上さんは大阪出身。昭和16年に長崎に嫁いだ後、30年代に新聞の集金人に誘われて誌友会に参加し教えに触れた。が、本当に教えの素晴らしさに目覚めたのは、70歳を過ぎて、『生命の實相』(谷口雅春先生著)を繰り返し読むようになって。
「毎日少しでも真理の言葉に触れていると、いつもありがたい気持ちでいられます。高齢になって腰が歪んできましたが、朝晩1,000回ずつ“ありがとうございます”と唱えていると、不思議と痛くならないのです」
 日々、朝夕の神想観や、聖経読誦も欠かさない。
 昨年、3人の子供夫妻、孫、ひ孫など合計16人に卒寿のお祝い会を催してもらった際、井上さんは、「生きていることが喜び。とことん描き続けて100歳を目指す」と宣言した。
 最後に記者が、「100歳記念の個展ではぜひ取材を」と申し込むと、照れながら、「その時まで生きていればね」と。
“すべて神にお任せ”の心境のようだ。