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コンポスト(堆肥肥)づくりを語った絵本を制作

北海道網走市 長嶋絹子さん

北海道網走市(北見教区)在住の白鳩会員、長嶋絹子さん(56)は、自宅でコンポスト容器を使って堆肥をつくった体験を基に、「生命はひとつ、生ごみや微生物などでも無駄なものは一つもない」ということを易しく説いた童話を執筆。今年5月、絵本『コンポストだよ』(A4変型判、32頁、共同文化社刊、絵/北野えるか)として共同文化社(札幌市)から出版した。これまでアイヌ文化の研究を続け、北海道の神話や自然を題材にした童話を書いてきた長嶋さんを訪ねて、執筆のいきさつなどを聞いてみた。


「“すべての命はつながっている”ということを知ってもらうためにも、
幅広い世代の人に読んでもらいたい」と長嶋さん

 絵本『コンポストだよ』の主人公は、笑顔が素敵な主婦のクックさん。ご主人から、生ごみの匂いを嫌がられてコンポスト容器を購入、庭で生ごみの堆肥づくりを始めた。するとクックさんには、生ごみを分解する微生物の声が聞こえ始め、やがて妖精のような微生物“ペラ”と“ムール”から、発酵や土壌の仕組みはもちろん、“すべての命はつながっている”と教えてもらうように──。
 着想したのは、長嶋さん自身の体験から。6年前、自宅の庭にコンポスト容器を取り付けて堆肥を作り始めたが、容器の中に発生する虫に嫌悪感を抱いていたという。が、生ごみが堆肥になる様子を観察しているうちに、「ここにいる生き物は、土を肥沃ひよくにする大切な働きをするんだ」と理解できて心境が一変。その気持ちを得意な童話で表現しようと構想を練り始めた。
 出版社からは、コンポスト容器の認知度が上がってからの出版を勧められ、一度は出版を断念。が、数年後、聖典を読み進むうちに、「認知度が上がって書くような気持ちでは、読者に愛される物語はできない。“今”の思いを大切にしよう」と改めて出版を決意。ストーリーをつくり、専門家の解説を加え、画家と構成や絵づくりを共同で進め、出版にこぎつけた。

自宅で作っている“段ボールコンポスト”を前に

 読者からは「コンポストのことがよく分かった」「面倒でやめていたが、この本を読んでまたコンポストをつくりたい」などの声が多数寄せられたほか、札幌市の寄託図書となり、市内の小学校で「環境保全の勉強になる」と好評を得ている。
 長嶋さんは、20年以上にわたり、主に北海道の神話やユーカラ(口承文芸)を題材にした童話を創作。絵本は、平成17年、『カシムとまさと コタンをすくう』に続き、今回で2作目。
 長嶋さんが教えに触れたのは、道内の札幌市から現在の網走市に転居してまもない14年。環境になじめず、原因不明の右半身のしびれなどに悩まされていた時、かつて何気なく購入していた数冊の『生命の實相』を紐解き感動。教区練成会に参加するなど教えを学ぶうちに症状は全快。その後、アイヌ文化と生長の家の自然観が、“天地一切は自他一体の生命、すべてのものに神が宿る”という点で全く一致していることに気付き感動したという。
 今年6月から、長嶋さんは、ブログ「『コンポストだよ』でお友達の輪」の中でコンポストづくりや自宅農園も紹介し、読者との交流を深めている。 「好きな創作活動ができて本当に幸せ。信仰を深めつつ、今後も楽しい物語を書いていきたい」と穏やかな笑顔で語ってくれた。