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巡礼の軌跡を仏画に描く

秋田市 谷トミ子さん


一番のお気に入りという「千手観音像」の前で(右は夫の金彌さん)

「仏画を描き、自由自在の境地で、心を遊ばせているんです」
 秋田市在住の白鳩会員、谷トミ子さん(79)は、71歳から趣味で仏画制作を続ける一方、夫で相愛会員の金彌きんやさん(77)と共に全国各地の寺院を巡礼。自分の仏画を表装して寺院の朱印をもらった掛け軸も制作した。
 そんな谷さんの様子は、今年2月5日付の地方紙『秋田さきがけ』で、年長者の特技やこだわりを紹介する「技あり──県内シルバーマイスター」欄に登場し、話題を呼んだ。
 記事では、仏画を制作する時の心境等とともに、「巡礼は父母のため、諸人もろびとのためにするもの。感謝の心を忘れないようにしたい」という谷さんの言葉が紹介されている。
「新聞に取り上げられてびっくりしました」と語る谷さんを訪ね、その喜びなどを聞いた。


 冬の日本海から吹き付ける風の冷たさが身に染みる3月半ばの秋田市。谷さんは、自宅で夫の金彌さんと共に柔和な笑顔で出迎えてくれた。
「ちょうど今も、仏画の掛け軸を整理していたところです」と語る谷さんに案内されて入った部屋には、谷さんと同じように柔和な表情をした観音や菩薩像を描いた仏画が所狭しと飾られていた。
 谷さんが仏画を描き始めたのは、平成14年。夫の金彌さんと見に行った仏画展に魅せられ、その後、毎週1回2時間、近所の仏画教室に通って仏画を習い始め、毎日、家で仏画を描くのが日課となった。
 仏画は、講師の手本の上に和紙を重ねて薄墨を付けた筆で輪郭をなぞり、膠(にかわ)を混ぜた水彩絵の具で彩色していく。立体感を出すため、何度も色を塗り重ねる。仏画が完成するまで半年も時間が掛かり、根気もいる。
「集中力が必要ですが、仏画の色合いが寝ても覚めても気になるほど楽しい時間でもあります」
 谷さんの一番のお気に入りは、平成16年、秋田三十三観音霊場を巡礼し、自ら描いた千手観音像の周りに各霊場の御朱印を押した掛け軸。
 千手観音像は、子年ねどしの守り本尊であり、子年生まれの谷さんの長男(50)が元気に活躍していることに感謝して描いたもの。
「仏画制作と三十三観音の巡礼を1年半掛かりで終えて掛け軸が完成した時は感無量でした。大切な宝物として仏壇の横に飾り、毎日拝んでいます」
 谷さんが制作した仏画は20点。そのうち5点は、巡礼した寺院に納めたという。

時間も忘れて熱中するという谷さん

 谷さんが生長の家の教えに出合ったのは昭和60年、54歳の時。夜、眠れない日々が続いて悩んでいた時、知人から「救われた人が多いから…」と勧められ、当時住んでいた同県湯沢市の真言宗の寺に参拝。そこで、戦争中、『甘露の法雨』の御守りを身に付けて命拾いをしたという住職から、『生命の實相』の拝読と誌友会への参加を勧められ、近所の誌友会に参加。夫の金彌さんもすぐに共鳴して共に信仰するように。
「それまでの仏教の信仰を続けながら、誌友会でも真理を勉強できるという“万教帰一”の教えにとても感動しました」
『生命の實相』を拝読し、毎月の誌友会に参加したほか、平成7年、広面支部支部長を拝命。自宅を誌友会場として開放し続けている一方、これまで四国八十八カ所、西国三十三カ所、坂東三十三観音など、夫婦で全国各地の延べ458カ所の寺院を巡礼してきた。
 朝晩、夫婦で神想観実修と聖経読誦を欠かさない谷さんは、「両親や家族に感謝しながら、生長の家の教えも学び続けるともに、仏画制作と巡礼を続けたい」と笑顔で語ってくれた。