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地域の人とつくった“布の絵本”が最優秀賞

広島県府中町 平田松子さん


孫のために“布の絵本”を作る平田さん。
左のカーテンや後ろの白いブラウスも平田さんの作品

地域の民話や史跡、町の花のツバキの群生地などを調査して、地図や小冊子、布の絵本などに仕上げる活動を行っている広島県府中町の「椿と民話グループ」(約20人)は、昨年12月、群馬県桐生市で開かれた「第6回手づくり布の絵本全国コンクール」に、地域の民話を題材とした布の絵本『ささらが池』(12ページ)を出品し、見事、最優秀賞を受賞した。
 グループでは最年長で活躍し、受賞作では5ページ分を制作するなど活躍しているのが白鳩会員の平田松子さん(77)。平田さんを自宅に訪ねて、活動の喜びなどを聞いた。


 厳しい残暑が続く9月半ば、姑の着物を仕立て直したという紺色のブラウスを着た平田さんは、夫の倢明としあきさん(85)と共に柔和な笑顔で迎えてくれた。
「布の絵本」とは、布でつくった登場人物や風景を、布製のページに縫い付けた絵本。乳幼児の教育をはじめ、視覚障害者、リハビリのためにも活用される。
 同コンクールは、織物の町、群馬県桐生市が平成11年から2年に1度開催。今回は全国の個人や団体から61作品が集まり、平田さんらの作品が最優秀の「織物のまち大賞」を受賞した。
「地域の皆さんと楽しく活動した結果としての受賞。夢にも思わなかったので驚きました」
 平田さんが、「椿と民話グループ」で活動を始めたのは、平成19年。別のグループで布の絵本づくりを教えていたが、以前、共に民生委員として活動していたグループ代表に誘われ、「民話で町の歴史を学びながら布の絵本も作れて、一石二鳥」と入会した。
 そんな中で出合った物語が、民話『ささらが池』。この池は、平安末期、源平合戦に敗れた平家のささらが姫が敵兵に見つかり身投げしたと伝わる悲話の場所。今も同町の山奥に存在する。
 同年10月、興味を持った平田さんらメンバーは、山の麓から、約2時間、ガイドと共に急斜面の獣道けものみちを歩き通して池に到達。グループでは、その感動を基に、翌月から、この民話を題材とした布の絵本づくりを開始した。
 登場人物や風景には、古い着物の色や柄を生かして使い、綿を詰めて立体感を出すなど、躍動感あふれる作品に仕上がった。完成まで2年を要したという。
「“作者が楽しく制作した雰囲気が作品にも表れている”との評価を頂きました。メンバー全員が一体となって取り組めましたが、これも教えのおかげです」
 そんな平田さんが、活動で心掛けているのは、日時計主義の姿勢だ。
 例えば、作品づくりの指導では、「下手だったら言ってね」と話してくる仲間に対して、「下手な人はいないのよ。私は良い所しか見ないのよ」と話して、目を丸くして驚かれたこともあったという。

平田さんが担当した布の絵本
『ささらが池』の1ページ

 平田さんは、昭和40年ごろ、先に入信して健康になった母親から「これを読まなきゃ幸せになれんよ!」と毎月郵送されてくる旧『白鳩』を愛読。やがて、実母の勧めで、講習会には夫の倢明さんや義父母、子供たちと家族ぐるみで参加し、自宅で誌友会を開催するように。59年、現在地に転居後は「住民の交流の場にしよう」と近所の人に料理や裁縫を無償で教えたり、倢明さんも町内会長になるなど、夫婦で地域貢献に努めてきた。
 現在も地方講師として誌友会に月1回出講する一方、近所の集会所で裁縫教室を開催している平田さんは、「皆さんから、そばに居るだけでホッとするお母さんのよう--と言われたりするととてもうれしいです。これからも光明化運動と作品づくりにまだまだ頑張ります」と笑顔で話している。