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地方紙で郷土料理作りが話題に

島根県出雲市 樋野美保子さん

筆の先のようになるのが由来の「海苔筆」。
磯の香りが広がった

 今年1月、島根県出雲市の特産品「十六島海苔うっぷるいのり」(岩海苔)をふんだんに使った「海苔筆のりふで」という郷土料理を作って、今年1月13日付『山陰中央新報』の「出雲ほっとふうど」欄(毎月第2、4日曜日掲載)に紹介された白鳩会員がいる。同市在住で、海苔摘み歴40年という樋野美保子さん(66)がその人。自宅を訪ねて、新聞に掲載された喜びや海苔筆について聞いてみた。
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 全国的に春の嵐が吹き荒れた3月半ば。JR出雲市駅から北へ車で約30分、島根半島の西寄りに位置し、日本海に面した十六島町の自宅で樋野さんは、聖使命会員で夫の峰夫さん(69)と共に笑顔で迎えてくれた。
 同欄では、郷土料理を研究している女性が記者と共に樋野さん宅を訪ね、「海苔筆」の作り方や「十六島海苔」の特徴などについて取材し、「十六島地区の海苔筆/磯のぜいたく べべ貝だし」という見出しに写真3枚入りで紹介。この中で樋野さんは、料理の作り手として登場している。
 「海苔筆」料理は、日本海の荒波が育み12~2月にしか収穫できない十六島海苔をふんだんに使った出雲の郷土料理で、地元では、正月などのもてなし料理として作られるもの。海苔を箸はしで持ち上げると、筆の先のようになることが名前の由来だ。
 調理法は、まず地元の海岸に生息するべべ貝を大鍋で湯がいてだしを作り、その貝の身とゴボウ、サトイモ、白カブ、こんにゃく、豆腐を入れて煮込み、しょうゆと酒、みりんで味付け。仕上げに驚くほどたくさんの海苔を投入し「海苔筆」が完成。
 今回の取材でも、樋野さんが実際に作ってくれたが、十六島海苔のシャキシャキとした食感と磯の香りが口の中に広がり、深い風味が楽しめた。
 「料理研究家からも“初めて食べる味と食感”と好評でした。新聞に大きく取り上げられて驚きましたが、地元の人からも“載ったわね”と喜ばれています」(美保子さん)
 「地域の活性化にもつながるので、取材の申し入れにはできるだけ応えています」(峰夫さん)
 こう語る樋野さん夫妻は、十六島海苔の収穫が最盛期を迎える年末年始には、毎年、新聞社やテレビ局から多くの取材があり、荒波が迫る岩場で海苔を手摘みする風景が、季節の風物詩として紹介されているという。そのほか、芸能人が出演する人気テレビ番組『満点☆青空レストラン』(日本テレビ)や『ナニコレ珍百景』(テレビ朝日)などで紹介されたこともあるとか。
 「ダイナミックな風景が撮影には良いそうですが、私たちは常に命懸け。大自然に対する畏敬や感謝の思いを忘れず、作業前後には必ず手を合わせます。おかげさまで大きな事故もなく海苔摘みができ、毎日健康に暮らせるのは教えのおかげです」

岩場で海苔を手摘みする
樋野さん夫妻

 樋野さんが教えに触れたのは、昭和47年、樋野家に嫁いだ時。戦前から教えに触れ、自宅で誌友会を開催するなど熱心に信仰していた峰夫さんの両親の影響から。一方、峰夫さんも、幼いころから両親に連れられ講習会に参加し、「人と接する時は、相手の意見を立てて良い方面に事が運ぶように努めよと言われて育ちましたから、家族や地域の人とも調和し、感謝の毎日です」と語る。
 平成13年から、白鳩会北浜支部支部長を拝命して自宅で誌友会を開催する傍ら、一人暮らしの高齢者との会話やゲームなどを楽しむボランティア活動などにも積極的に取り組んでいる樋野さんは、「海の神様や先祖、夫や家族、地域の皆さんに感謝しつつ、あと10年は海苔摘みを続けたいですね」と生き生きと語っている。