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Chapter5 「木質バイオマス発電」と「木質ペレットボイラー」

森林資源を活用

 戦後の日本は、建築材、炭や薪の燃料として木材を利用していましたが、その後、木材の輸入自由化、石炭や石油などの化石燃料への転換により、木材はあまり利用されなくなくなりました。  しかし、近年、地球温暖化防止の観点から「木質バイオマス」の利用に改めて注目が集まっています。森林資源を燃料として活用し、森林を元気にし、地域の活性化に結び付くことが期待されているからです。  ここでは、"森の中のオフィス"で、"創エネ"として太陽光発電と共に重要な役割を果たしている「木質バイオマス発電」(175kw)と「木質ペレットボイラー(50万kcal)」を紹介します。

Q1木質バイオマスを利用するメリットは?

①CO2の排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献

 樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収・固定します。燃やすとCO2を発生しますが、植樹すればCO2は樹木に吸収される循環型の再生エネルギーです。この〝カーボンニュートラル〟の特性により、地球温暖化防止に貢献します。

②木質エネルギーの地産地消

 〝森の中のオフィス〟では、木質バイオマス発電の燃料の「木質チップ」に、山梨県内の製材所で製材時に出るスギやカラマツの端材を切削し乾燥させたものを利用。昨年1年間、約206トンを購入、利用しました。これにより県内の森林の利用を促し、地域経済の活性化に寄与しました。

③自然環境に左右されず?安定した発電が可能

 太陽光や風力は、天候に左右されますが、木材によるエネルギーは燃料が確保されれば安定した発電を行うことができます。オフィスでは、主に曇天や雨、雪などの時、木質バイオマス発電を稼働させています。

Q2発電のしくみは?

発電効率の良い"熱分解ガス化方式"

 木質バイオマス発電には、燃焼の違いから、①木材を直接燃焼して蒸気タービンを回して発電、②木材を熱処理でガス化し、タービンを回して発電する二つの方法があり、〝森の中のオフィス〟では、小規模で発電でき、発電効率のよい②を採用。  具体的には、ガス化炉で、木質チップに加熱し蒸し焼きにしてガスを発生させ、精製処理の後、そのガスによりディーゼルエンジンを稼働させます。ガスの状態を安定させるため、バイオディーゼル燃料(BDF)を補助燃料として混合しますが、BDFは植物油の廃油からできたものを使っています。  昨年1年間、木質バイオマス発電の発電量は22万2479kwh。太陽光発電を含むオフィスの全発電量の約4割を占めています。  一方、同発電で発生した熱は、給湯や暖房のほか、冬は、敷地内のロードヒーティング(道路下に通した管に湯を通して凍結を防ぐ)に利用しています。熱の不足時には「木質ペレットボイラー」を稼働させてコントロールしています。


オフィスの木質バイオマス発電装置

Q3木質ペレットボイラーとは?

木質ペレットを燃やした熱で温水をつくる

 木質ペレット(固形燃料)は、木質チップと同じく、県内の製材所から出るおが屑やかんな屑などを圧縮成形したものを使っています。

Q4 木質バイオマス発電は順調に稼働していますか?

トラブルはありますが、装置の改善に努めて大きな財産に

 〝森の中のオフィス〟が採用している同装置の〝熱分解ガス化方式〟は、世界でも実証段階です。同方式は国内五カ所で稼働。ガス化したガスの精製処理が最大の課題と言われています。  オフィスでも、冬期の配管凍結やガス化時のタールの配管付着などで、度々装置が停止。しかし、オフィスの設備担当者とメーカー(ヤンマー㈱)の技術者の協力で改善に努め、その経験は、同装置の技術向上の大きな財産となっています。