森の中のゴミ拾い

ゴミがいっぱいだった森の道

 こんにちは、SNIクラフト倶楽部の中井です。
 2020年4月、私は電動アシスト自転車を買いました。私が住む山梨県北杜市は、自然がとても豊かで美しく、のんびりとサイクリングしたら楽しいだろうなという思いから、自転車に乗り始めたのです。

 ところがいざ走ってみると、道ばたや草むらの中には、いろんな種類のゴミがいっぱい落ちていて驚きました。7年前から、住んでいる街のゴミ拾いを続けていましたので、これからは自転車に乗りながら、森の道もきれいにしようと決心したのです。


自然の生態系を守る“森の中のゴミ拾い”

 ゴミ拾いをするようになって一ヶ月が過ぎた頃、一頭の野生のシカが道ばたに捨てられた弁当を食べているのを見て、私はショックを受けました。今まで、街の中でゴミ拾いを行っていた時は、そこに住む人たちが喜んでくれたらという思いで続けていました。

 でも、自然の中でゴミ拾いを行うようになって、ゴミを拾うことは私たち人間のためだけではなく、そこに住む動物や植物の生命を守ることにつながるということに気づきました。落ちているゴミの中には、動物や植物にとっても有害なプラスチック製品やガラス瓶、空き缶なども、とても多いのです。動物がゴミの破片でケガをしたり、間違えて食べたゴミによって、消化不良で死んでしまうケースもあるということを知りました。

 また、美しい水を作ってくれるのは、川の源である森です。その森にプラスチックの容器が捨てられていることで、川から海に流れたプラスチックゴミによって川や海が汚されています。さらには、紫外線などによって劣化し、ボロボロになったプラスチックが土壌に入り込むことで、土の栄養が減り、植物の生長や土中に暮らす生物に悪影響を与えているとも言われています。このような「海洋プラスチック」「マイクロプラスチック」などの問題は、多くの学者やメディアなどが取り上げています。(参考:NHK就活応援ニュースゼミ「1からわかる!プラスチックごみ問題」



 森の中で行うゴミ拾いは、あらゆる自然の生態系を守ることができると気づきました。動物や植物、昆虫など全ての生物が平和に暮らすことができ、私自身が自然を傷つけない生き方をするためにも、今私は森の中のゴミ拾いを毎日続けています。


ゴミ拾いは嬉しいことがいっぱい

 ゴミ拾いを続けていると、嬉しい出来事もたくさんあります。私はその日によってゴミ拾いをするコースを変えたりはせずに、ずっと同じコースでゴミ拾いを行っています。毎日同じコースを走っていると、少しずつ季節によって移り変わる風景や、様々な種類の鳥や昆虫、植物に出会うことができ、自然は生きていることを鮮やかに感じることができます。


 たまに出会うおじさんから、「今日もありがとう!」ってお礼を言ってもらえたり、畑作業をしているおばさんに、「おはようございます」って挨拶してもらえたりすると、すごく幸せな気持ちになります。

 また、ゴミを拾って草むらがきれいになると、草や木やそこに住んでいる動物たちも喜んでくれているような気がしてきて、私と自然との一体感を味わうことができました。


自然と一体の喜びを生活に表現

 森の中のゴミ拾いを続けるようになって、自然に“与え返す”生き方()を自分の生活にもっと反映していきたいと思うようになりました。

 最近、具体的に変えたことがあります。拾ったゴミを入れるために、今までレジ袋を使っていたのですが、竹かごに変えました。レジ袋は石油由来であることに加え、毎回ゴミ拾い後にはレジ袋も一緒に破棄するため、もったいないと感じていました。

 しかし竹かごは、自然素材でできていることや、繰り返し使えること、最終的には土に還ることなど、自然にかける負荷が少ないです。


他にも、飲み物のボトルを自転車に付けるドリンクホルダーを竹で作りました。

 このようにして私は、自然に感謝して、自然に“与え返す”生き方を心がけることによって、今まで味わったことのなかった幸せを実感しています。

 これからも、森の中のゴミ拾いを続けながら、自然と一体の喜びを、生活に表現していきたいと思います。

(SNIクラフト倶楽部 中井憲治)

<参照>
*自然に“与え返す”生き方:谷口雅宣・生長の家総裁ブログ「唐松模様」より「自然界に“与え返す”生き方」