「こもれびアナザーストーリー」Vol.7

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作品名『リネン×和紙糸の食器洗いクロス』 
作者:手作り雑貨ふわふわ工房

――今回お話いただいたのは、『リネン×和紙糸の食器洗いクロス』を製作された
手作り雑貨ふわふわ工房さん。この食器洗いクロスができるまで、さまざまな苦労があったと教えてくれました。

作品ストーリー

どのようなきっかけで、この作品をつくろうと思いましたか?

 2019年当時、全国のSNIクラフト倶楽部のみなさんが、自然素材で食器用タワシをつくりFacebookグループ(メンバー限定・非公開)にシェアされる投稿をみて、自分もタワシを作りたいと思ったのが始まりです。
 
 「洗剤を使わずに洗えてエコ」と一般的にいわれるエコタワシは、アクリル毛糸を使用しているため、その細かい毛糸のくずが排水溝から流れ出し、海洋汚染に繋がっていると知り、自分の台所まわりで使用しているタワシについて考え始めました。

 まず最初に「麻紐は食器やフライパンが傷つかないのかな?」と思い、柔らかい生地を探すことにしました。近所に手芸用品店がないので、忙しい仕事・育児・家事の合間をぬってインターネットで生地を探す日々が続きました。


材料のポイント

これまでどのような材料で試したのでしょうか。

 最初に購入したのは、国産の麻100%の生地でした。少し高めの生地でしたが、食器を洗った時に汚れが目立たないよう、緑色を選んでインターネットで注文しました。
 届いてみると、イメージしていたものと若干異なり、サラサラの質感でブラウスなどが作れそうな上質なものでした。ですがせっかく注文したので、一応クロスを作って食器を洗うことにチャレンジ。
 しかし目が細かく水を含むとかたくなり、食器に対してすべらないので、とっても洗いにくいことが判明!さらに、緑色の麻の繊維が出てきて、これは諦めました。

――食器の洗いやすさや使いやすさは、毎日のことなので大切ですよね。

 その後もインターネットで引き続き探し、次に注文したのは、「ザ・麻!」という感じのジュートの生地です。こちらは、はさみでカットすると繊維がホロホロとほどけてきて、縫う時でさえも扱いにくく、食器洗いにして洗ってみても、かたすぎて器やコップの隅まで洗えず、こちらも諦めました。

(もったいないので、布の4辺を三つ折りに折り込み、 ぼろぼろとほつれないように縫って、シンクや排水溝を洗うクロスとして活躍しています)

 それでも諦めきれず、布製の食器洗いなどを検索していると、運命の出合いが。

 タテ糸は亜麻(リネン)、ヨコ糸は和紙のワッフル生地を発見しました。

 お試し用にと購入して、早速作ってみると、今までで一番いい! 
 主人も使ってみて「洗いやすいよ」と言ってくれました。
(ただメーカーに問い合わせた所、製造は日本国内ですが、リネン繊維と、和紙糸にする繊維は国産では無いため、輸入しているとのこと)

――聞くところによると、糸もこだわったようですね。

 はい、普段使っているミシン糸をよーく見ると、ポリエステルと表記されてました。糸まで気にしていなかったと気づき、日本製のコットンのミシン糸に変え、すべて自然素材の材料を使うことを心がけました。

手縫いする際の手芸糸も、オーガニックコットンの糸にチェンジしたそう

モノづくりのスタイル

普段、どのようにクラフトを楽しんでいますか?

 食器洗いクロスをはじめ裁縫をする時は、ミシンやアイロンを使うため、いつも家の決まった場所でクラフトしています。
 以前は自分の休みの日に、まとめてクラフトすることが多かったのですが、最近は子ども達の宿題の時間や、遊んでいる時間が多いですね。子ども達が頑張っていたり、楽しんでいる時間に、「私もなにか作ろう」と思うからかもしれません。

 また、隙間時間にやる事も多いです。食事の支度中、野菜を刻んで鍋で煮ている間の15分とか、保育園へお迎えに行くまでの20分など。
 自分の好きな時間を持つことで、家事や育児にも良い影響があるように感じていますので、進んでクラフト時間を確保するようにしています。クラフトは、作品が完成する度に達成感を味わう事ができるので、そのたびに嬉しくなり、子ども達からも「可愛い」などと言ってもらえることで、さらに喜びに繋がっています。

――生活の中に、クラフトを楽しむことが溶け込んでいるのですね。

最近のマイブームである東北津軽地方の伝統工芸「こぎん刺し」の材料・道具一式。場所・時間を問わずできるのもお気に入り。
刺しかけのこぎん刺しと図案
完成したこぎん刺しのバッグチャームは、離れて暮らす両親にプレゼント

失敗は成功のもと!

ずばり「失敗は成功のもと!」と思う話がありましたら教えてください。

 失敗はいろいろあります(笑)たくさんあります(笑)
 ですが失敗した時には、次はどういうふうに作ったらうまくいくのか、キレイに仕上がるのか、長さは何センチにしたら良いかなどメモをとって、残しています。

 そして子ども達に、「ここ失敗しちゃった~」と伝えます。「ここまで頑張ってきたきたのに、残念!」という気持ちで伝えると、「お母さん、だいじょうぶ!失敗は成功のもとだから、またがんばればいいよ」と励まされるのです(笑)。さらに、多少の失敗は「ぜんぜん気にならないから、わたしが使うよ」と言って使ってくれます。

 子ども達とのこういった交流のおかげで、もっと良いものを作ろう、ていねいに作業をしようと思えるのかもしれません。

刺しゅう糸の色の組み合わせや刺し方に失敗して、何枚も作り直した刺しゅうの布マスク。やっと完成して生光展(※)に出品しました。
(※生長の家の美術公募展)

子ども達のきんちゃく袋。ミシン目が歪んでいる所もありますが、喜んで使ってくれています。
プレゼント用につくったエコバッグ。ポケット部分にたたんだエコバッグが入る予定でしたが、縫い目が少しズレたために、うまく入らなかった。でもバッグのポケットとして使ってくださっているようです。

――失敗したことも、具体的にメモに残して次に活かしたり、お子さんとのコミュニケーションになるのですね。ステキなお話ですね。


作品のここに注目

試行錯誤してできた「食器洗いクロス」ですが、しだいに周囲にも拡がっていったそうですね。

 はい、さまざまな種類の素材や厚みの生地でつくり試すことを繰り返し、気がつくと約3ヶ月が経っていました。

 今では生長の家国際本部“森の中のオフィス”内にある「SHOPこもれび」でも販売され、周囲の人にも使ってもらえてありがたいですね。

 2019年には近所でミニイベントを開催して、マイクロプラスチックの問題にも触れつつ、みなさんに作り方をレクチャーする機会もありました。また、SNIクラフト倶楽部のFacebookグループ(メンバー限定・非公開)にも投稿すると、「興味があります」「自分も作ってみたい」という声も上がり、みなさんが作った麻や綿のさまざまな形の食器タワシが紹介されて、ますます嬉しくなりましたね。

――毎日使うものを通して、環境問題や平和について考え、行動にうつしていく人たちの輪がますます拡がっていったのですね。


さいごに

 連載7回目となる「こもれび アナザーストーリー」はいかがでしたでしょうか。
 この食器洗いクロスができるまで、素材・材料選びから使い心地の検討まで、さまざまな苦労があったのですね。家事で毎日使うものだからこそ、使いやすくて、少しでも環境に負荷をかけないものを、自らの手でつくるというお話でした。
 次回は、どんなクラフトばなしを聞くことができるのでしょうか。
 どうぞ次回もおたのしみに!

(聞き手:SNIクラフト倶楽部・松尾純子)


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