リサイクルのすすめ

 180cm×90cmの合板が不要になりました。粗大ゴミで出そうと思いましたが、この時、「何かにリサイクルできないかなあ」と思案。そこで、当時保育園に通っていた四男の机の製作を考えました。四男が使っていた机は、高校生になる長男が幼稚園の頃、夏休みの宿題として親子で製作した小さなテーブルでした(写真①)。四男は小学校に入学する前だったので、別の机を用意しようと思い、早速製作(写真②)。しかし合板は半分残りました。そこで、リビング用の小さなテーブルも製作(写真③)。結果、2つの物を新しく産み出すことができました。

写真① 四男が以前使っていたテーブル
写真② 合板をリサイクルして制作した四男の机
写真② 合板をリサイクルして製作した四男の机
写真③ 余った合板で作ったリビング用テーブル


 「不要になった物は捨てるしかない」とつい思ってしまいますが、その前に「何か」に使えないか考えてみるのは楽しいことです。また、何らかの手を加えてリサイクルしたものは愛着もわき、長く使うことにもつながります。写真①の古いテーブルは、今も屋外用の作業台として活躍しています。


 (國分祥行・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.88(2017年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.12」

※この記事は2017年に執筆したものです

仙台七夕と手づくりの思い出

SNIクラフト倶楽部事務局の松田あゆみです。
8月と言えば、夏祭り。

私の生まれ育った宮城県仙台市でも、街のあちらこちらに手作りの七夕飾りが飾られ、
とても賑やかになります。
(残念ながら2020年は中止になってしまいました)


【仙台七夕の飾りに込められた願い】

一説には伊達政宗が、様々な願いを込めた七種類の飾りを和紙で作り、飾ったことが起源といわれています。

短冊(たんざく)…    学問や書道の上達
紙衣(かみごろも)…   病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴(おりづる)…    家内安全と健康長寿
巾着(きんちゃく)…   商売繁盛
投網(とあみ)…     豊漁・豊作
屑篭(くずかご)…    清潔と倹約
吹き流し(ふきながし)… 織姫の織糸

出典:仙台商工会議所


商店街では、店ごとで大きな竹に手づくりした七夕さん(地元・仙台での呼び方)を飾り付け、
店の前に飾ります。

数年前からこの竹の一部はリサイクルされるようになり、
お盆の迎え火として商店街を灯す竹灯籠になっていたり、
鹿児島県川内市で作られている竹紙の原料ともなっているそうです。
(画像は竹灯籠の様子)


【夏休みの思い出】

私の家は商売をしていたので、夏休みの子供の居場所は家の中になく、遊びに出かけていました。

母から勧められる先は「ミシン屋さんで弁当袋作り」や「市役所で七夕さんを作る」といった具合で、
何かしらのものづくりをして、夏休みの宿題代わりに提出できる遊びが多かった気がします。

市役所で行われていたワークショップで七夕飾りを作った時は、
一つ一つ飾りに込められた意味を教えてもらいながら、
何日も通って飾りを完成させました。


【私の手づくりの原点】

父は釣具屋をしていましたが、
同時に自分で釣り竿や仕掛けなど、道具を作る職人でもありました。

お客さんに
「こんな道具が欲しいけど売っていない。
自分では作れないが、作ってくれたら買う。」と言われると

あれこれと工夫を凝らし、作ってしまう器用な人でした。

父のごつごつとした手から繊細な道具が作られていく工程を
ワクワクしながら見ていました。

そのおかげか、自分たちで作り、試す。
うまくいかない時は父に相談し、
時には一緒に作るということが遊びの一部になっていました。


【材料を選ぶ時の気持ちの変化】

以前は、あまり材料にこだわりがなく、
デザインだけで生地や毛糸を選んでしまい、石油由来の製品も使っていました。

しかし、クラフト倶楽部へ入ったことで、
何かを作る時には原材料や原産国が気になるようになりました。

そんな私が4月(完成したのは5月)につくったのは、
竹繊維で作られた糸で編んだショールです。

竹繊維で作られた糸で編んだショール


自然素材だからこその優しい風合いは、化繊に劣ることはなく、楽しい手づくりの時間を過ごせました。


6月に甥が生まれました。

何か手づくりの物を贈りたいと思い、
スタイ(よだれかけ)を作るため、オーガニックコットンの生地を求めました。

送られてきた甥の写真を眺めながら、
家族の笑顔を思い浮かべ、手づくりを楽しんでいます。

みなさんも、誰かの笑顔を思いながら手づくりを楽しんでください。

きっと世界で一つだけのステキな作品が、
思い描いた以上の笑顔を運んできてくれるのではないでしょうか?

(SNIクラフト倶楽部 松田あゆみ)