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過信は禁物!?プラスチックリサイクルの裏側

スタッフから

2020/09/24

 日本は、90年代後半頃まで環境技術で世界をリードしてきました。しかし、2017年、ドイツで開催された国連気候変動枠組条約第 23 回締約国会議(COP23)の場において、アメリカとともに批判を受け、“環境後進国”との評価を受けてしまいました。日本のCO2 排出量が減っておらず、逆にCO2の排出の多い石炭火力発電を推進しているという理由からなのだそうです。これでは、地球温暖化を助長する方向へ逆走しているわけで、早く政策を転換して、環境後進国の汚名を挽回してもらいたいと思います。

  
 このように、かつて環境問題への取り組みで進んでいたと思われていたことで、現在では、遅れていると指摘されていることがあります。例えば、日本では、分別回収が浸透して世界でも高いリサイクル(再資源化)率であるという面がクローズアップされている「プラスチック」です。実は日本で行われているリサイクルはプラスチックのゴミ問題の根本的な解決にはなっていないということがわかってきました。

 たとえば、PETボトルは、国内で年間、なんと252億本も生産され、手軽に消費され、手軽に廃棄されています。私は、最初PETボトルはリサイクルされるからいいのでは?と思っていたのです。しかし、国内での廃プラスチックの回収・再資源化の仕組みは未完成であり、なんと、わが国は世界第2位の廃プラスチック輸出国で(=国内でリサイクルできず、リサイクルを海外に依存)、国内で処理しきれない部分は結局焼却され、CO2を排出し、地球温暖化に繋がってしまうというのです。(※文末の参考文献参照)



 やはり、持続可能な社会を作るには、リサイクルされるからどんどん使って捨てていいということではなく、リデュース(削減)・リユース(再利用)が私たちひとりひとりの生活で当たり前の行動になることが不可欠なんだなあと実感しました。
気がつけば、現代の私たちは日々の暮らしの中で、紙コップや割り箸、PETボトルなどを使い捨てにしてしまっています。

 まずは、リデュース(削減)を目指すことを心がけたいです。
自然や資源は無限という幻想のもと、現代の私たちは消費行動を行ってきた結果、今、地球環境は限界を迎えています。私たちに今必要なことは、人間の欲望のままに物を求めるのではなく、自身の欲望を適切に制御していくことではないでしょうか。

 そして、リユース(再利用)を意識することでリデュースを目指す。
 使い捨てにせず、繰り返し使えるものを選ぶ。
 とはいえ、プラスチック素材は、地球温暖化の原因となる化石燃料から作られていることや深刻な海洋汚染の原因となっているなどから、極力使用をさけ、なるべく自然素材の代替品を選択していきたいものです。

 私たちは、自分自身の日々の消費行動を、ささやかなところから、変えていくことができます。例えば、
・ものは使う分だけを買う。
・使い捨てのものの購入を避け、なるべく何回も使えるものを買う。
・捨てずに何かに再利用する
・簡易包装、無包装のものを選ぶ(もちろんマイバッグを利用する)
・極力プラスチック素材以外のものを買う
など。
各家庭でいろいろな工夫をし、できるところから取り組むことができます。


 さらには、積極的にリデュース・リユースに配慮した商品作りやサービス提供をする企業の商品を選んで買うことで、企業の地球環境配慮に関する取り組みを応援し、企業の環境意識を高め、育てることができます。

 このような生活の中での取り組みは小さな事ですが、「環境問題への取り組みは、資源問題の解決や世界の平和と密接に結びついている」ということを、ものを買うとき、使うときに決して忘れず、行動したいものです。

※数値は、サステナブル・ビジネスマガジン「オルタナ」Vol.60 2020年5月号記事「循環経済はリサイクルよりもリデュース」内のデータを参照させていただきました。

                          (井手 由香)