脱・ガソリン車への動き
夕紅葉ポルシェの並ぶ道の駅
<八ヶ岳の紅葉(2021年11月4日撮影)>
八ヶ岳の落葉松(からまつ)や白樺の紅葉の夕映えは見事です。先日、八ヶ岳南麓の公園にポルシェが6、7台そろってツーリングに来ていました。6気筒のターボエンジンを載せたスマートな容姿は魅力的でした。また別な時には、私たちのオフィに設置してある急速充電器で、電気駆動のポルシェが充電していたこともありました。これもかっこ良かったです。
冒頭の俳句はそんなことを思い出して作りました。
そんなポルシェも今後は電気自動車に変わっていくと考えられます。世界は脱・ガソリン車へと向かっているからです。今日はそんな情報をお伝えします。
それは、2016年にノルウェーが「2025年にすべてのガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止する」と発表したことから始まりました。その後、各国が次々と脱ガソリン⾞に向けての⽅針を打ち出しました。
2021年6月の英国で開催された『G7コーンウォールサミット』の共同宣言では、「ガソリン車およびディーゼル車からゼロエミッション車への移行を促進する」という宣言がなされました。
その翌月の2021年7月、EU(欧州連合)では、ガソリン車(ハイブリッド車含む)、ディーゼル車の販売を、2035年以降、禁⽌する⽅針を表明しました。
その理由は気候変動への対策のためですが、背景には、『パリ協定』と『2050年カーボンニュートラル』が深く関係しています。
地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定では、⻑期的な努⼒⽬標に「世界の平均気温上昇を産業⾰命以前に⽐べて2℃より⼗分低く保つ(2℃⽬標)とともに、1.5℃に抑える努⼒を追求すること(1.5℃⽬標)」を掲げています。
この1.5℃⽬標の達成に向けては、世界が2050年までに炭素排出をゼロにする、いわゆる脱炭素化(カーボンニュートラル)をしなければならないとされており、国際社会が脱炭素社会の実現を⽬指すことになったからです。
脱炭素社会実現のためには、炭素排出量の多い運輸部門においての実現が欠かせません。
国際社会の動きは、以下の表のとおりです。
日本では、2021年1⽉18⽇の第240回国会の施政⽅針演説で、当時の菅義偉⾸相は、「2035年までに新⾞の販売を電動車100%にする」と表明しました。
※ 「電動車」とは、「電気⾃動⾞(EV)」「燃料電池⾃動⾞ (FCV)」の他、「プラグインハイブリッド⾃動⾞(PHV)」「ハイブリッド⾃動⾞(HV)」も含まれます。
これを受けて、自動車メーカーは対応を迫られています。
日本の自動車メーカーでは、
明確に“脱ガソリン”を⽰したのはホンダで、2021年4⽉、2040年までに販売する⾞をEVおよび燃料電池⾞(FCV)にするという⽬標を発表しました。
⽇産⾃動⾞は、2021年1⽉、2030年代早期に主⼒市場で販売する新型⾞をすべてEVやハイリッド⾞ (HV)などの電動⾞に切り替えると発表しました。
トヨタ⾃動⾞は、5⽉、2030年にEVとFCVが約200万台、HVとPHV約600万台の販売⽬標を想定すると発表しました。
このような自動車メーカーの発表により、私たちの生活も変わっていくことは必至です。
約30年後の2050年の目標「脱炭素社会」実現の中間点となる、約15年後の2035年、この年にまず「脱・ガソリン」を実現しようということですから。
これは言い換えれば、化石燃料を使わずに、電気を使うことで二酸化炭素の排出量を減らしていこうということです。ここで注意したいのは、その電気を、化石燃料を使って起こすのでは、元も子もないということです。
だからと言って、放射性廃棄物の安全な処理方法が確立していない原子力発電を利用するのでは、それこそ主客転倒で地球環境にとっての改善にはなりません。
今後さらに重要になっていくのは、自然エネルギー技術の発展と活用だと思います。
私たちにとって自動車の選択が課題になっていく一方、問題への根本的な対応として、生活の中に自然エネルギーの活用を取り入れていくことが、増々重要になっていくと思いました。
(2021年11月5日記 環境共生部 桜井伸)
【上記執筆にあたり参考にしたWEBサイト】
・
EU 2035年にガソリン車などの新車販売 禁止方針 _ EU _ NHKニュース
・
EU、35年にガソリン車販売禁止 50年排出ゼロへ包括案_ 日本経済新聞
・
ガソリン車廃止の世界的な潮流に乗り遅れた日本_ 日本経済新聞
・
脱ガソリン車、世界で加速 英は販売禁止を5年前倒し_ 日本経済新聞
・
EUが35年にガソリン・ディーゼル車の販売禁止を発表、世界に広がるEV化の流れ _ サステナブル・ブランド ジャパン _ Sustainable Brands Japan
・
脱ガソリン車 日本政府が「2035年ガソリン車新車販売の禁止」を打ち出した理由とは _ Loops Style ブログ _ Loops Style
・
各国のガソリン車禁止・ディーゼル車販売禁止の状況 – EVsmartブログ