ガソリンなどの高騰は、ライフスタイルを見直すチャンス
上の写真は、12月4日現在のガソリンスタンドの料金表を撮影したものです。レギュラー価格173円。驚きの価格です。報道によると、日本では7年ぶりの高値で、ガソリンだけでなく、世界的に化石燃料の天然ガスや石炭、原油が軒並み高騰しているとのことです。
毎日新聞 2021/10/21 東京朝刊
先日、小学6年生の息子がニュースを見て、SDGs*や脱炭素社会に向けた動きが、この原油高騰に影響しており、それがそのまま一般市民の生活を圧迫しているらしいと教えてくれました。いわゆる、原油などの原材料費の高騰に伴う物価などの上昇「コストプッシュインフレ」が起こることです。
世界的に気候変動対策(SDGsや脱炭素社会に向けた動き)への機運が高まり、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーへの投資が増え、化石燃料への投資は抑制傾向にあります。
そんな中、コロナ過が落ち着きを見せて経済が回復し、米国や中国でエネルギー需要が急増したことで、それまで太陽光や風力でカバーしていた需要がまかないきれなくなり、その分がガスや石油に向かい高騰したとのことです。
また、これまで米石油業界では、「価格高騰=増産」が常識でしたが、それが通用しなくなっているとのことです。事実、12月4日の石油輸出国機構(OPEC)プラス**の閣僚会議で「追加増産」は見送られました。これも、脱炭素の動きや開発投資減少の影響で、「増産」に動きにくくなっているというのではないかとの見方もあります。
日本経済新聞 2021年11月8日 4:00
SDGsは、学校教育の現場でも盛んに取り入れられており、子どもたちも敏感に感じるようです。先ほど紹介したニュースについて、息子の考えを聞いてみると、
「地球環境を守るためには、SDGSや脱炭素社会に向けた取り組みが必要だと思うけど、日常生活に影響しないような対策をしなければいけないと思う。今は、具体的になんなのかは分からないけど。」
という答えが返ってきました。「日常生活に影響しない」というのは、物価が上がって経済的に生活するのが苦しくなることを危惧しているようでした。
自分たちの生活に直接影響が出てくると、この気候変動の時代を生き抜くために、自分たちにできることは何だろうと考える人が増えるのではないでしょうか。生長の家では、これまでの旧文明(ガソリンや石炭などの地下資源文明)から脱却し、持続可能な再生可能エネルギーを積極的に利用する新しい文明の構築を目指しています。その立場から考えれば、このガソリン価格の高騰も、私たち自身のライフスタイルをもう一度見つめ直す一つのチャンスと捉えることができるのではないでしょうか。
その具体的な生活法として、私たちの日常生活で気軽にできる低炭素な生活を提案し、実践しています。例えば、
普段の買い物などで、ガソリン自動車の代わりに自転車を利用すること。
SNI自転車部
できるだけ自然素材を使って日用品を手作りすること。物を大切に、リサイクルやリメイクをして使うこと。SNIクラフト倶楽部
家庭菜園などで野菜を育てることや肉食を減らすことなどです。SNIオーガニック菜園部
これらの生活は、人間は自然界の一部であることを自覚し、自然とともにていねいにいきる生活です。私は息子に、まずはこの生活を一緒に実践することを提案しました。幸い、自然豊かなこの地では、学校の畑で野菜を栽培したり、自然素材で手作りする機会に恵まれていることもあって、自然と触れあうことは心地よく楽しいことだと感じているようです。そして、それが地球環境を守ることに繋がるということも納得してくれたようでした。私もこれから一層、家族とともに低炭素の生活を楽しく実践しながら、自然とともにていねいに生きていこうと考えています。
SDGs*
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)で、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。
石油輸出国機構(OPEC)プラス**
原油の生産量を調整し価格を安定させることを目的とした、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる機関
(環境共生部 中根 敏也)