“森の中のオフィス”に日本ミツバチが来訪

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2018.08.01

生長の家国際本部では、自然との共生を目指す中、2017年より、“森の中のオフィス”敷地の森に、ミツバチの巣箱を置いて、日本ミツバチの生態を観察しています。

現在は、オフィス建物の近くや渓流沿いに置いた5つの巣箱のうち、3つの巣箱に日本ミツバチの群れがやって来て、毎日、働きバチが花粉やみつを集め、活発に活動しています。

きっかけは、2017年5月、すでに巣箱を置いていた近隣のレストラン、八ヶ岳倶楽部の勧めによるもの。国際本部では、ミツバチが生態観察とともに、樹木や草花の受粉を助けて生物多様性保全に寄与することから巣箱の設置を決定。近年、世界各地でミツバチが失踪する“蜂群(ほうぐん)崩壊症候群”が報告されて、疫病、農薬の原因説が唱えられているため、こうした問題を考察する意義も大きいと考えられます。

日本では、日本ミツバチと西洋ミツバチが飼われていますが、前者は本来野生種で、木の洞などをすみかとし、人が置いた巣箱が気に入ると群れがやって来ます。

2017年5月末、八ヶ岳倶楽部より3つの巣箱を購入。同店のアドバイスにより、①風通しが良く②日があまり当たらず③水辺に近いなどの条件でオフィスの森に巣箱を設置したところ、翌六月、2つの巣箱に日本ミツバチが来訪。しかし、翌月、いずれも小動物に襲われ、群れが逃げ出すという残念な結果となりました。

担当の環境共生部の伊藤文昭・課長補佐は、「ミツバチ愛好家から、“待ってもなかなか群れは来ないのに、2つも群れが来たのは奇跡”と言われましたが、それだけオフィスが自然環境に恵まれている証拠。ミツバチもいとおしく感じられ、巣箱も手作りをしようと思い立ちました」と語ります。

その後、職員が取り組む“自然を伸ばす”活動で、有志が巣箱作りにチャレンジ。県産のスギ板を加工した巣箱2つ、オフィス敷地の倒木をくり抜いた丸太巣箱1つが完成し、これに昨年の巣箱2つを加えて、今年5月、合計5つの巣箱を置くと、5月~7月、このうち3つの巣箱に相次いで日本ミツバチが来訪。現在、順調に巣作りを続けています。

環境共生部の吉柴康雄・課長は、「日本ミツバチが活発に飛び回る様子を見て、巣箱の設置が自然環境を守るため、少しでもお役に立っているのではと感じています。今後、群れの成長や冬越しなど観察すべき課題は多いですが、小さな生き物を慈しむ心を職員と共有しながら、さらに情報の発信をしていきたい」と語っています。

活発に活動する日本ミツバチ
倒木をくり抜いて作った丸太巣箱
スギ板を組み立てて巣箱作り