日本初、オフィスと電気自動車の電力を自然エネルギー100%で自給自足―オフグリッドシステムを導入―

ニュースリリース

2020.11.25

*リチウムイオン蓄電池の増強によりオフグリッド化を実現
~ 脱原発、脱化石燃料の両立をめざす取り組みとして

宗教法人「生長の家」(国際本部:山梨県北杜市)は、2013年に日本初のZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)となる「生長の家“森の中のオフィス”」(木造2階建)を設置し、2015年にはCASBEE(キャスビー、建築環境総合性能評価システム)の「既存」部門で、過去最高の環境性能効率(BEE値)7.2点の評価を受けていました。

当法人は、本年(2020年)3月からオフィス敷地内の蓄電池を増強(従来の408kWhから3648kWhに更新)し、既存の太陽光発電(470kW)とバイオマス発電(175kW)の発電電力のみで自給自足できる態勢を整えました。これに伴い、オフィスの電力システムを商用電力から切り離し(オフグリッドシステムの導入)、敷地内の自然エネルギーのみでオフィス建物と電気自動車(電気バス3台ほか多数の普通自動車)の電力を賄い、さらに一般開放している電気自動車の急速充電器の電力をも供給しています。既に、このエネルギーシステムを9カ月間に渡って運用し、順調に稼働を続けています。

当法人は、現在の地球環境問題は、自然を破壊しながら経済発展をめざす人間至上主義に原因があると考え、自然と人間が共に繁栄する“新しい文明”の基礎を築いていくために、各宗教の教えに内在する自然尊重の教えを重視して宗教活動を行うとともに、人々に具体的なライフスタイルの転換を呼びかけています。

これまで当法人は、2001年に世界で初めて宗教団体としてISO14001を取得し、2013年には国際本部を東京・原宿から山梨県北杜市に移転し、各種の環境技術を駆使した「生長の家“森の中のオフィス”」を設置して、自然と調和する生き方の開発と普及に努めてきました。また、原子力発電については、生命を傷つける放射性物質を無理に利用しようとするものであり、人間至上主義の産物であると考えています。今回のオフグリッドシステムの導入は、これらの当法人の運動の一環として実施したものです。

今回の主な更新設備
リチウムイオン蓄電池:テスラ社製Powerpack16台
           蓄電容量3,648kWh、瞬間の充放電可能量912kW 
インバータ:テスラ社製 2系列(各Powerpack8台に対してインバータ1台)
      入出力456kW、480V
トランス(変圧器)盤:480V/210V(特殊な電圧から既存設備電圧に変換:新設2台)
気中遮断器:遮断容量65kA(電力会社側と蓄電池側を切り替える:新設4台)中央監視装置の自動運転機能等を更新し、オフグリッド化に対応

本件に関するお問い合わせ先
宗教法人「生長の家」/ 広報・クロスメディア部 広報課 
TEL:0551-45-7735(木曜日・祝日休館) FAX:055-213-5023       
E-mail:xbl13888@nifty.com

<ご参考> 当法人が取り組む“新しい文明”の基礎づくりについて
     (当法人のウェブサイトに掲載)

私たち人類は、18世紀の産業革命から今日に至るまで、石油や石炭などの化石燃料を大量に採掘してエネルギーや素材として利用し、強力な科学技術を開発して自然界のあらゆるものを人類の物質的繁栄のためだけに無制限に利用しようとしてきました。さらに、地球の生命にとって有害な放射能を大量に生み出す原子力発電までも開発しましたが、その問題点は2011年に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故によって誰の目にも明らかとなりました。

今日まで約250年間に渡る人類の活動が積み重なった結果、地球の大気中の二酸化炭素の濃度は極端に増え、地球温暖化が進み、それに伴う異常気象による災害の頻発、食糧生産の不安定化、水不足などによって、人々の生活が脅かされています。また、人間の活動による森林破壊、大気・水・土の汚染によって、地球に生息する多くの生物種が絶滅の危機に瀕しています。その一方では、世界の人口が76億人を超え、2050年には約97億人まで増加することが予測される中、資源獲得をめぐって各国の対立は激しさを増しています。

このような文明のあり方が持続不可能であることは明らかです。このままの文明を続ければ、私たちが子孫に残すものは、大気中の膨大な温室効果ガス、厳しい気候、劣化した土壌と生態系、有害な放射性廃棄物などであり、いずれも人類を含む地球上のあらゆる生命に危険を及ぼすものばかりです。

生長の家はこれを改めるために“新しい文明”の基礎づくりを進めています。具体的には、人類社会が自然エネルギーを全面的に利用することで「脱原発」と「地球温暖化の抑制」を同時に実現し、さらには人々が自然との一体感を実感して創造力を駆使する方向へ転換することによって、自然と人間が共に繁栄する“新しい文明”を築いていくことは可能であると考えます。

そのため、生長の家では「神・自然・人間は本来一体である」という真理を多くの人々に伝え、自然と調和する倫理的な生き方を喜んで実践する人々を増やしていきたいと考えます。「ノーミート、低炭素の食生活」、「省資源、低炭素の生活法」、「自然重視、低炭素の表現活動」が世界の人々の当たり前のライフスタイルになる“新しい文明”の実現を目指し、その基礎づくりに貢献してまいります。

以上