『“新しい文明”を築こう』下巻に係る訴訟において東京地裁より全面勝訴の判決!

ニュースリリース

2023.05.29

                                            2023年5月29日
                                          宗教法人「生長の家」

『“新しい文明”を築こう』下巻に係る訴訟において東京地裁より全面勝訴の判決!

 当法人は2020年4月25日に総裁・谷口雅宣先生監修の『“新しい文明”を築こう』 上巻 基礎編「運動の基礎」を、続いて同年6月20日には同じく総裁先生監修の「“新しい文明”を築こう』中巻 実践編「運動の具体的展開」を発行しました。その上巻の中で、今後発行予定の同書下巻 歴史・資料篇「運動の軌跡-宗教と戦争を中心に」(以下に説明する判決では「本件書籍」と言っています。その他も括弧書きも同様です。)に、日本の戦争に関する記述の多い8つの神示を収録し、宗教と戦争の問題を扱うことが予告されていました。
 そうしたところ、公益財団法人生長の家社会事業団(「原告事業団」)、株式会社光明思想社(「原告光明思想社」)、生長の家創始者谷口雅春先生を学ぶ会が、それら8つの神示の中に「報恩行に就ての神示(自他一体の神示)」及び「久遠天上理想国実現の神示」の2つの神示(「本件各著作物」)が含まれることから、本件書籍の出版は、それらに係わる同事業団の著作権を侵害するおそれがあると主張して、当法人に未発行の本件書籍の複製及び頒布の差し止め等を求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。
 この訴訟に関する判決の言い渡しが2023年4月26日、東京地方裁判所で行われ、原告の同事業団らの請求はすべて棄却されましたので、ここに報告させていただきます。
 尚、原告事業団らは、2023年5月9日、今回の東京地方裁判所での判決を不服として控訴を提起し、知的財産高等裁判所において更に審理されることとなりましたが、東京地方裁判所で十分に審理されており、『“新しい文明”を築こう』下巻を計画通りの内容で出版することに支障は生じないものと考えております。

 本件訴訟におきまして、当法人は、(1)神示を生長の家の布教、伝道活動を遂行するため使用することには黙示の使用許諾が有り、「報恩行に就ての神示(自他一体の神示)」及び「久遠天上理想国実現の神示」の2つの神示(「本件各著作物」)を含む『“新しい文明”を築こう』 下巻(「本件書籍」)の出版は著作権侵害にあたらないことを主張しました。これに対して、公益財団法人生長の家社会事業団(「原告事業団」)らは、黙示の使用許諾の 有無を争うと共に、(2)使用許諾の解約、 そして(3) 公益財団法人生長の家社会事業団から株式会社光明思想社(「原告光明思想社」)が設定をうけたという神示の出版権(「本件出版」)の侵害などを主張しましたが、東京地方裁判所は、以下のような判断を示し、原告事業団らの請求を棄却しました。

(1)黙示の使用許諾の有無について
 裁判所は、生長の家において、①「神示」は、いずれも「生長の家の人類光明化運動における教義の根本かつ、文書伝道を中心とする生長の家の布教、伝道活動に当たり重要なものとされる」と確認し、当法人及び事業団が設立された目的、両者の運営体制、当法人が編纂又は編集した月刊誌、書籍等における「神示」の使用状況、当法人による「神示」の使用に対する原告事業団の対応に照らせば、事業団は、遅くとも『聖光録(生長の家家族必携)』の初版が発行された昭和28年1月1日までに、「当法人に対し、本件各著作物を個別の承認を得ることなく使用することを黙示に許諾したと認めるのが相当である。」とし、当法人の主張を認めました。

(2) 使用許諾の解約について
 裁判所は、生長の家においては、「これまで70年近くにわたって生長の家の布教、伝道活動に本件各著作物を継続的に使用し続けたことに照らせば、原告事業団により本件各著作物に係る使用許諾が解約された場合には、被告における生長の家の布教、伝道活動が不可能になるなどして、被告に多大な不利益が生ずるおそれがある。」と判断し、「したがって、原告事業団が本件各著作物に係る黙示の使用許諾を解約するためには、これを是認するに足りる正当な理由が必要と解すべきである。」旨判断し、その上で原告事業団らの解約の正当理由の主張をいずれも認めず、本件各著作物に係る黙示の使用許諾を解約することができるとはいえないと判断しました。

(3) 原告光明思想社の主張した出版権侵害については、同社の出版権は22篇の「神示」を収録した『神示集』についてのものであり、本件書籍への収録は『神示集』に収録されたもののうち2つのみを抜き出して複製するもので『神示集』を原作のまま複製するものではなく出版権を侵害するものではないと判断しました。

 この判決を受け、当法人としましては、本件各著作物を収録する『“新しい文明”を築こう』下巻は、計画通りの内容で出版させていただくことを改めて確認しましたので、生長の家信徒の皆様に謹んで報告させていただきます。

以 上