家を新築しましたが、一年前に転職した主人は年齢の割に収入が少なく、四十五歳ということもあり、ローンに無理があったと思います。元々夫婦仲が良くない上、土地探しから契約に至るまで喧嘩ばかりで、ローンの不安が加わると夫婦仲はさらに悪化しそうです。無理をして家を建ててしまったと後悔ばかりしています。(A子・43歳)
回答者:
私もかつて、定年までの住宅ローンを負担に感じていたとき、亡き義父から次のアドバイスを頂いたことがあります。「自分の家に、お金を支払わせていただけるなんて、こんなに有り難いことはありません」と。
かつて義父は、連帯保証人となっていた親友の会社が倒産し、行方不明となった友人に代わり二十年間も負債を支払い、小さな平屋に住みながら市議として東奔西走して四人の子どもを育て上げました。そんな身から見れば、家族のためにローンの支払いができるということが、どれほど幸せに映ったことでしょう。
昨年、ご主人が新たな仕事に就かれたとのこと。ご主人の転職は、あなたや家族の幸せを願えばこそ、心機一転して人生を再出発され、しかも念願の家まで建てられたのです。夫婦仲が悪く見えるのは、あなたが自分の都合ばかり考えているから、ご主人の思い遣りや美点が分からなくなり、不満ばかりが募るのです。
経済的な不安、夫婦の不調和と、まるで苦境の真っ只中へと突き進んでいるように見えますが、そんなときこそ、夫婦仲も借金も、すべてを好転させる絶好のチャンスなのです。
生長の家に「唯心所現」という言葉があります。運命や環境は、あなたの心の持ち方一つで自在に変えることができるのです。その第一歩として、生活の中で出合う、ささやかな喜びに注目してみましょう。
どんな小さな喜びでも『日時計日記』に書き、人に語り、思い出して感謝していれば、やがて夜が明けて朝日が差し昇るように、あなたの境遇が一変する時がきます。
それでも不安や後悔の念が湧いてくるときには、生長の家の瞑想法である神想観を学んで実修してみましょう。これを続けることで、あなたの内から無限の知恵と愛と生命が湧いてきます。その知恵に導かれ、人生に巡ってくる全てのことに感謝して、明るく「今」を生きていけば、夫婦も調和し、必ずローンを完済することができます。