三十二歳になる娘がようやく良縁に恵まれ、夫婦で喜んでいました。しかし、娘の義父が重いうつ病になり、服薬治療をしながら家族が支えている状態です。うつ病は回復に時間がかかり、再発もしやすいと聞きました。娘夫婦はこれから自分たちの生活を犠牲にして義父を支えるのかと思うと不憫でなりません。(A子・58歳)
回答者:
お義父様がうつ病と聞き、さぞご心配だと思います。でも、お義父様を夫婦で支えることで、家族の絆は確実に強まります。不憫と思わず、何がサポートできるかをお考え下さい。
家族に病気や障害があることは決して不幸ではありません。私にも重度の知的障害を持つ自閉症の息子がいます。その育児は困難の連続で、これまで悩み苦しむこともありましたが、彼から教えられることも多くありました。特にやや冷徹な面があった私は、生長の家の講師に必要な、人の痛みや苦しみに共感する心を養うことができました。
人間はみな神の子であり、不要な人は一人もいません。お義父様も、娘さん夫婦に必要な何かを伝えるために病を現した観世音菩薩なのです。実相は完全円満であると拝みましょう。
また、うつ病の人に共通しているのは、自分を肯定できないこと、明るく前向きになれないことです。そういう人は責任感が強く、現状の自分を容認できないので、その責任感を褒めると同時に、焦る必要はないことをお伝え下さい。
自分を肯定するには、人生の意味を知ることです。人は神の子の無限性を現すために、何度も生まれ変わって表現力を磨きます。たとえ今、満足に力を発揮できなくても、転生を繰り返す中では一瞬のことです。今の環境で可能なことを表現するのが大切です。
明るく前向きになるには、笑顔を作ることです。笑顔を作ることで心が楽しくなることは、脳科学でも証明されています。
その両方に有効なのが、日々の明るいことのみを綴る『日時計日記』です。本当はお義父様が書かれると良いのですが、まずはあなた、そして娘さんが始めてはいかがでしょうか。お義父様の美点が見え、たとえ介護が大変でも、明るい心でサポートできます。それが必ずお義父様の症状にも良い影響を与えます。ご多幸をお祈りします。