高校1年の息子は、夜昼なく遊び歩き、眉毛(まゆげ)を剃(そ)られ、耳に穴を開けられてピアスをし……と悪い友達に翻弄(ほんろう)されています。母子家庭だからこそと思い、本当に一所懸命育ててきたのにどうしてこんなことに? と息子が不憫(ふびん)で、心配で夜も眠れない日々です。なんとか悪い友達と縁を切らせて、学業に精を出させたいと思うのですが……(M・H、46歳、女性)
回答者:伊藤夏樹 生長の家本部講師
息子さんの心に寄り添い、讃嘆し、感謝してください
愛する息子さんが、親の望まない方向に進んでいくのは確かに心配なことでしょう。しかし、あなたがいくら口出ししても、息子さんが自ら改めようとしない限り、状況はますます深刻になるだけだと思います。
生長の家では、「子供は神様からの預(あず)かりもの」と説きます。子供は親の所有物ではなく、神様から預かった神の子ですから、親が望む通りに子供を育てることが必ずしも正しいとは限らないのです。
それを理解した上で、あなたが息子さんと同じ年だった頃を思い出してみてください。親と一緒にいたり、話したりするのを窮屈に思ったことはありませんでしたか。また、心配してくれているとは知りながら親の言葉がうるさく感じられたことはありませんでしたか。もし、そんな時、友達から楽しそうな誘いがあったら、あなたはどうしたでしょう? そうした友達を親から「悪い友達」と決めつけられたら?
少しでも思い当たることがあるのであれば、息子さんに口うるさくあれこれ言わずに、しばらく静観していたらいいのではないかと思います。そして、単なる放任ではなく、つきあい方を変えるのです。
眉毛を剃るのも耳のピアスも、親の管理下から離れ、「一人前として認められたい」という息子さんの意思表示です。そんな時は決して責めず、息子さんの心に寄り添い、信頼した態度で接したらいいと思います。
さらに大切なのは、子供さんの善い点を認め、讃嘆し、感謝することです。コトバには創造力がありますから、明るいコトバをかけ続けることによって、息子さんは神の子としての本来の姿を現し、良好な親と子の姿が実現するに違いありません。
今こそ、あなたと息子さんの親子関係を改善する絶好のチャンスです。