三男は浪人して国立大に入学しましたが、三年生の時に希望学科に進めず、意欲をなくして留年しました。四年生に進学できたものの、就職活動でエントリーした会社の説明会で、「やる気の無い方はやめて下さい」と言われてから、楽な仕事がいい、遊んで暮らしたいと言います。どうすればやる気が出るでしょうか。(A子・54歳)
回答者:三浦晃太郎(生長の家本部講師)
「一人前の男が、何を馬鹿なことを言っているんだ!」と思わず声をかけたくなるご相談ですね。浪人を経て国立大に入学した息子さんは努力家だと思います。しかし、いざ卒業という大事な時期に、やる気のない息子さんを見て、大変ご心痛のこととお察し致します。
希望の学科に進めず、落胆して留年したことなどが、無気力な生き方につながったものと思います。そんな気持ちのままエントリーした会社の説明会で「やる気の無い方はやめて下さい」と厳しく言われ、一層やる気を無くしたのでしょう。息子さんはきっと今の自分に焦りを感じつつも、どうしていいかわからず現実逃避しているのだと思います。
どんな人でも時には、気が弱くなったり、自信をなくして消極的になったりするものです。自分は何をやっても駄目な人間なんだという思いは、大なり小なり誰にでもあるものです。
前生長の家総裁・谷口清超先生は、「人間の運命は、その人の『人生観』によって左右される。悲観的人生観を持っておれば、暗く悲しい人生を送るし、明るい楽観的人生観を持っておれば、少々のハンディキャップがあっても、幸福な明るい人生を送ることが出来るものだ」(『いのちを引きだす練成会』31ページ)と教えられています。
息子さんは、これまで親や周囲の人を頼り、甘えて成長してきたのではないでしょうか。息子さんの将来を真に案ずるなら、いつまでも親がかりでは生きていけないことを、はっきりと本人に認めさせることです。ここは親として言うべきことは、はっきりと言って、毅然として息子さんに向き合うのです。
その一方で、息子さんに愛深く接し、明るい言葉と態度で日々称揚し、激励しつづけることを忘れてはなりません。やがて本人が「幸せだなぁ」と感じられるようになると、心にやる気のエネルギーが溜まって、前向きに生きる力が湧いてくるものと確信します。