私が三歳の時に、両親が離婚をしました。現在、母方の祖父母の家に住んでいますが、二十年近く父とは疎遠で、ふと思いつき、今年の五月に父の住む家を訪れました。すると農作業を終えた、疲れた表情の父と再会できました。その時に電話番号を交換し、「いつでも来て良いよ」と言ってくれたのですが、この後、電話することもできず、会いにも行けていません。なんか母を裏切るみたいで、どう接していいのかわからないです。(23歳・女性)
回答者:稙田茂樹 わさだ しげき 生長の家本部講師
父親にいたわりを
母親には感謝の心を
表現しよう。
昨今は、両親の離婚が自身の生活に影を落としているという若い人たちが多くあることは、否定できないところです。しかしながら、その悲しみをいつまでも抱えたままでいたのでは、幸福な人生を築いていくという訳にもいきません。
なぜなら、その人の人生は、その人の心のありようが反映されたものとならざるを得ないからです。また、生長の家では「神に感謝しても父母に感謝し得ない者は神の心にかなわぬ」とも教えられています。
幸いなことに、あなたの場合は、二十年ぶりにお父さんに会われ、やさしい言葉までかけていただくことができました。お父さんに会いに行くことが自分を育ててくれたお母さんを裏切るようで、お父さんとどう接していいのか分からないということですが、結論を申しあげれば、お母さんに遠慮はしなくてもよいと思うのです。
親は子の幸せを
願っています
まず、理解しておかなければならないのは、子が親の姿を求めるのは当然のことであり、親が子の幸せを願ってやまないのもまた当たり前のことであるということです。この思いは、この世に生まれた私たち人間に備わった本来的な心であるということもできます。
あなたの大切なお母さんも、このことはよく理解しておられると思います。お母さんはきっと心の中で、「父親とうまくいかなかったから、娘を父親のいない子にしてしまった。悲しい思いをさせてしまった」と、あなたに詫びておられるのではないかと思います。
両親への
いたわりを大切に
お母さんには包み隠さずお父さんとのことを話し、理解をいただいてお父さんに会いに行かれ、農作業で疲れたお父さんの心を癒やしてあげてください。そして、長い苦労の中であなたを育てあげてくれたお母さんに対しても、寂しい思いをされないよう心から感謝し、これまで以上にやさしく接してあげるようにされてはいかがでしょうか。
実は私も小学五年生の時に、両親が離婚して母が家を出ました。母親のいない辛い悲しい子供時代を過ごしましたが、成人して生長の家の教えに触れ、この世に生んでくれた父母に、ただそれだけで無条件に感謝できるようになって、人生が一変したのです。
あなたも生長の家の教えを一層学ばれ、幸せな人生を過ごされるよう願ってやみません。あなたが幸福であることが、お父さん、お母さんの心からの願いであることに間違いはないのですから。