不誠実な事故の加害者が許せない

人間関係

信号待ちをしていた時、後からきた車に追突されました。よそ見をしていて、かなりのスピードでぶつかってきたため、私は重いむち打ちになりました。ほかにケガはなかったのですが、相手の若い男は示談交渉(じだんこうしょう)を保険会社にまかせきりにして、謝りにもきません。すごく腹が立って許せず、怒鳴(どな)り込んでいって文句を言いたいのですが……。_(K・S、45歳、男性)


回答者:西手清英 (生長の家地方講師)






相手を赦(ゆる)すことによって、
後遺症も運命もよくなります

お気持ち、よく分かります。私たち親子4人も30年ほど前、同じような経験をしました。ある日の未明、若者の運転する車に追突されました。居眠り運転でした。

2歳と4歳で、まだ小さく体重が軽かった子どもたちは早く軽快しましたが、私や妻は、むち打ちの治療のため、5年以上、治療する羽目になりました。一番症状のひどかった私は、低気圧が近づくたびに頭痛に悩まされ、あなたと同じように示談交渉を保険会社に任せきりにし、謝(あやま)りにも来ない若者に憤(いきどお)りを募らせました。

しかし、生長の家の教えに触れていた私は、ある時開いた『新版 幸福を招く365章』の「痛んでいるのは、肉体でもなく、霊でもない(中略)。心が痛むのである。心が痛んでいるのは、(中略)人を怨んだり憎んだりしているからである。こんな心を捨ててしまえば肉体の痛みは消えてしまうのである。誰かと不和になっているとき、先ずその人と和解しなければならぬ」(180頁)という一節を読んでハッとしました。

よく考えてみれば、交通事故に加害者も被害者もないのです。「私よりも苦しんでいるのは、加害者の若者ではないか」と気づき、生長の家で教えられている「和解の神想観」(*2)(*3)を実修しました。

「私は貴方(あなた)を赦(ゆる)しました。貴方も私を赦しました。貴方と私は神において一体です」と念じ、相手を赦し、愛し、感謝している姿を心に思い浮かべ、若者の幸福を祈り続けたのです。すると、いつしか憤りは消え、後遺症も癒(いや)されていたのです。

ここはひとつ、自分が加害者になってしまった時のことに思いを致し、恨むことを止め、若者を赦す心を起こしてください。それによってむち打ちも早く軽快に向かい、あなたの運命も必ずよくなります。

*1=生長の家創始者・谷口雅春著、日本教文社刊
*2=生長の家独得の座禅的瞑想法
*3=谷口雅春著『新版 詳説神想観』144ページ。日本教文社刊



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