親の財産を多く取ろうとする姉が憎い

人間関係

昨年、両親が相次いで亡くなり、財産分与を巡って姉と争っています。法律的には兄弟均等に分けるのですが、長年、施設に入っていた親の面倒を看(み)てきた姉は、「多くもらう」と言って譲りません。確かに、離れて暮らしていたため、両親の世話ができなかった私には負い目があるのですが、どうしても納得できず、裁判に訴えようかと思います。(F・S、65歳、女性)

回答者:工藤恭裕 (生長の家本部講師)

問題解決のカギは、お姉さんに感謝の思いを持つことです

 ご両親の逝去(せいきょ)に加えて、相続を巡ってお姉さまとのトラブル、さぞお悩みのことでしょう。ご存じとは思いますが、遺産の分割はまず被相続人であるお父様、お母様の意志、遺言書が優先され、遺言書がない場合には相続人同士が話し合い、まとまらない時には、国が定めた「法定相続分」という取り決めに従うことになります。

 さらに民法では、被相続人の事業を手伝ったり、療養看護などによって財産の維持や増加に貢献したりした法定相続人について、その貢献を考慮する「寄与分(きよぶん)」という制度があります。ご質問のケースでは、長年施設に入っておられたご両親のお世話をしてきたお姉さんに、寄与分を認めるのかどうかということになります。
でも、大切なことは、お姉さまと仲良く話し合い、円満に解決することですね。亡くなられたお父様、お母様もそれを望んでおられるのではないでしょうか。そのためにはまず、両親をお世話してきたお姉さんに感謝の気持ちを伝えることが大切です。

 生長の家では、「人間は皆、神の子であり、素晴らしい存在である」と教えています。ですから、あなたもお姉さんも神の子で、仲が良いのが本来の姿なのです。そのことをあなたは心の奥底で知っているから、不調和な状態に悩んでいるのです。

 生長の家の「大調和の神示」(*)には、このように書かれています。
「怺えたり我慢しているのでは心の奥底で和解していぬ。感謝し合ったとき本当の和解が成立する」
 あなたに代わって、親身にご両親の面倒を看てこられたお姉さんのご苦労に思いを致し、言葉に出して感謝の気持ちを伝えてみてください。あなたの心がお姉さんへの感謝の思いで満たされた時、自然に問題は良い方向に解決すると確信します。

*=生長の家の創始者・谷口雅春先生が昭和6年9月に受けた言葉

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