成人してから一度も投票をしていない私

社会

現在、私は26歳ですが、国政選挙はもとより、地方選挙でも一度も投票したことがありません。政治に無関心なこともありますが、どの政党もどの候補者も似たり寄ったりで、誰が当選しようと大した変わりはないと思っているからです。「国民としての義務を果(は)たしていないのでは」と、ちょっと心の痛みを覚えながらも何もしないでいます。(M・H、26歳、女性)


回答者:山岡聡子 (生長の家本部講師補)






あなたの将来のためにも、
ぜひ選挙に足を運んで下さい

 最近の国政選挙では、投票率全体が50%余りと低調の上、世代別に見ると20代が最も低く、30%台に止まっています。しかし、政治に無関心でいることは、決してよいことではありません。

 日本は現在、超高齢化社会に突入し、ある経済学者の試算では、国民一人が年金や医療・介護など公共サービスを国から得る受益と、税金や保険料など国に払う負担との差額が、現在、60歳以上は受益が4千万円多く、20歳未満だと、負担が8千万円多くなるそうです。ですから投票率が高い高齢者に合わせた政治のツケは、否応なく若い世代に回るのです。

 ツケと言えば原発も然(しか)りです。福島第一原発の廃炉(はいろ)作業は、遅々(ちち)として進んでいないのに、安倍政権は原発の再稼働、海外への輸出に躍起(やっき)になっています。

 もっと深刻な問題は、安倍政権の憲法を無視した政治運営です。2015年には、憲法上認められないとされてきた集団的自衛権を容認する安全保障関連法案を強行採決しました。これによって、日本がアメリカなどの同盟国の戦闘に巻き込まれるリスクが高まったと言われ、その犠牲を負うのも若い世代です。

 このように、政治に無関心でいると、時の政権が若い世代、次世代に途方もないツケを負わせてしまうという危険性があることを知ることが大切です。

 あなたは、「投票しても政治は変わらない」と考えているかもしれませんが、たった一票でも、その力は小さくありません。2015年の渋谷区区議会議員選挙(有権者18万人)では、最下位の当選者(1201票)と、次点との差はわずか10票でした。あなたの一票が政治を動かすのです。将来のためにも、ぜひ投票所に足を運んでいただきたいと思います。



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