長女は36歳になったにもかかわらず、浮いた話一つなく、結婚する素振(そぶ)りさえありません。キャリアウーマンとしてバリバリ仕事をしているのですが、親としては将来が心配です。弟には、「喧嘩(けんか)ばかりしている両親を見ていると、結婚しても幸せになれるとは思えない」と漏(も)らしているそうで、娘が結婚できないのは親のせい? と落ち込んでいます。_(K・Y、66歳、女性)
回答者:伊藤勇次 (生長の家地方講師)
夫婦が仲良く暮らすこと
そこから自然に道が開けます
私も二男一女の子供を持つ親ですから、36歳になっても結婚しない娘さんを心配する気持ち、よく分かります。特に娘さんが、「喧嘩ばかりしている両親を見ていると結婚する気がしない」と言ったというのでは、なおのことでしょう。
そこでお勧めしたいのは、少し見方を変えることです。娘さんは、なぜ、弟さんにそのような言葉を漏(も)らしたのでしょうか。それは裏を返せば、「両親にはいつも仲良く幸せに暮らしていてほしい」という愛情の表れではないかと思うのです。
ここは一つ、娘さんの言葉を愛情によるものと受け止め、娘さんの結婚のことはいったん忘れて、夫婦仲良く毎日を送るよう努めてみてください。生長の家では、物事のよい面だけを見る日時計主義の生き方を提唱し、具体的な実践方法として、『日時計日記』(*)を書くことを推奨(すいしょう)しています。
この日記に、ご主人のよい所を書いていくのです。もともと深い縁で結ばれているのが夫婦ですから、書き続けるうちに、ご主人の美点が次々に見つかり、あなた自身も幸せな気持ちになって、気づいたら夫婦調和が実現しているはずです。
私はボランティアでデイケアの送迎をしていますが、ある時、車の中で、2人の女性がこんな会話をしていました。「主人と喧嘩したの。主人がいるとうっとうしいわ」「いいわねぇ、喧嘩ができて。私なんか1人だから、喧嘩もできない」。
「喧嘩できるのも幸せなこと」と考えることができたら、同じ喧嘩でも後腐(あとくさ)れのない明るいものになるに違いありません。そして、そんな両親の姿を見たら、娘さんも自然に結婚したくなると思います。結婚適齢期は人によって違うもの。何歳になってもチャンスはありますから、夫婦仲良く暮らすことに心を尽(つ)くしてください。
*=生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修。生長の家刊