他人をねたむ心をなくしたい

病気

私は、他人の幸せそうな様子を見たり聞いたりするとすぐ、ひがんだり、ねたむ心が出てきてしまいます。誰もが大変なことを抱えながら生きていることは分かっているし、どうして自分にひがむ心が出てくるのかも分かっているつもりですが、その思いをなくしたいです。どうしたらなくなりますか?(A子・32歳)


回答者:阿部陽子(生長の家地方講師)






 ひがんだり妬んだりしても心が晴れないことを知り、自分を変えようというあなたの前向きな姿勢は、素晴らしいと思います。生長の家創始者・谷口雅春先生は『新版 生活の智慧365章』で、こう説かれています。
「嫉妬心の根源は、その人の生活が、絶対の立場にいないで、相対の立場にいるからである。彼らは相対的に比較して見て、自分が彼より劣っていると思うと、彼を憎む心が起って来るのである。(中略)相対的立場に立って等しからざるを不平に思う限りに於ては、憂えは去らないものである。それらの憂えを去るためには、人は絶対的立場に立って、自己のうちに比較を絶した超越者が宿っており、他の人の真似の出来ない個性美をその超越者が自分の上に実現しつつあるのだと云うことを深く自覚するよりほかに道はないのである」(123〜124ページ)
 ひがむ心は、「自分はこんなにしているのに認めてもらえない」という寂しさから出てくることがあります。〝自分の力〟でしているという気持ちがあると、見返りを求めたくなるものです。でも、「自分がしてあげた」のはではなく、〝自分を超えた大きな力〟が自分を通して愛を表現するのだという謙虚な気持ちになり、「自分は絶対的な価値を持つ尊い生命である」と自覚できれば、ひがむこともなく、相手の素晴らしさも見えてきます。
 私は生命学園で子どもたちに、「みんなちがってみんないい」というテーマで真理のお話をしたことがあります。「臼+杵でお餅」「水+火でお湯」「プラスの電気+マイナスの電気で熱や光や風」という足し算は、全く異なる性質のものが合わさることによって、新たな価値が生まれることを表しています。
 違いがあるからこそ互いの良さを認め合い、協力すると、相手から自分の良さを引き出してもらえるのです。他を生かすことで喜びは拡大し、生きがいのある人生が展開していきます。



関連する相談

月刊誌のご紹介

なんでも相談Q&Aは、月刊誌『いのちの環』『白鳩』『日時計24』に掲載された内容になります。
この回答の中に出てくる書籍などについて、詳しいことが知りたい方や申込みをされたい方は、世界聖典普及協会日本教文社のホームページをご参照ください。