農業に憧れる娘が心配

人間関係

10年ほど一流企業で働いてきた娘が、突然、「会社を辞めて、米や野菜を作る農業をしたい」と言い出しました。やはり会社員を辞めて、農業をしている大学時代の先輩の影響を受けたようなのですが、もう32歳なのに、何を今さら安定した職を捨てて、未知の世界に飛び込むのか、その気持ちが分かりません。娘をどう説得したらいいでしょうか。(M・F、60歳、男性)


回答者:西手清英(生長の家地方講師)






娘さんの思いが、
現実逃避でないなら応援して下さい

何ら経験のない娘さんが、農業を希望したのですから、さぞ驚かれたことでしょう。

私は農家に生まれ育ちましたが、農業で生活することの大変さを知っていたので、地方公務員になりました。ですから、息子が大学を卒業して農業を始めると言った時は、あなたと同じように大変驚きました。しかし、反対はしませんでした。息子が、「農業は持続可能な産業である」という信念を持っていたからです。

新規就農には、資金や農地、機械や住居の確保のほか、収入が得られて生活できるようになるまでの資金も必要です。息子の場合、現在の営農場所は異なりますが、就農当初は、私の両親が残した農地があり、農業倉庫や一定の農機具なども備わっていました。

娘さんの場合は、今の仕事をしたままで週末や休暇を利用して農業体験をし、自分の営農の方法を確認することや、農業法人等に就職して技術を習得する、良き師を見つけてノウハウを学ぶなどの方法が考えられます。

生長の家創始者・谷口雅春(*1)師は、『新版 光明法語【道の巻】』(*2)の中で、「人の描く夢は人に宿る神の描く夢である。神は必ずその夢の実現するように助け給う」(47頁)と示されています。また、谷口純子(*3)・生長の家白鳩会(*4)総裁は、「人は自然の大いなる恩恵によって命を与えられていることを知り、自分の存在が人の役に立つ行動につながるとき、幸福感を味わう」(『この星で生きる』、188頁)と説かれています。

娘さんが、安定した仕事を辞め、就農したいと言うからには、相当の覚悟がおありなのでしょう。その思いが、現実逃避ではなく、新しい魂の成長の段階にあり、神様の御心に叶うものなら、ぜひ応援してあげてください。

*1=61ページ参照 *2=日本教文社刊 *3=60ページ参照
*4=生長の家の女性の組織 *5=生長の家刊




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