音信不通の父と会うべきか?

人間関係


音信不通の父と会うべきか?

放蕩した挙げ句、母を死に追いやった父が赦せず、10年以上音信不通でしたが、最近、父が施設に入ったと人づてに聞きました。私以外に家族はおらず、きっと寂しいに違いないと思うと、会いたい気持ちが募るのですが、過去の嫌なことが思い出されて踏み切れません。優しかった母が「行ってあげて!」と言っているような気がして仕方がないのですが。(G・S、58歳、男性)


回答者:前田良樹(生長の家本部講師)

 


過去のことは水に流し、感謝の気持ちを伝えてください

家族を困らせ、お母さんを死に追いやったと思っているお父さんとの再会をためらう、あなたの気持ちはよく理解できます。

しかし、結論から申し上げますと、ぜひお父さんと会って、過去のことは水に流し、お父さんを赦してあげてください。生長の家では、「人間は神の子であり、全ての人の内に神の善性が宿っている」と教えており、お父さんも、現象的にはどうであろうとも善性を宿した神の子なのです。

神の子である人間の心の奥底には、すべてのものと調和したいという本心があります。ですから、「父に会いたい」という思いは、あなたの本心からくるものであり、お母さんから「行ってあげて」と言われているような気がするというのも、本心からの声だと思います。お父さんも、あなたに会いたがっているに違いありません。ぜひ、勇気をもって会いに行ってください。

人間の脳には、楽しいことより叱られたことや非難されたこと、悲しいことなど辛い経験を強く記憶する傾向があるといわれています。これは、危険を回避するための脳のメカニズムなのですが、あなたの場合もこのメカニズムが働いて、お父さんとの辛い思い出だけが印象づけられているのだと思います。しかし、よくよく考えたら、お父さんから受けた愛情、楽しい思い出は、それ以上にたくさんあるはずです。

それらを一つひとつ数え上げ、感謝する習慣をつけることで、お父さんに対する見方が変わり、再会への一歩を踏み出す力が出てくると思います。

この現実の世界は、私たちの心で認めるものが現れる世界です。この世に生を授けてくれたお父さんに感謝の心を持つことで、明るく幸せな人生が実現します。お父さんと再会できるよう切に祈ります。



関連する相談

月刊誌のご紹介

なんでも相談Q&Aは、月刊誌『いのちの環』『白鳩』『日時計24』に掲載された内容になります。
この回答の中に出てくる書籍などについて、詳しいことが知りたい方や申込みをされたい方は、世界聖典普及協会日本教文社のホームページをご参照ください。