動物がかわいそうと思うけど、肉食が止められない

環境問題

牧場で子どもと牛の乳搾り体験をしました。牛は子牛のために乳を作り、人間にも牛乳を提供してくれていると思うと、感謝の気持ちがあふれてきました。同時にお肉を食べることに罪悪感が生まれるようになりました。しかし、子どもの成長にはお肉は欠かせません。どうすれば動物をかわいそうに思う気持ちと、お肉を食べることに折り合いをつけられますか。(B子・41歳)


回答者:近藤新三朗(生長の家本部講師)

 




動物への感謝と肉食への罪悪感がある一方で、お子さんの成長を願う切実な思いから、あなたの優しさが伝わってきました。

生長の家では、肉類を食べないノーミートの食生活を推奨しています。我が家でもノーミートを心がけていますが、四人の子どもの身長は皆、同学年の平均以上です。

さて、あなたの言う「子どもの成長にお肉は欠かせない」というのは、動物性タンパク質が必要という意味だと思いますが、肉類を食べなくても、卵や魚、牛乳、豆腐などでタンパク質は十分に摂取できます。

WHO(世界保健機構)やFAO(国連食糧農業機関)によると、大豆タンパク質のアミノ酸スコア(体内で作ることができない必須アミノ酸が、その食品にどの程度含まれているかを示す数値)は、牛肉や豚肉、鶏肉と同じ最高スコアになっています。また肉には、家畜の成長過程で投与された成長ホルモンや抗生物質が含まれていて、健康への影響が懸念されます。

これらのことから、ノーミートでも子どもの成長に大きな影響はなく、逆に健康にとって良いとも言えます。しかし家での食事をいきなりすべてノーミートにすることは負担が大きいでしょうから、少しずつ肉を抜いた料理を増やしてみてはいかがでしょうか。

具体的には、一日一食は肉を使わない、あるいは休日にノーミート料理に挑戦するなどです。『食卓から未来を変える』という本には、多くの方のノーミートの食生活やレシピが掲載されています。さらに肉食削減が地球環境を守り、飢餓問題の解決につながることも述べられています。ぜひお読みください。

子どもの成長には食生活だけではなく、子どもの良い点をほめることや、家族が仲良く暮らすことも大切で、喜びあふれる家庭を築くことが、子どもの健やかな成長につながります。ぜひご自身に合った方法で、ノーミートの食生活を取り入れてみてください。



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