私には生長の家の信仰生活を行う上で、ライフワークとしていることがあります。それは「地域活性化の奉仕事業」です。俗にいう“まちおこし”で、現在は「地域づくりアドバイザー」として若者が中心の「地域おこし協力隊」のアドバイザーを務めております。
きっかけは約20年前、地元の自治会長になったことでした。その頃、私は50歳直前で会社勤めをしていましたが、自治会長に就いてからというもの、直後に自治会内の施設である「益田市立益田児童館」の館長を任されました。それもあって50代半ばで会社を勇退し、個人事業主として「システム工房」という社名でコンピューター取扱業を起業し、生長の家島根教区栄える会にご縁をいただくこととなりました。それに加え、国の政策で地域づくりを担う「集落支援員」として益田市の嘱託職員となり、4年間本格的に地域づくりに携わり、地域づくりを担う人材と連携する「地域サポート人アドバイザー」と「地域づくりアドバイザー」のお役を頂き、「地域おこし協力隊」とのご縁をいただきました。
地域おこし協力隊とは都市地域から人口減少や高齢化等の進行が著しい過疎地域等に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援、農林水産業への従事、住民支援などの地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る制度です。令和4年度末時点では全国で約6500名が活動中で、約4割が女性です。また、メンバーの約7割が20代から30代の若者で、任期終了後も約7割が同じ地域に定住しているという状況です。
一口に地域づくりといっても様々な意見がありますが、私自身にとって地域づくりは地域への“愛の実践”だと考えております。マザー・テレサが“愛”の反対語は“無関心”と言ったように、ただ地域やその地域の人々のことを思い、関心をもち、寄り添い、自分自身のことと考え、今自分が出来ることをさせていただく奉仕の行いが愛だという思いで活動してまいりました。
最近はUターンや孫ターンの方もありますが、多くは縁もゆかりもない地域を都会暮らしより田舎暮らしを選ぶ「I(アイ)ターン」として、ゼロから地元人としての役割を担ってくれています。彼等とは主に任期始めの隊員を対象とした初任者研修会等で知り合い、活動地域の現状やこうなれば良いという思い、また、こうあってほしい将来像、それらに自分がどう関われば良いのか等々を熱く語りあってきました。
一人の「田舎のおじさん」として、10年前から全国で年数回、計36回のアドバイザー役を務めてまいりました。地域の人々との付き合い方や溶け込み方等の助言を行いつつ、個人の悩み相談にものっています。一方で、研修会等では逆に彼等から毎回多くを学んでいます。それは、彼等が活動地域である田舎が好きで、地域に愛をもたらし日本を地域から明るく元気にしてくれる若者達だということです。
生長の家の信仰生活は愛の実践ですから、同じように地域づくりも愛の実践と言えます。愛を投ずれば、その愛が大きく増幅していきます。これからも生長の家の信仰生活に基づく地域づくりを、愛行の実践という意味で真剣に、且つ楽しみながら続けてまいります。