WEB版母親教室

2015.05 『上手なしつけで、明るい子育て・しつけってどうしたらいいの?』

2015年9月8日  

2015.05

     ★テキスト

『日時計主義とは何か?』 谷口雅宣先生著

『花の旅立ち』 谷口純子先生著

『生命の教育』 谷口雅春先生著

 

働く人の一大イベント「メーデー」から「こどもの日」まで、ワクワク気分のゴールデンウイークで始まる五月は、野に山に新緑が萌え、1年で一番心身ともに爽やかさを実感し、家族揃ってのアウト・ドアライフを楽しみたくなりますね。新入園・新入学・新学期の四月を、ハイスピードで駆け抜けた子ども達も、少しずつ新しい環境に慣れてきた頃ではないでしょうか?この時期の幼稚園・学校でのお友達作りや、家族揃っての外出に欠かせないのが「しつけ教育」です。

 

今月は「上手なしつけで明るい子育て しつけってどうしたらいいの?」というテーマで、子供の心の成長と、体の発達に大切な「しつけ教育」を、学んでまいります。

 

「しつけ」は、なぜ必要なのでしょう?

「身を美しく」と書いて「躾」=しつけと読みます。文字通り、立ち居振る舞いが美しく、行動がTPOに相応しく、好感の持てる習慣を身につける事が「しつけ」です。その目的は社会に適応した人間にする為ですが、最も大切な目的は、四月のテーマで学びましたように、いのちの尊さ=「人間は神の子であり、一人一人が神の最高の自己実現である」を顕す事なのです。

 

生長の家の創始者 谷口雅春先生は御著書『生命の教育』の中で、次のようにお示し下さっております。

まず子供に教えよ。彼自身の生命の尊さを。人間の生命の尊さを ―そこには無限力の神が宿っていることを。展けば無限の力を発し、無限の天才をあらわし、彼自身のためのみならず、人類全体の輝きとなるものが彼自身の内に在ることを教えよ。彼をして彼が地上に生命を受けて来たのは、自分自身のためのみでないこと、人類全体の輝きを増し、人類全体の幸福を増すために神が偉大な使命を彼に与えてきたのであることを教えよ。この自覚こそ、最初の最も根本的な自覚であって、この自覚が幼児期に植えつけられたものは必ず横道に外れないで、真に人類の公けな歓びのため何事かを奉仕しようと喜び励む人になるのである。 (170頁)                       

 この根本自覚があってこそ「躾」の文字が生かされ、「しつけ」本来の目的が生きてくるのです。

 

 しつけには心と形の二つがあります

○心のしつけ・・子供の人生・運命を支配する「心の傾向」のしつけです。親和の法則=「類は類を呼ぶ」というように、明るい考え方・前向きで陽気な心は、”笑う門に福が来る”で幸運を招きます。逆に暗い考え・不安で悲観的な心は、”泣きっ面に蜂”で、不運を呼ぶと言われます。

 

では、(-)から(+)に、ネガティブ→ポジティブに、幸運を招く心にしつけるにはどうしたら?それには子育て真っ最中のお母さん自身が「日時計主義」になる事です。

 

生長の家総裁 谷口雅宣先生の御著書『日時計主義とは何か?』には日時計主義について

一言で言うと「われは太陽の輝く時刻のみを記録する」ということです。それが日時計という道具の仕事ですから。太陽が照っていないときには 、日時計は文字盤に影を落とさないので時刻を記録をしない。太陽が照っているときには、影によってその時刻を記録する―そういうふうに     私たちも、人生の中の「明るい時」だけを自分の心に印象づけて生きるのが生長の家の生き方であるというわけです。 (95頁)

 

このようにお教え下さっております。

 

わが子を思っての事でも、欠点指摘と叱り言葉のしつけは(-)を印象づける「日陰時計主義」になってしまいます。嬉しい出来事、楽しい話題、明るい笑顔とほめ言葉・・そんなお母さんになる為にも、この母親教室で「日時計主義」を学び、実践して心のしつけに生かしましょう!

○形のしつけ・・家庭生活・社会生活に適応する生活習慣をつけます。入園・入学の子ども達に、「あいさつの出来ない子」が増えています。先生の「○ちゃん、元気ですね」に、「うん」と返事をするお母さんも!あいさつ・言葉使い・礼儀など、社会常識に添ったマナーを身につけるには、子供特有の模倣性=真似して育つ=「子供は親に言われた通りにはしないが、親のした通りにする」という性質がとても役立ちます。

「おはよう」「こんにちわ」「ごちそうさま」・・の挨拶、呼ばれたら「ハイ」の返事、清潔な身だしなみ等は親が良いお手本をし続ける、このしつづける”事こそ「しつけ」なのです。

       

しつけは「幸せな子」をつくる為のものです

今月のサブタイトルは、しつけってどうしたらいいの?ですが、しつけの目的は「良い子」を育てる為とも言えます。一般的に、きちんと挨拶が出来る子、よく勉強する子、親の言う事を素直に聞く子を「良い子」と言いますが、生長の家の教育では「良い子=幸せな子=両親が大好きな子」と言います。子どもは、本来みんな両親が大好きですが、育つ環境の中で●スキンシップや愛情表現が不足●気分次第で怒る●暴力で支配する●ほめ言葉がない●過干渉・過保護、又は過放任●両親の不仲・・等が「親に愛されていないのでは」という不安やコンプレックスになり、その強いストレスから周囲への反抗、いじめ、非行の原因になる例が多いのです。

 

その逆に○スキンシップや豊かな愛情表現○叱る理由をきちんと話す○子どもの良い点を具体的にほめる○子どもの自主性を尊重○両親が夫婦円満・・そして何より幼い時から「あなたは神様から頂いた尊い神の子よ」の一言!これが「両親が大好きな子=幸せな子=良い子」が育つ一番の秘訣です。 緑の木々は、空気も心も涼やかに癒します

        

生長の家白鳩会総裁 谷口純子先生は、御著書『花の旅立ち』に、次のような緑の大樹への思いを載せていらっしゃいます。

イチョウの並木の隣りには、プラタナスの大木も何本かあった。すっかり若葉も伸び、堂々と枝を広げている。それを見上げた瞬間、私はその存在感に圧倒され、不意に涙があふれそうになった。大都会の真ん中で、コンクリートのビルディングに囲まれている環境だからなのか、それらの木々の実在感が突然、強く私に迫って来た。(中略)木を見上げ、その堂々としたたくましい姿に感嘆している瞬間の私は、あらゆるこの世の煩わしさから解放されている時なのだ。 (36頁)                  

 

神・自然・人間の大調和の世界、私達はこの地球上に住まわせてもらっている謙虚な思い、感謝の心が、この御文章からしみじみと伝わって参ります。今年も猛暑が予想される夏に向けて、ベランダや窓辺に大樹は無理でも、緑のカーテンになるゴーヤ・朝顔などを植えて、涼やかな葉陰の「癒し空間」を準備してみませんか?エアコンのつけっぱなし、体の冷やし過ぎに要注意です。自然の緑風を体感するためにも、扇風機やウチワが主役だった時代にチョット帰ってみませんか?

 

 

★今月のやってみましょう

家族に、明るく、元気に挨拶をしましょう

        

 明るい元気な声は「心のしつけ」の日時計主義の響きです。又、お母さんの挨拶は「形のしつけ」のお手本ですから、挨拶だけでなく、「ありがとう」の感謝の言葉、間違いを素直に謝る「ごめんなさい」も、子供はお母さんの行動を見て、真似て、学んで、きっと良い習慣=しつけ教育になるに違いありません。