WEB版母親教室,幸せな子供の育て方

2020.09「子供の可能性を広げるために」「どんどん伸びる子育て」

2020年9月26日  

テキスト

谷口雅宣先生著『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』

谷口純子先生著『46億年のいのち』

谷口清超先生著『父と母のために』

少しずつ、秋の風を感じるようになりました。

新型コロナウイルスの影響で、〝あたり前〟でない日常を経験し、こうして、大自然が繰り返す季節のめぐりを感じることができることをほんとに有り難く幸せなことだと感じます。今月のテーマは、「子供の可能性を広げるために」「どんどん伸びる子育て」です。

愛することは信じること

生長の家では、人間は本来「神の子」であって、一人ひとりが、その子ならではの個性ある無限の可能性を持って生まれてきた尊い存在であると考えます。たとえ、ハンディキャップを負っていたとしても、それは同じです。その子の中に無限に伸びる素晴らしい天才を必ず持っています。天才といっても、学力が優秀であるこという意味ではありません。この世にひとつしかない、かけがえのない尊いもの、神様は人と比べる事の出来ないその子ならではの天賦の才能を与えてくださっています。その天賦の才能が、どの方向に伸びるかは、その子の個性を通して発揮されますから、花の種類や花を咲かせる時期がそれぞれ違うようにみんな違います。今、目の前の子供の状態を見て、成績が悪いとか、身体が弱いようであっても、その子の内に宿っている天賦の才能を疑わずに信じ続け、よいところを認め讃嘆していくと、いくらでも素晴らしくなっていきます。

その無限の可能性を花開かせるためには、まず、親自身が自分の生命の尊さ、素晴らしさを自覚することが大切です。その上で初めて親は、子供のいのちの尊さを信じることができるものです。

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生はご著書『46億年のいのち』に次のようにお書き下さっています。(60~63頁)

子供の希望する職種は、世相を反映しているから、時代と共に大きく変わる。テレビや映画、漫画などの影響も大きい。子どもの時の夢をそのまま持ち続け、実現したというのはそんなに多くないと思う。学校で学び、様々な経験を経て、将来の夢や希望が変わったり、新たな考えが生まれてくることもあるだろう。

その過程で大切な事は、親が自分の価値観を子供に押し付けないことだ。子どもを親の所有物だとか、自分の理想通りに育てようと考える人もいるが、人にはそれぞれ、その人独特の個性があり、個性が生かされるのに相応しい場がある。(中略)

親が最初から「あなたは無理」とか「やめた方がいいんじゃない」などというのは、子供の可能性を奪い、希望を失わせる。親が子供に対して、あらかじめこうであればよいと自分の理想を持ち過ぎていると、無意識の内に、子どもの考えを否定し、その上で自分の考えを押し付けていることもある。(中略)

子どもにどんな天分があるかは、親にはわからないことも多い。わかると思うことが親のエゴであり、傲慢な考え方でもある。子供にはその子に相応しい道があり、天分が発揮できるようにと祈ることが、親の仕事であると私は思っている。自分の理想を押し付けることではないのだ。

これからの子供達が生きる時代は、親である私たちの生きてきた時代とは大きく変わっていくことでしょう。子供に対して「こうであってほしい」「この道を歩んでほしい」など親の理想を子供に押し付けることは執着心となり、親の思うようにならないときは、また心配ともなって子供の心を縛ってしまいます。子供を思えばこそと「良くしよう」「良くしよう」と縛られたとき、子供は本来の良い相(すがた)をあらわすことができなくなってしまいます。そのような親の執着心を捨てることは、難しいかもしれませんが、心配するエネルギーをプラスの方向に使うように、日々の『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生ご監修)に「この子が相応しい道に進み、神の子の素晴らしい天分を発揮することができました。ありがとうございます。」と感謝の言葉を書き続けてみましょう。「子供の心がしあわせでありますように」と祝福しながら、毎日書いていると、お母さんの心も明るくなり、お任せの気持ちが湧いてきて、明るい希望をもって子供を応援していくことができます。愛することは、心配することではなく、信じることですね。

無限の可能性を引き出すコトバの力

前総裁・谷口清超先生は御著書『父と母のために』の中に次のようにお書きくださっています。(14~15頁)

もし幼少の頃から、吾が子を「できの悪い子」と思って育ててきたらどうなるか。それは「うちの子は馬鹿だ」と認めていることになりますから、その通りになってしまう。これは実に不思議なことですが、そうなっていく。先に「実在」はそれを認めなければならない。認めたら認めた通りにでてくるといいましたが、それは同時に「認めないと出てこない」ということでもあります。(中略)

だからこそ、父や母たるものは、子供を「悪者」や「馬鹿もの」の役に仕立ててはならないのです。そうしないためには、現象の悪に引っかかってはならない。

「あなたはよい子」「あなたには素晴らしい力がある」と伝えながら育てるのと「あなたは、ほんとにダメなんだから」と伝えながら育てるのとでは、子供の自己肯定感も全く違ってきますね。

どの子の中にもある神の子の素晴らしさを、コトバの力で認めてほめて引き出し伸ばすのが生長の家の教育法ですが、心の中で「出来ないダメな子だ」と信じて、よくしようと思って「素晴らしいね」といくら言葉(口から発する言葉)で誉めてみても子供には通じませんし、素晴らしいと「信じよう」と思うだけでは、信じることは難しいでしょう。

子供の実相(素晴らしいほんとのすがた)を信じるためには、目の前の子供の姿(現象)にとらわれないで、目には見えないけれども、その奥にある素晴らしいほんとのすがたを観る練習をすることが必要です。そこで、生長の家では、神想観という生長の家の瞑想法(メディテーション)をすることをお勧めしています。今は素晴らしさが現れていないように見えていても、それは「認める」ことによって出てくるからです。

どんなに不完全に見える姿に現れていても、本質は「神の子」です。

その神の子の生命を礼拝しながら、今ある子供の美点を見出して言葉で讃嘆していると、美点はさらに大きくなり、その子の「神の子」のイメージが親の心の中にも子供の心の中にも認められて、心の底に「私には(子供には)、素晴らしい力がある!できる!!」という信念ができてきます。何事も心がもとで、形が出来上がっていきます。まだ、形に現れていないものを心に描く力は、あらゆる成長の原動力となります。

また、子供の持って生まれた個性、能力を見出し、その方向に伸ばしていくには、他の子と比較して、良いとか悪いというのではなく、その子の本来の善さ、特に「好きなこと」は可能性を大きく広げますから、その子の中での進歩を心の底から認めて「あなたにはこんな素晴らしいところがあるね」「今日はこれだけ進歩できたね」とコトバで表現してあげると、自分の素晴らしいところに気付いて喜んで努力するようになります。

ただ、すぐに結果がでることだけを求めすぎないように、どんな失敗も成長する過程ですから努力する過程を大切に「失敗しても大丈夫」というへこたれない心の力を身につけて、子供自身が前向きなイメージを持って努力できるように導いてあげることが大切ですね。

人生に無駄なものはひとつもない

生長の家総裁・谷口雅宣先生は御著書『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』

に次のように御指導くださっています。(165~166頁)

スポーツでも、技芸でも、学問でも、一見〝失敗〟と思えることの繰り返しを通してのみ、成功に到達するのである。その場合、数度の失敗で諦(あきら)めた人だけが、自ら本当の失敗を選び、無駄を経験することになる。失敗を無駄と考えず、成功への〝飛び石〟と考えて努力する者には、無駄は存在しないのである。

ちょっとぐらい人よりも遅いとか、失敗して遅れたといって、駄目な子と決め込まないでください。子供自身が「やればできる無限の力」があることを信じて、努力できるように励まし、子供が関心を持った事を楽しくできるように、親もゆったりとした気持ちで、信じて待つということも大切ですね。

いつもいつも注意ばかり受けていると、自分の願いが叶わなかったり、ちょっと失敗すると、すぐ悲観して、自分はダメだと思うようになってしまいます。子供自身が、どのように感じ、どのように考えているのか、子供の心の声に耳を傾けて、ただ聴いてあげるということも必要なときもあるでしょう。勉強している時も、学校へ行けないときも、反抗しているようにみえる時も、失敗したように見える時も、無駄なことは何ひとつなく、さまざまな体験を通して親も子供とともに学び成長しています。

現象的には、目の前の子供の姿の中に、素晴しさが現れていなくても、その奥にある実相のほんとの姿を信じる親の厚い信頼と愛情が、子供の頑張る力、努力する力につながります。子供の興味関心を心から応援し、よい思いとよい言葉とよい表情で子供の無限の可能性を引き出しましょう。

●倫理的な生活・子育ての中の「食」の大切さを伝える

地産・地消・自転車ライフ

現代はスーパーでは一年中ありとあらゆる食べ物があふれていますが、気候も風土も違う遠い国から運ばれてきたものは、二酸化炭素を多く排出し、防腐剤も多く使われています。自分の身近で作られた作物は、新鮮で美味しく、身体にもよいものです。また、無農薬や有機栽培で育てられた地元の生産者のものを買うことで、そのような生産者を消費によって応援することができますね。自家用車ではなく、秋の風を感じながら、自転車を走らせると気分もよく、二酸化炭素の排出を軽減することができます。

季節の行事食を楽しむ

お彼岸やお月見の季節、子供と一緒に楽しくお月見団子を作るのもいいですね。十五夜の頃は、稲が育ち、収穫が始まる時期です。穂の出たススキを稲穂に見立て、お団子を供え、大自然に感謝してきた尊い心を思い出してみましょう。

このようなことを意識して生活することで、自分や子供の人生の質を向上させることができますね!

さて、今月の普及誌「白鳩No126」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。