WEB版母親教室

2015.02 『親の役割・親になることとは』

2015年9月8日  

 

2015.02   

★テキスト

『日々の祈り―神・自然・人間の大調和を祈る』 谷口雅宣先生著

『うぐいす餅とバナナ』 谷口純子先生著

『父と母のために』 谷口清超先生著

 

2月の日数は28日と短く、1年で最も寒さの厳しい時期ですが、初めの3日に邪気を祓って幸運を呼び込む、節分の豆撒きをするこの月は、心身共に元気を奮い起こし、翌日の4日は春の訪れを告げる立春です。

「春は名のみの風の寒さや・・・」と「早春賦」にありますように、風も冷たく、春と聞いても暖かさとは程遠いのですが、立春という言葉を聞いただけで、「春はもうすぐなのね!」と思えてホッとします。また、寒さの中にも、しっかりと木々の芽が用意されていることは驚きでもあります。木の本体を親としますと、芽は子どもです。木は芽に養分を送り、しっかりと子どもを育てています。

今月は「親」としての役割、「親」になることとは・・・を、考えてみたいと思います。

 

 

夫婦は「魂の半身」同志の出会いです

生長の家では、結婚の伴侶は、「魂の半身」であると、お伝えしています。この「魂の半身」の意味と理解について、生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書『日々の祈り―神・自然・人間の大調和を祈る』の中で、次のようにお示し下さっております。

 

魂の半身とは不足を補う便利な手段ではなく、互いの知恵を与え合い、愛を与え合い、生命力を与え合って、地上に家庭や家族、協力者、協同事業者、伴侶というような、「個」を超えた「結び合い」「生かし合う」姿を具体的に表現するための、掛け替えのないパートナーです。(中略)”魂の半身”は、自己の目的に奉仕する便利な奴隷ではありません。彼または彼女は、「個」の生活では開発され得なかった自分の魂の未開発部分を、思いやりと理解をもって引き出してくれる観世音菩薩です。                         同書191頁~192頁)

 

恋愛、お見合い、紹介、合コンと、出会いは様々でも、結婚に至る男女は、決して偶然の結びつきではなく、半身同志が完体になる為の魂の出会いなのです。この出会いと結びつきによって、新しい価値(生命)が生まれ、私たちは親としての第一歩を踏み出すのです。

 

 すべての成り立ちは陽と陰の調和から

太陽系は万物にエネルギーを与える太陽(陽の働き=+)を中心に、地球を含む全ての惑星(陰の働き=-)が、互いに衝突することなく、秩序正しい運行をしています。物質の一番小さい単位の原子から大宇宙の構成まで、全ては陽を中心に陰がその回りを回る事で成り立っています。

この法則を家庭にあてはめますと、身体の構造からも父親が陽の働き、母親は陰の働きという事になりますので、父親を中心に家庭が円満に営まれる時、全ての物事が順調にうまく運ぶという事になるのです。

「それって昔の男尊女卑の考えですよね?」「妻だけが夫に従順にハイだなんて!今時ありえない」この問いに、生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『うぐいす餅とバナナ』で、次のようにお答え下さっていらっしゃいます。

 

生長の家では、夫と妻の意見が対立した時には、妻は「夫にハイ」と従うのが善いとされる。私たちは「人間平等」と教わってきたから、そのことに反発を感じ、不合理に思う女性もいるに違いない。私自身も若いころ、「それでは私の人生はどうなるの?私の人格は?」などと思ったものである。

(中略)妻が「夫にハイ」と言うためには、意見が違った場合には、十分に話し合い、相手を理解することが必要である。その上で、妻は夫の幸福を願い、夫が望むことをなるべく叶えてあげたいと思い、前向きの姿勢で「ハイ」と言う。夫の考えや希望を理解しないままに、やみくもに後退してはいけないのである。 (同書109頁~11頁)    

夫婦の陰陽調和とは、一方の我慢や忍耐の上に成り立つものではありません。妻は夫の本来の働き(+)を、夫は妻の本来の働き(-)を理解し感謝する、それが調和するという事なのです。

 

父の役割 

大地にしっかりと雄雄しく立ち、両手を大きく広げて家族を護り、自身の体験から社会的なルールや秩序を教えるのが父の役割です。最近の友達親子、友達教師など、一見とても親しげで良さそうすが、縦の秩序が無いため、社会に出てからの上下関係でつまずく「新・成人」が、増えているようです。

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『うぐいす餅とバナナ』で、父親の役割について次のことをご紹介くださっています。

 

夫は子供が家にいるときは、とても厳しい父親だった。とりわけ、学校の校則は守るように厳命した。子供が「みんな守っていない」などと言うと、「もし校則が、みんなが守れない、不合理なものならば、自分たちで働きかけて、変えてもらうべきだ。おかしいから守らないというのは、法律がおかしいと自分で勝手に考えて守らないのと同じだ。社会では通用しない」などと子供たちに言っていた。                                           同書24頁~25頁)

また、登校する際、自分が何者かが明らかになり、自分の行動に責任を持つことに繋がることになるため、校章を付けていない時には、きちんと付けるよう言われたそうです。

このように、父親は、社会的なルールや秩序を教えるとともに、進学や就職など、我が子の一大事や、家庭の問題や悩みに直面した時、中心者の「父」がいて、「お父さんに相談してから」と言える安心感ほど、家族にとって大きな支えはありません。特に、思春期に入った男の子は、時として母親が戸惑う面もありますが、そのような時には、同性としての父親の意見やアドバイスには、とても助けられます。

 

母の役割

昔のホームドラマは「厳しい父に優しい母」が定番でした。最近では「草食男子」「肉食女子」という、不思議なコトバが飛び交い、おとなしい男性、強い女性が増えてきたようです。しかし、どんなに時代が変わっても、男性が出産し母親になる事は出来ませんね。父と母の役割には上下もなく優劣もなく、生きとし生ける万物の生命が教えている夫婦調和の法則そのものなのです。育児を母親任せにしてしまいがちの夫を批判するのではなく、父としていかに頑張ってるか、家族をどれほど愛しているか等を子に伝え、折に触れ、「お父さんのお蔭よ」「お父さんに感謝ね」のコトバを使います。生長した子供達は、父への尊敬を教え続ける母を心から尊敬するにちがいありません。

 

親の役割

子育ての究極の目的は「幸せな子」です。そして、この母親教室でも、幸せな子とは親が大好きな子と学んでいます。小学三年生への雑誌のアンケートによりますと、「どんな親が好き?」の第一位は「仲の良い両親」でした。

 

生長の家前総裁・谷口清超先生は、御著書『父と母のために』に、次のようにお書き下さっております。

夫婦調和は家庭生活の根本であって、親子の大調和とともに二本の柱をなしています。しかもこの二大原則は、お互いに関連し合っているのです。つまり夫婦が調和し合っている家庭に、よい子が生まれ育ち、その子が親を愛するようになる。夫婦がお互いに喧嘩しあっていると、それを見て育った子が、そんな親をどうして尊敬することができるでしょう。 (同書57頁~58頁)

    

日時計主義で夫の美点を観、『日時計日記』に書く!たとえ感謝出来ない日があっても、毎日のメンタル・トレーニングです。継続の中で自身が変わり、夫が変わり、子供の目の輝きの変化に、きっと気付かれる事でしょう。           

 

今月のやってみましょう

家族と握手しましょう

 

家族と握手!これほど心が温かく柔らかくなる瞬間があるでしょうか?幼稚園へ学校へ又は仕事で家を出る時、お母さんの笑顔と手の温もりが伝わる握手ほど、元気が出る栄養剤はありません。

年間で最も寒さが厳しい二月です。握手一つで心がホカホカ温かくなる一日のスタートを、今年はぜひ実践してみましょう!

 

全ての「もの」は、神の生命の表現(あらわれ)です

最近、人気の100円ショップに行きますと、食品 衣料品 雑貨などの生活用品のほとんど全ての「もの」が、所狭しと大量に並んでいますね。どれもこれも100円で買える気安さから、ついつい買い過ぎて、帰宅して気付いた不要な「もの」や、気に入らない「もの」を、「どうせ100円!」と、気軽にポイ捨てした経験はありませんか?

生長の家はすべての「もの」は神の生命の表現(あらわれ)である”と説きます。私たちを取り巻く、天地一切の全ての「もの」は「もの」にあらず―です!

引き出しの隅のちびた消しゴム一個、雨上がりに邪魔なビニール傘一本を大切に思う心、原料を育てる人に、製造する人に感謝する心を、子ども達に伝える事も、親として大切な役割りではないでしょうか?