WEB版母親教室

2016.5「子供の心に届くしつけ」

2016年5月23日  

 

5月のテーマ

○子供の心に届くしつけ

○優しいママでいられるコツ

★テキスト

『生長の家ってどんな教え?』        谷口雅宣先生著

『平和のレシピ』              谷口純子先生著

『白鳩』                        普及誌当月号

 

五月(さつき)晴れの雲一つ無い爽やかに晴れ渡った空!澄んだ空気と木々の豊かな緑が、生きとし生ける全てのものに生命力を与えてくれる!この五月には、そんなパワーを感じます。

ゴールデンウイークに始まり、こどもの日、皆さまご自身の「母の日」と、イベントも盛りだくさんでしたね!

ある日の午後の電車の中は、とても空いていました。小学校低学年らしいお兄ちゃんと、幼稚園児ほどの妹を連れた若いお母さん、座席に座るとすぐに「スマホ」の画面に夢中です。退屈した子供二人は、電車の通路を走る、座席で飛び跳ねる!お母さんは「スマホ」から目を上げません。見かねた乗客が「走ると危ないよ」と一言、やっと顔を上げたお母さん、「ホラァ叱られた!もう連れてこないよ~」・・・

空席のない時間帯、茶髪・金髪が混じった髪色、右の耳に二つ左の耳に三つのピアス、濃いめのサングラスの男性が優先席に長い足を大きく開いて座っています。そこへ高齢の「おばちゃま」、杖と手荷物二個で彼の前に来ました。サングラスの奥で目がジロリ、急ぎ立ち上がると「すみません」のコトバ。おばちゃまも「すみませんねえ」のコトバ、混み合う電車の優しい空間でした。

今月のテーマは、○子供の心に届くしつけ ○優しいママでいられるコツ・・・この二つのテーマを通してしつけについてお母さんの心構えを学びます。

 

 

「しつけ」はなぜ必要でしょう?

しつけは漢字で「躾」とかきます。身を美しくする行儀作法と、その心遣いを言います。

一番の目的は、社会に適応できる人間にする為です。学校教育で優秀な学力が備わるだけでなく、一般社会の様々な常識やルールに適応出来る「社会人」として成長してほしいものです。

 

「しつけ」の目的とは?

生長の家は、”人間は神の子である”と説きます。但しそれは実相(本来の完全円満なすがた)であって、現象(目の前に現れている)の事ではありません。「しつけ」の真の目的は人間の実相を現象世界に現す事なのです。人と人、人と自然の間に愛があらわれるよう、調和した生活ができるようにすることですね。

 

生長の家総裁の谷口雅宣先生は、御著書『生長の家ってどんな教え?』で、実相と現象の理解について次のようにお教え下さっております。

実相は善一元―つまり、善しかない。もともと善である。けれども私たちが、その本来の姿を肉体を通して知る世界に形で表現するときには、必ずしもうまくいくとは限らない。(中略)あそこに悪い人がいる、交通事故がある、震災がある、人々が死んでいる、盗みがある、汚職がある、テロがある―これらはべて「偽象」を指しているのです。本当の世界(実相)には存在しない一時的な失敗状態ですから、それを「本物だ」と認めるなということです。(中略)だから「悪い、悪い」といってそれを攻撃しても、何かがなくなるのではなく、別の悪い状態が現れるだけだ。そうではなくて、そこにある善を引き出し、別のところにある善も拡大していったら、そのうちに悪はなくなっていってしまうというのが生長の家の考え方なんですね。(108頁~112頁)

          

 

子供が間違った行為をしたときも「悪い子だ」と一方的に怒ったり、強制的に従わせても子供は反発するばかりです。子供の善性を信じて、「こうすればいいよ」「この次はこうしようね」と根気よく教えて、させて、できたら思いっきりほめます。失敗してもダメと思わずに、「我が子は神の子!」と信じ愛情を持って善事を行う喜びを教え続けます。

 

子供は父母の背中を見て学びます

 

子供の本質の一つに、「模倣性」があります。子供は真似っこ上手という事です。とくに生まれて初めて出会った両親のしぐさ、口癖は教えなくても身につくように、常に接する人が習慣的にしている行動を見てそのとおりにしようという強い傾向を持っています。

 

生長の家白鳩会総裁 谷口純子先生は、ご著書『平和のレシピ』の中に次のようにお書き下さっています。

 人格は普段の生活がどうであるかという、小さな行いの積み重ねによって作られていく。人に親切をし、社会のためによくなることをしようと心がけ、実際にそれを行い、また、すべてのものに感謝する生活を続けていると、やがて人の雰囲気に変化を及ぼし、しだいに高貴な人格が形成されていく。日々の生活をおろそかにしないことが基本である。(3334

 

・子は親の背中(構えない姿)を見て育つ

・子は親の言う通りにしないが、した通りをするともいわれます。

ですから子育て中、「お行儀良くしなさい」としつける時に、日常生活の中で、お母さん自身が「よい礼儀」「良い言葉」を生活に実践し「お友達と仲よくね」としつけるなら、お母さん自身が相手を思いやる行いを、子供に見せることが大切ですね。

特に、お母さんのお父さんに対する態度、接し方などを通して、秩序を学びます。お母さんが、家庭の中心であるお父さんを尊敬して、大切に思っている場合には、自ずとお母さんの言葉遣いや態度に表れてきます。子どもは、お母さんの姿を通して、中心者を大切にするという秩序を学んでいくのです。

家庭の中で、お母さんにとって子どもは何者にも代えがたい宝です。しかし、お母さんは家庭の中心を子どもにしてはいけないのです。勿論、お母さんの時間の殆どは子どもの世話に費やされます。時間的な面から言えば、お世話の面から言えば、子どもはその中心を占めるかもしれませんが、お母さんは、お父さんを家庭という場の中で、ともに「神の子」としての真性を引き出し、ともに成長し、ともに楽しみ、ともに讃え合う伴侶であることを心から喜び、尊敬することが大切なのです。お母さんの心の中の中心をお父さんにおく、その気持ちが、お母さんの何気ない行動に表れ、子どもは、しっかりと秩序を学んでいくのです。

 

お母さんがストレスをためない日時計主義の生活   

「しつけ」に感情を爆発させ、暴力的になるのは決して良くありません。そうと分かっていても、「あの子の為です」「良い子にしたいから!」と家事と育児、仕事と家庭の両立に疲れてイライラすることがあるかもしれませんね。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』の中で、”ストレスを飛び越えて”と題して

長く生きていれば、いろいろなことがある。時には嫌な出来事や、思い通りにならない事態にも遭遇する。そんな時、以前は心を捕らえられて、「ああでもない、こうでもないとあれこれ考え勝ちだった。でも、自分の力の及ばないことに心を煩わせても仕方がい。気にかかることを考えて堂々巡りする古い心の習慣を捨てることにした。「そのことは考えない」ときっぱり自分に言い聞かせて、今の一瞬の楽しさ、嬉しさ、目に映るものの美しさなどに注目し、神の創造の不思議さを考えるようにしている。そうすると、「気にかかること」を飛び越えて、次元の違う世界にスッと入ることが出来る。心がすっきりとして、ストレスがたまらない生き方ができるのだ。(181頁)

 

お母さんが心の疲れ(ストレス)を飛び越えるコツは、与えられている恵みに感謝する日時計主義の生き方です。子供がいてくれること、食事がいただけること、布団で眠れること、水が使えること、空気があること目の前の子供の姿の一点から、意識を拡大してみると、世界にはそのようなことがあたり前でない人は沢山います。子供の良さや日常の恵まれているひとつひとつに感謝して、その喜びを『日時計日記』書いてみましょう。そのようなお母さんの明るい心が子供の心に届く最高の「しつけ」となります。

 

  • 子育ての中で「食」の大切さを伝える

地産地消で旬の食材を感謝して使う

『平和のレシピ』の中で、先生は更に地産地消の大切さを、次のようにお教え下さっています。

  食物というのは本来自分の身近で作られたものを頂くことが本当は一番おいしくて体にも良いのですね。地産地消をすることによって、新鮮でおいしいお野菜を頂けると共に、若い人たちに農業でも生きていけるのだ、農業で生活できるのだということを知らせることになります。(中略)地産地消を心掛けることは、日本の農業を育て、さらに私たちの未来の世代に豊かな社会を残すことになりますので、ぜひそのようなこともしていただきたいと思います。(221頁~222頁)     

 

それぞれの季節の恵みは、知恵と工夫次第でバリエーションも豊かにいただくことができます。

遠い距離を輸送された食品は大量のエネルギーを使いCO2を多く排出します。見た目の色や整った形にこだわらず、鮮度抜群の地元の食材を感謝して使わせていただきましょう。それがまた、私達の生活をより豊かなものにします。

 

今月のやってみましょう-『日時計日記』を書きましょう-

「子供は神の子 強い子い子」と い想いを送り続けましょう!

 

さて、今月の普及誌「白鳩No.74」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。