WEB版母親教室

2017.02 「親の願いと子の願い」

2017年2月13日  

2月のテーマ

○親の願いと子の願い
○父母の役割

                            ★テキスト

 『生長の家ってどんな教え?―問答有用、生長の家講習会』谷口雅宣先生著
『日々の祈り』            谷口雅宣先生著
『平和のレシピ』  谷口純子先生著                                                   参考書  普及誌『白鳩』当月号

「鬼は外!福は内!」の元気な掛け声で豆まきをする節分は、誰もが知ってる日本古来の行事です。節分は文字通り季節の分かれ目で、本来は春夏秋冬の4回ありますが、冬から春への分かれ目として、2月が最も庶民生活に親しんだようです。
マメ(魔滅)=豆を撒いて、新しい年の災厄を祓い、福を呼び込む「幸運を招く」という嬉しい言い伝えが、千年もの長い間続く理由なのでしょうか?
また、2月は受験期のお子さんを持つ家庭では、最も「幸運」を招きたい月、「親の願いと子の願い」「父母の役割」のテーマが、とても大切になりますね。

子供の究極の願いは何でしょう?
母親教室では”人間の5つの根本願望”として
○愛されたい○ほめられたい○認められたい○お役に立ちたい○自由でありたい・・・・・・を学びますが、この5つの願いには「根本」があります。
それは両親が円満な「調和」した夫婦である―という子供の究極の願いです。
表面的には愛されほめられても、認められ役立つ子で自由であっても、両親が不調和ですと、満足感・幸福感のない淋しい思いが、どうしても心の奥底(潜在意識)に、溜まっていくのです。
人間神の子の本性として、父母が「魂の半身」同士であり、その調和が幸福の基礎である事を、子ども自身の魂も分かっているからなのです。

生長の家総裁 谷口雅宣先生は、この魂の半身について、御著書の『日々の祈り』に、次のようにお示し下さっております。
”魂の半身”とは、互いに欠けた部分を補い合う関係ではありません。半分と半分が加わって「一つ」になるのではなく、一個人と見えていた人間同士が互いに個性を発揮し、内在の神性・仏性が動き出し、潜在能力が開発され、「五」にも「十」にも拡大するのが結婚生活です。肉体や物質や財産のことではありません。自己内奥の神性・仏性の協同開発者であり、霊的成長にとって欠くべからざる相手のことを”魂の半身”と呼ぶのです。(188頁)

男女の出会いは様々ですが、結婚という「結び」になるのは、決して偶然ではなく、魂の半身同志の霊的成長こそが、結婚=「結び」の目的なのです。夫婦は、性格が正反対ということもよくあります。それは、お互いに影響し合い、自分の足りない部分を成長させ、行き過ぎた部分を削りとる絶好の機会でもあります。そしてまたこの世界は、内在の神性・仏性を現わし出す練習の過程ですから、うまくいかず、離婚に到る場合もあります。しかしそんな時も相手は人生の貴重なレッスンをさせていただいたパートナーだったのですから、悲しんだり、相手を憎んだりするのではなく、子供の心の中にいる父親に、子供自身が愛されていると感謝できるように父親のことを話していくことが大切です。

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生の御著書『平和のレシピ』には、次のような御文章があります。

現代の離婚率は、二、三十年前と比べると随分高くなった。しかし離婚というものは、精神的にも、経済的にも大きな犠牲をともなう。そのため、互いにいがみ合いながらも結婚生活を続ける”家庭内離婚”も結構ある。しかし、この場合、間にはさまれた子供に精神的に大きな負担をかけ、子供の結婚観にも悪い影響を与える。そんな子供の中には、結婚に希望が持てず、結婚を望みながらも忌避するような不安状態に陥り、生涯独身で過ごすケースもある。親の結婚生活は、子供の将来に多大な影響を及ぼすのだ。(74頁~75頁)

現在の晩婚化・少子化には、親の結婚観や不調和が影を落としているのですね。子供は、成長するにつれ、母親の父親に対する態度を通して、父親を理解しますから、母親の役割は大切ですね。母親が父親を尊敬していると、子供も父親に尊敬の思いを持ちます。この思いは、子供が社会生活を送る上での人間関係を大変なめらかにします。夫婦の間に授かった神の子にとって、究極の願いは何よりも調和した、仲の良い両親の姿です。その秘訣は、相手に自分と同じものを要求するのではなく、相手に何ができるか、夫婦がお互いに思いやりとねぎらいをコトバに表現していくことです。心で思うだけでなく、きちんと相手に伝える努力も必要ですね。

宇宙の法則にそった秩序ある生活
この無限にがる宇宙には、二大法則があります。
◎  「 全てのものに中心がある」・・・・・・大宇宙の太陽系には、太陽という中心があり、極小のものでは原子の原子核に至るまで、あらゆる物には「中心」がある。また、中心が二つになると、会社組織でも家庭でも迷走と混乱の元になります。
◎  「 全ては-(陰)と+(陽)から成り立つ」・・・・・・生きとし生けるものだけでなく、在りとしあらゆる全ては、陰と陽の働きの結びによって新価値が生み出される。
この法則を家庭に当てはめますと、中心は、性格・地位・収入等の目に見える価値基準(現象)に関係なく、「夫」「父親」という事になります。そして体の構造からも、外に出て力強く家族を守るのは(陽)の働き=父親であり、潤いと柔らかさで家族を包み支えるのが(陰)の働き=母親という事になりますね。
「 家庭がうまくいくコツは”かみさん”をたてるにかぎるんだよ 」「あら、うちは私が仕切る方が上手くいくんです」とそれぞれの家庭の姿はありますが、それぞれの天分に応じた役割を知って、母親は中心である夫を立てて尊敬し、父親は母親である妻を愛し感謝してひとつの心になるとき、家庭は調和して、子供は健全に育ちます。繁栄と健康と幸運は全て、宇宙の法則通りの生活の上にこそ、成り立つものなのです。

子供のホンモノを観続けることも親の役割
子供は、色々な姿を見せながら成長していきますが、「子は親の鏡」ともいわれます。
Sさんの体験を紹介します。
子供が、親の期待どおりに育ってくれない!三人の子に恵にまれながら、そんな悩みで、Sさんが母親教室に通い出して4年になります。
真面目で無口な公務員のご主人、しっかり者で教育熱心なSさんは、夫婦仲も良く、家庭的に問題がないのに、末っ子のNちゃんは「ことば」の障害を持っていました。
母親教室に参加して「夫婦円満にも、どちらかが我慢して何も言わないから夫婦円満と勘違いして いることもありますよ」という講師の話が、妙に気になりました。そして気づいたのです!大人しい夫 をいい事に万事が自分の都合に合わせた生活だったと・・・・・・。夫の考えも意見も気にかけない、うわべだけの「円満な夫婦」だったことを反省しました。それからSさんは、夫には素直に「ハイ(明るい返事)・ニコ(ニッコリ笑って)・ポン(すぐにします)」の生活を心がけ、わが子には「障害児」という コトバを使わないことに決め「スラスラ話すNちゃん神の子」と、実相(ほんとの姿)の完全なNちゃんの姿を心に描き、毎日『日時計日記』に書くことをして、必死にではなく、明るい笑顔を心掛けて続けました。『日時計日記』が三冊になった頃、Nちゃんはことばの訓練に通いながら、あれほど心配した「いじめ」もなく、小学校の普通学級に、元気に通っています。
Sさんは言います―「主人を信頼し、報告・連絡・相談(ほうれんそう)すると、何でも順調にいって、とても楽でした。『日時計日記』と主人のおかげで、わが子のホンモノを見続けられました」

生長の家総裁・谷口雅宣先生御著書『生長の家ってどんな教え?』に次のようにお説きくださっています。

本当にあるものは実相世界で、それはすでに完全円満なんだから、「偽象」に注目するのではなくて「真象」に注目していけば、それが徐々に表現されて行く—–そう考えます。人々の良い点や社会の良い方向に心を向けるのです。失敗しているところではなく、成功している点を認める。(中略)
悪は「善の非存在」の状態だから、何かがそこに存在するのではない。だから、「悪い、悪い」といってそれを攻撃しても、何かがなくなるのではなく、別の悪い状態が現れるだけだ。そうではなくて、そこにある善を引き出し、別のところにある善を拡大していったら、そのうち悪はなくなっていってしまうというのが生長の家の考え方なんですね。(111~112頁)

子供を愛していても、ここが悪い、あそこが悪いと良くしよう、良くしようと縛られたとき、子供は本 来の姿を現わすことができなくなってしまいます。どんなに不完全な姿に現れていても、その子の本質は「神の子」です。その子のありのままを認めて、可能性を信じて愛情を表現していきましょう。『日時計日記』にあふれるほど、いっぱいの良いところ、幸せを探して書き続け、その子の本来の良さをコトバに表現していくことをお勧めいたします。あらわれた姿(現象)に振り回されない、子供のほんとの姿(神の子の実相)を見続けるのも、大切な親の役割です。皆さまも、ぜひ宇宙の真理を生活に生かし、祖先や両親に改めて感謝して、温かな調和ある家庭生活を営むことを心がけていきましょう。

●子育ての中の「食」の大切さを伝える        
生ゴミ堆肥にしてみる 、「ダンボールコンポスト」ご存知ですか?
家庭から出る生ゴミを、栄養豊かな堆肥に変えて、自然の土に返すのが、「ダンボールコンポスト 」です。大きめのダンボールの底を2重に補強し、ピートモス・もみがらを3:2で混ぜ、そこに毎日の生ゴミを混ぜ込み、虫除けのカバーをかけてしっかり閉じておきます。生ゴミがダン ボールいっぱいになったら密閉して2ヶ月、栄養豊かな「堆肥」が出来上がります。家庭菜園や、農地、花壇などに是非ご利用下さい。
生ゴミはたくさんのエネルギーを使います。二酸化炭素を大量に出す業者のゴミ処理を、見直すのも大切な「エコ」ですね。ゴミの始末一つも、自分の心の反映です。
できるところから、子供達に安心・安全な環境づくりをしていくことも、大きな親の役割です。

●今月のやってみましょう―「日時計日記」を書きましょう
家族と握手しましょう。 笑顔と讃嘆のコトバをそえましょう。
幼子はみなお母さんが大好きです。小学児童になって、体は大きくなっても、やっぱりお母さんの機嫌や、自分への関心が気になります。
「 行ってらっしゃい 」「お帰り」「おやすみ」のコトバ掛けや、笑顔、そして何より「お母さんの子で嬉しい!」の思いを、ぜひ『日時計日記』に書き続けましょう。お母さん自身が、思春期の反抗に振り回されない、「神の子さんの成長期ね」と見る、心のゆとりが育ちます。

さて、今月の普及誌「白鳩No.83」も大変参考になりますので、あわせてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。