WEB版母親教室

2017.8「温かい家庭づくり」

2017年8月23日  

8月Web版母親教室

・温かい家庭づくり

・コミュニケーションを大切に

 

テキスト 谷口雅宣先生著『生長の家ってどんな教え?』

谷口純子先生著『平和のレシピ』

 

子供たちにとっては楽しみな夏休みですが、お母さんにとっては長い夏休みかもしれませんね。夏休みは家族で自然に触れ、五感をフル活動するのによい機会です。

カナダや英国では自然欠乏症候群(自然に触れないで育った子供がキレやすくなったり、忍耐力がなくなったりするものです。)の研究が進んでいるそうです。自然体験の中には、ゲームやテレビでは、得られないものがたくさんありますから、夏休みを利用して、子供と一緒に、心いっぱい、身体いっぱい自然を感じてみるといいですね。

今月は、「温かい家庭づくり」「コミュニケーションを大切に」というテーマです。

 

自然の中でのコミュニケーション

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。(54頁)

ストレスが多いとされる現代社会で、ヨガや瞑想、座禅などの古い精神統一法が勧められ、一種のブームとなっているのは、これらが「ねばならない」という自分の執着心を放つ手助けになるからだ。

 人間の心の奥底には、自分と他人とを差別しない美しい心がある。けれどもこれは、表面にドッと座り続ける自己中心的な心に隠されて、なかなか見えてこない。そんな時、高い山に登ったり、自然の景色を目にするなどして環境を一変させ、「高貴さ」「壮大さ」に直面することが、自分の小さなこだわりの心――執着心を放つきっかけになることもある。

 

子育ての中においても、自分のこうでなければならないという執着心を放つことは、なかなか難しいものですね。そして、毎日が時間に追われて慌ただしく過ぎていき、日々の生活の中では目的や自分の感心事と関わりの少ない情報は、目で見えていても、耳に聞こえていても気付かずに過ごしていることがほとんどです。自然の風を感じることもなく過ごしていることが多いのではないでしょうか。一日でも子供と一緒に自然の中に身をおいてみてはどうでしょう。自然とふれあい、人とふれあい、いのちとふれあって、子供と一緒に感じたり、楽しんだり、喜んだりすることで、心が解放され、見過ごしていた日常の中にあるあたり前の有り難さ、素晴らしさに気づくかもしれません。また、自然の雄大さを前に、心が解放されてもしかしたら、子供が悩んだり、不安に思っていることを素直に話したり、それに素直に耳を傾けて心を寄り添わすことができるかもしれません。

生命が健やかに伸びていくためには、健康な水と空気、土と太陽が必要ですが、私たちは、普段そのようなことに感謝することも忘れています。太陽に感謝すること、作ってくださった人に感謝すること、お米の一粒にも神様のいのちが宿っていること、自然の恵みによっていのちを与えられ、生かされていることに、本当の意味でまだ気づいていないのかもしれません。自然界があたり前に動いている有り難さ、大切な家族がいること、そのの美点を見出して讃嘆の言葉を交わしましょう。

 

 

幸せな親子のコミュニケーション

 

縁あって夫婦となり、親子となり共に過ごす家族ですが、怒声の飛び交う家庭や、誰もが機嫌悪く、黙り込んでいる家庭を幸せと思う人はいないと思います。家庭でのコミュニケーションは、明るいコトバの掛け合いが大切なことですね。

朝起きたら、ニッコリ笑って「おはよう!」それだけで、朝をいい気分で迎えられます。

夫婦や親と子の間になんとなくかもし出されている空気は、その日いちにちの心の方向を決めていくといってもいいでしょう。

生長の家では、自分の周りに展開する環境や境遇は自分の心の反映だと教えていただいますが、子供の心の形成には、子供の心と密接に繋がっているお母さんのコトバ、身(行い)口(言葉)意(心の思い)が、大きく影響します。

 

生長の家総裁・谷口雅宣先生は、『生長の家ってどんな教え?-問答有用、生長の家講習会』に次のようにお示しくださっています。(137~138頁)

 

われわれが神の子の実相や仏を現すのは、この「身・口・意」によって行います。「おはようございます。」と言うのは、口(発声音)できちんと「おはよう」という親愛の情を伝えて、また体や表情(身)によってニコニコと笑顔をつくりますね。暗い顔をして、「おはようございます」と言う人はあまりいませんから。そして、心(意)から親愛の情をこめて「おはようございます」と言えば、これでちゃんと「身・口・意」の三業による愛の実践になるんですよ。

そのようにして毎日、自分の中の仏や神の子を表現する実践をしていただくと、それに伴って周りの人々の反応が変わってきます。自分にも良い習慣がつきます。(137~138頁)

 

人はいくつになっても、家族の温かい関係や、父母の生活態度から、多くのものを受け取ります。家族のあたたかなぬくもりとともに絶えず繰り返される“コトバ”「よい思い」「よい言葉」「よい表情、行い」は心の奥底に種まかれ、その子の心を形成していきます。それは、ありふれた日常で、当たり前すぎて、その良さに気づいてないかもしれませんが、家族の日々繰り返されるぬくもりのあるコトバは、子供の心を安定させ、さらに豊かな人生へと導きます。子供には、心豊かに、思いやりをもった子に育ってほしいと思いますが、世の中にはさまざまな情報が溢れ、親や子供の気持ちを迷わすものが沢山あります。そんな中で、絵本や童話の中には、明るさや、喜び、美しさ、勇気、たくましさ、思いやり、そのような大切な言葉を、届けてくれるものがあります。幼い頃に親の腕の中で読み聞かされた物語は、いつまでも子供の心の中に残り、多くの恵みをもたらすものです。

親の気に入る良い子でいるための交換条件としてではなく、無条件のあたたかい愛情を絵本を通して伝えることもできますね。

 

子供の本当の願いを知る

お母さんが生き生きと仕事をしている姿は子供にとっても大きなプラスとなりますが、子供に接するときは、いつも今が勝負です。「今は忙しい」「あとで」ばかりでは、子供の心は満たされないままです。

子供の心の中にある「愛されたい」「認められたい」「ほめられたい」「お役にたちたい」「自由でありたい」という願いは、直接言葉に出して表現されるものばかりではありませんから、子供からのメッセージに注意して、耳を傾けるようにすることも大切ですね。大好きな親に、愛されているという実感は自己肯定感を生み、将来の人間関係にも影響します。「よくできたね」「頑張ったね」「ありがとう」「助かったよ」お母さんのそんな一言と笑顔が、子供にとってなによりの喜びなのです。

また、子供が生長すればするほど、親との意見の違いが出てくるものですが、親の意見を押し付けるものではありません。親の長い経験から見れば、間違いないと思われる方向であっても、人生は体験を通して学ぶことが多いのです。たとえ失敗のように見えても、そこから学びとる自由もあるのです。子供の願いを聞いて、子供自身がその環境の中で人格を磨き、幸福を見出すことを信じて自主性を尊重することも大切な親の役目でもあると思います。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』において、次のようにお書きくださっています。(93~94頁)

 

わが家の場合、夫は成人した子供に対しては完全に彼らの自由を尊重する姿勢をとった。その考えは正しいと思ったから、私もその方針に従った。ところが私の心の奥には、どうしても子供に対する希望が出てくる。(中略)そんな思いが少しでもあると、子供の行動に余計な口出しをしたり、子供の将来が心配になる。それが心の負担でもあった。そこで、『日時計日記』をつけ始めた時、「子供の天分にかなった相応しい道を‥」と書き続けることにした。コトバの力は強力に働き、今では〝おまかせ〟の心境で、子供に祝福を送っている自分に気づく。

 まだ、親の執着心が出ることもあるが、常に子供に宿る神性を信じて、引き出す母でありたいと思う。

 

 『日時計日記』は、心の習慣を明るく良い方向に変えるための強力な“味方”です。お母さん自身の心が明るく、善を信じる信念を持つことができると、目の前の出来事に右往左往することが少なくなります。是非、『日時計日記』を活用して、子供の天分が花開くことを信じて明るい希望持って書き続けてみてくださいね。

 

 

  • 子育ての中の「食」の大切さを伝える

-子供と向き合って、たのしくありがたく、ご飯を食べる。-

 

朝、目が覚めると台所から聞こえる音、夕食の支度のいいにおい、当たり前と思われる家庭の営みですが、核家族が増えた現在の家庭環境をみると、共働きの親も多く、子供が一人で食事をとっているという家庭も中にはあります。どんなに身体によい食べ物でも、一人では味気なく美味しく感じられません。

食事は空腹を満たすというだけのものではなく、家族団らんの大切な場です。毎日は難しくても、できるだけ子供と向き合って楽しく食事をする時間を持ちましょう。そこでは、勉強や成績への文句や不満ではなく、明るく愉快な会話を楽しむことです。ご飯とお味噌汁だけでも、一品だけでもお母さんの手作りのお料理があると笑顔がこぼれますね!

家族で「いただきます」という食卓の風景を大切に。

 

  • 今月のやってみましょう

 親子で自然や土に触れてみましょう

産業革命以来、人類はものすごい勢いで、森林を破壊し、空気と水を汚し、大地を傷つけてしまっていますが、そのツケを未来の子供たちが支払わないといけないのだとしたら、悲しいことです。お子さんといっしょに自然に触れてみましょう。最近は、ベランダ菜園や、家庭菜園に取り組んでいる人も多いと思います。子供たちが、自然に触れる機会を増やしてあげることは、健全で豊かな人間形成においても大切なことです。目に見える自然をとおして、目に見えない神さまのいのちを感じる心を育てましょう。

 

さて、今月の普及誌「白鳩No89」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。