WEB版母親教室

2017.11 「しごとと子育てをいきいきと」

2017年12月9日  

 

★テキスト

谷口雅宣先生著       『生長の家ってどんな教え?―問答有用、生長の家講習会』

谷口純子先生著       『平和のレシピ』

 

最近では、結婚、出産後も仕事をする女性が増えてきましたね。外に出かけていって収入を得る、人や社会のお役に立つ仕事をしたいなど、さまざまな理由によって働きますが、働くというのは「はた(他)を楽にする」こと、「他のためになり、喜んでもらえる」ことですね。職場の中で自分に与えられた役割や人間関係を通して能力は開発され、心も磨かれ、魂も成長します。ですが、仕事となると時間的な制約をうけ、“心のゆとり”を失いがちになり、家庭での役割がおろそかになりがちです。当たり前の「暮らし」の中にある、子育て、家事、家族の世話など今、目の前にあることに感謝の気持ちを込めて行うことも尊い仕事です。その中でも子育ては、無限の可能性をもった子供を育てていくという尊く大切な仕事であり、それも大きな社会貢献のひとつです。また、母親はその役割として、家庭という環境の中でしか表現できない神様の愛を家族一人一人に表現する役割もありますので、それを表現していくことも大切ですね。今月は、仕事と子育てを共にいきいきと、向上しながら生きるためのヒントをお伝えできたらと思います。

 

日時計主義で生きる

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。(30~31頁)

 

「今の一瞬」を悔いなく生きるには、不平や不満、愚痴のたぐいは禁物だ。そういう感情は、「今」ではないもっと理想的な時間や状況を望む気持ちから来る。その「別の時」に心を集中させれば、「今」ではない架空の時間を生きることになる。刹那をムダに捨てていることになる。そうではなく、「今の一瞬」に喜びや美しさを見出し、感動する生き方をする必要がある。このように、人生の明るい面に注目し、喜びをもって生きることができれば、肉体の死がいつ訪れようとも、悔いのない人生を送れるはずだ。そう考えた時、生長の家の「日時計主義」の生活が最も理に適っており、万人にお勧めすることができる生き方だと私は思った。(中略)

「人生は心で作られる」「認めたものが現れる」--この二つの法則を心に刻んで、「刹那」というまっさらなページに、良いことを書き込んでいこう。

その一瞬に、将来の不安や悩み、愚痴を書き込むのではなく、「ありがとう」の言葉や、自然界の美しさを刻み、家族の良さ、人生の素晴らしさを記録しよう。

 

「人生は心で作られる」「認めたものが現れる」という心の法則をご存じでしょうか。「心」は、自分でわかる心(現在意識)だけでなく、自分でもわからない心の深い部分(潜在意識を含めた広い領域)も指しますが、その心がどんな人間観や世界観をもっているか、また関心のあることによっても、その人が何に価値を置き、何を心に選択するかによってその人の人生は方向づけられます。生長の家では、この心の創造力を「コトバの力」ともいいますが、私達は、どうかすると取り越し苦労をしたり、持ち越し苦労をしたり、心を過去や未来に持っていって、心配したり、不安になったりしますが、それは「コトバの力」の逆用です。そうではなく、今の一瞬一瞬に「世の中の明るい面」「楽しい面」「素晴らしい面」に注目して、それを「コトバの力」によって褒めたたえ、引き出すことによって、神様の世界にすでにある善を現し出すことができると説きます。

また、生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書『生長の家ってどんな教え?』の中に次のようにお書きくださっています。(49頁~50頁)

 

これは、人生の失敗を見るのではなくて、成功しているところを見る。悪ではなく善に注目する生き方のことです。それを通じて、この自分の本質が仏であり神の子であるという自覚に近づくのです。さらには自分だけでなくて、他の人もすべての人々が皆、仏であり、神の子であるという観の転換を図るのです。そうすることで、この現象世界は「唯心所現」の原理が働いて、善の方向へと表現が進行していくことになります。もちろん、善を表現するときには、うまくいかないときもあります。しかし、生長の家では、そういう場合、「実相」と「現象」をはっきり分けるものの見方によってどんな困難に遭遇しても絶望しないで生きていくことができる。なぜなら、人間は皆、実相に於いてはすでに、“仏”であり、“神の子”だからです。

 

人間は神の子で、素晴らしいのがほんとうの相(すがた)ですが、この現象世界は、その本質である善を表現するための舞台のようなものですから、お母さんも子供もひとつひとつ、その表現の途中です。失敗したり、悩んだりすることもありますが、そのときに、その出来事を悪いと見るのではなく失敗しても否定したりダメだと思わず、善なる神様の創造に対する信頼をもって、さらに素晴らしくなるチャンスととらえて、自分や家族、周囲の良いところに注目し、少しでも進歩や良いところがあれば讃嘆し、喜び感謝していく心の習慣ができると、心は明るくなり「認めたものが現れる」という心の法則に従って、周りの世界はどんどん明るく輝いてきます。

 

心の向きを整えましょう

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています(18頁)

 

その要になるのが「朝の時間」である。特に、朝の目覚め直後の時間は、その日の方向を決めるといっていい。だから、その時間に行う瞑想は、私たちの人生に大きな影響を及ぼす。目覚めた直後は、意識は現実世界の様々な煩いに比較的左右されないから、人間のいのちの奥にある〝善〟を導き出すには、大変有効である。瞑想は、その善なるものを、意識の道しるべとして据える働きをする。

清々しい朝の時間に、世界と自分との好ましい姿を心にしっかり描くことにより、進むべき人生の方向が見えてくる。その人の心の傾向も変化するだろう。そういう〝進路確認〟の作業を集積していくことで、私たちの人生は正しい軌道に乗っていくのである。

 

子育て、仕事、家事と一人何役もこなすなかで、私たちは、どうしても目に見えるものに心は動き、右往左往して、うまくいかないときは、イライラしたり落ち込むこともありますね。そんな一日の初めに神想観をして、神様のお創りになった善のみの世界に心を合わせ、心の向きをしっかりと光の方向にむけることで、「人間は神の子」の思いを深くし、自分の善なる姿、夫の善なる姿、子供の善なる姿、職場の善なる姿をしっかりと心に描き、常に神様の大いなる愛の中にあることを自覚して感謝する一日から始めると心も明るく、家族にかける言葉もきっと明るいものになるでしょう。

また、仕事、子育て、家事と一つ一つどれも大切な中で、さまざまな選択や決断をしなければならないときもあります。そんなときも、神想観や生長の家の本を読んだり、聖経や讃歌を読誦して、心の波調を整えていると、直感に導かれ、最もよい方向に進んでいくことができるものです。

 

「ありがとう」の気持ちを伝える

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』にまた、次のようにお書きくださっています。(53頁)

 

 

  私たちは普通、他人から何かしてもらった時、丁寧に感謝の言葉を述べる。ところが、家族――特に夫婦の間では、「してくれるのが当然」と思って感謝するのを忘れがちだ。それは一種の傲慢なのである。夫婦関係がどんなに険悪な場合でも、感謝と讃嘆の言葉だけで、二人の心の膠着状態は春の日差しを浴びるように解けていく。そのためにはやはり意識して、言葉を使うことが肝要だ。

 

忙しいとついつい、相手に対する不足の思いやマイナスの感情でいっぱいになることがありますが、仕事を持ちながらも夫婦や家族と協力していくためには、相手に対する感謝の思いや子供には「愛している」ことを言葉に出して表現することが大切ですね。「ありがとう」「おつかれさまでした」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」「おはよう」「おやすみなさい」そんなあたり前の言葉の中にも、ねぎらいや感謝の気持ちをそえることです。いくら心の中で思っていても、表現しなければ、相手には伝わりませんね。特に幼い子供は「愛されている」という思いに満たされるとき、幸せを感じるものです。抱きしめたり、共働きであっても、一週間に一回は、家族で食事をするとか、工夫して子供の心に向き合うことも大切なことと思います。

 

『日時計日記』を活用して、“今”を大切に向上する

 

日常の生活の中で、何を大切にして生きるか、仕事では何を大切に優先するか、毎日やっていることなどは、あたり前になっていて意識にないかもしれませんが、そんな日常で大切にしていることや、ご主人への感謝の言葉、大切に思っている子供への思いや、守っていきたいこと、嬉しいこと、自分が気持ちよく暮らしていくためのスケジュールや今月の目標なども、『日時計日記』書いてみることで、心にはっきりと印象づけることができ、なんとなく過ごす日々を丁寧に生きることができるのではないでしょうか。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生ご監修の2018年版『日時計日記』には、

心を豊かにし、世界の平和に貢献できる倫理的な生活のポイントとして、次の7つが紹介されています。

1. 三正行(神想観、聖典拝読・聖経読誦等、愛行)を励行する

2. 地球温暖化を促進させる、牛、豚、鶏などの肉類を控える

3.物を買いすぎない、持ちすぎない

4.地産地消、旬産旬消を心がける

5.家庭菜園にチャレンジする

6.クラフトなどの手作りを楽しむ

7.意識して自然に触れる、味わう

 

小さなことでも、一つこれだけは、続けてみるということを決めてやってみるのもよいと思います。そうやって、新しいよい習慣つくっていくと、その善行(身・口・意)は心に喜びの種を蒔き、生活が向上し、善業となって、やがて美しい花を咲かせるでしょう。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生の御著書『平和のレシピ』には、次のように書かれています。(46頁~49頁)

 

手間をかける」という言葉があるが、心を込めて丁寧にすることは、家庭でも職場でも人に喜びを与える。また、自分では不得意だと感じていたことも、相手のためだと思ってやると、案外できるということもある。心が「自分」を超えることで、自己限定も破れるからだろう。

(中略)人間には「無限の可能性」があるというが、それを引き出すためには、自己限定を捨て、人のために何かをしようと思い立ち、そして新しい何かを好きになること。この柔軟さが、人生をさらに豊かにしてくれるだろう。

「向上したい」「こうなりたいな」という思いがただ漠然とあるだけでは、向上して生きるのは難しく、自分が人生の主人公となって、めんどうなことでも相手のことを思い、思い切ってやってみたとき、不思議と「嬉しい思い」が湧いてきたり、たとえ「思い」がともなっていなくても、それを乗り越えてやり続けていくと、新しい自分の発見や「できた」という嬉しい思いがわいてきて、さらに人生が向上していくことでしょう。

 

 

  • 今月のやってみましょう-『日時計日記』をつけましょう-

毎朝 『私は最高にしあわせです』と鏡の前でニッコリほほえみましょう

お母さんの笑顔は家族を元気にします。「私は神の子完全円満、美しく優しく輝いています。家族や社会のお役に立つ素晴らしい私です。私は私が大好きです!」自分の心がふさいでいるようなときにこそ、ニッコリほほえみ、心を切り替えましょう。『日時計日記』には、自己讃嘆の言葉をありったけ書いてみてください。誰も代わることのできない、かけがえのない神の子のあなたは、素晴らしいのですから!

 

 

  • 子育ての中の「食」の大切さを伝える

  おやつを手作りしてみる

学校から帰ってきた子供の「ただいま~お腹がすいた~」という声が聞こえてくるようですが、今では、いたる所にコンビニがあり、お金さえあれば、すぐにお菓子もジュースも買うことができますから、おやつを作るということが少なくなっているのではないかと思います。毎日は難しくても、添加物まみれのお菓子を買って食べるより、やっぱり、お母さんの手作りのおやつは子供にとってしあわせで嬉しいものです。難しく考えなくても、おにぎりやふかし芋でも。小さなお子さんとは、簡単なおやつを一緒につくって楽しさや喜びを味わうのもいいですね。子供の心に大好きなお母さんとのたのしい思い出ができます。

 

さて、今月の普及誌「白鳩No.92」も大変参考になりますので、あわせてご覧ください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。