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2020.09.14食中毒予防の勉強会を開催しました その②

 

オーガニック菜園部事務局員の柿本隆平です。

 

 

今回の投稿は、シリーズの2回目となり、前回からの続きで、オーガニック菜園部事務局内で、食中毒予防の勉強会を開催した内容となります。

 

まだ、前回をご覧になって無い方は、是非ともそちらからどうぞ。
さて、今回は、勉強会の3つのテーマ「手洗い」「除菌の拭き取り」「保存について」の具体的な内容を順に紹介します。

 

 

 〈手洗いの〇〇秒は、長いの?短いの?〉

 

前回の内容の中で、予防する意味を、3つのポイント「①細菌を持ち込まない」「②細菌を広げない」「③細菌を増やさない・減らす」でご説明しました。手洗いは、「①細菌を持ち込まない」に該当します。
手洗いをする際は、手の部位をそれぞれに分け、順番に指、指先、手のひら、手の甲、指の間、手首などを洗うと良いでしょう。皆さんは、「〇〇秒かけて洗いましょう」という言葉を聞いたり、目にしたりした事があると思います。手順に慣れれば、手早く、隅々まで洗う事は可能ですので、一概に「〇〇秒かけましょう」とは言えません。ですが、それぞれの部分を手順通りに洗えば、それなりに時間はかかるものです。また、細菌が付着しやすい行動に合わせて、頻繁に手洗いを行うと効果的です。例えば、土のついた野菜、魚介類を扱った後や、食材の入っていた段ボールを触った後、鼻をかんだ後、お手洗いの後などに積極的に手洗いを行いましょう。

 

 

 

 

〈灯台元暗し、こんな所に細菌が多く付着しています〉

 

  皆さんは、昨今の感染症対策で、テーブルやイスの背もたれ、冷蔵庫などの持ち手などに霧吹きタイプの消毒液を吹きかけて、拭き取りをされている方も多いと思います。これは、「②細菌を広げない」に該当します。細菌は人→物→人の経路で拡散するケースが多く、さらに、一人ではなく、複数人が出入りする環境ならば、さらに拡散するリスクは高まります。これについても、効果的な予防策を意識する事が大切となります。共有性の高い物、使用頻度の高い物、洗浄する機会が少ない物について重点的に行うと良いでしょう。このような視点で、普段の除菌箇所を見直してみると意外な箇所が見つかるかもしれません。たとえば、除菌を行うスプレーボトルの持ち手などは、まさに灯台元暗しで、細菌が多く付着しています。

 

 

 

 

〈冷えている冷蔵庫で冷ました方が、良いのでは?〉

 

  三つ目は、「③細菌を増やさない・減らす」に関連する保存について書きます。細菌は、低い温度では、増殖が遅くなります。食品を長持ちさせ、安全に利用するには、冷蔵庫は、かかせません。細菌は、一般的に常温の温度帯付近で活発に増えますので、食品をより早く冷蔵庫にしまう事が大切です。調理後の熱い料理を冷蔵庫で保存する際は、冷蔵庫に入れる前に、ある程度冷ましてからにしましょう。「それだったら、始めから冷蔵庫に入れた方が、早く冷めて良いのでは?」と思いますが、そうしてしまうと、冷蔵庫内の温度が熱い料理の影響で上昇し、低温を維持出来なくなります。また、保管する際にラップフィルムや、フタをする事が、冷めにくい要因となります。いち早く冷蔵庫にしまうためにも、液体のものは、ため水などに、鍋やボウルごと浮かべて急冷する事や、固形のものは、バットなどに薄く広げ、放冷する事が大事です。また、カレーなどのドロッとした食品は、鍋の中心部分が冷めにくいですので、何度が混ぜながら冷ますと良いでしょう。

 

 

最後に、まとめとして大切な予防意識について二つ書きます。
一つ目は、「細菌は目に見えないからこそ、知識が必要」という意識です。目に見えるのであれば、ピンポイントで、対処が出来ますが、見えないからこそ、適切な対策を広く、かつ徹底しなければなりません。
二つ目は、「細菌を運ぶのは、人」という意識です。この言葉を見てハッとされた人は多いのではないでしょうか?ですから、食材を扱う際は、従事者の適切な予防対策が重要となります。
より多くの人に料理を提供する際には、トータルの調理時間が長くなる事や、複数人が調理に関わる事などして、食中毒のリスクが高まります。今回の内容が、日々の家庭での料理、イベントなどに従事する際のお役にたてれば幸いです。

 

 

(SNIオーガニック菜園部事務局 柿本隆平)


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