オーガニック菜園に取り組んでいる生長の家の組織会員のサイトです

2019.12.04災害と私たちの生活と-復興支援で考えたこと-

 

◇整然と立つ畝(うね)

 

こんにちは。SNIオーガニック菜園部事務局の水島です。

 

夕飯のために白菜を切りながら、今年10月、復興支援活動のために訪れた福島で見かけた光景を思い出しました。阿武隈川にほど近いその畑は、台風19号により被害を受けた地域にありましたが、整然と畝(うね)を保ったまま、白菜を実らせていました。

 

 

◇職場で復興支援へ

 

10月、各地における台風19号の被害の大きさに鑑み、私たちの職場は、予定していた行事を取りやめ、復興支援活動に取り組むことにしました。同19、20の両日、福島と長野に分かれて支援活動に取り組んだほか、さらに菜園部メンバーを含む近隣の仲間とともに10月末と11月はじめに長野に入りました。

 

 

台風や集中豪雨の後、水が引けば何事もなかったかのように見えることもありますが、汚泥には水が運んできたさまざまな細菌や化学物質が含まれます。そのままにしておけば感染や悪臭、カビの原因になることも多く、汚泥を取り除き、水に浸かった家具などを廃棄する必要があります。私たちも、床上浸水の被害に遭われたお宅の家具や畳などの搬出、泥出し、洗浄などを行いました。

 

 

 

 

 

◇粉々になる生活

 

被災地では、体育館や公民館など、私たちが普段、頑丈だと信頼している建物が、信じられないくらい粉々に壊れていました。さまざまなものが流れ去った廃墟のような光景には、経験してもいないけれど戦争で焼き尽くされた町を思いました。またある町では、災害ごみが道路をふさがんばかりにあふれていました。とりわけ水を吸った畳は重く、同僚の男性たちは1枚を5人がかりでようやく外へ運び出しました。
きれいな家も洋服も、生活に必要なさまざまなものも、ひとたびこのような災害が起きれば、あっという間に粉々になってしまうのだと実感しました。

 

 

 

◇増加する水害

 

気象庁などによると、全国の1時間降水量50㎜以上の雨の年間発生回数は、2018年までの10年間では、1976~1985年に比べ、発生件数が1.4倍に増加しています。こうした長期的な増加傾向は地球温暖化が影響しているものとみられ、今後、温暖化がさらに進行すれば、大雨の発生件数は増加することが予測されます。私たちの生活を変えなければ、あらゆる形で被害が拡大していくことになります。私たちSNIオーガニック菜園部が肉食を控え、できるだけCO2の排出が少ない地産地消、旬産旬消の食べものを選ぶこと、そのために家庭菜園を勧めているのは、それが地球温暖化を抑制するライフスタイルだからです。
普段からそのような意識で活動していますが、被災地での経験は、改めて私たちの生活を変えていかなければ、と強く決意させてくれるものでした。

 

 

 

◇依然続く「非日常」

 

11月23日、今度は休日に、同僚とボランティアで長野に行きました。私より一回りほど若い女性の友人が、大阪から一人で被災地に入るというので、一緒に行こう、と声をかけました。瞬く間に仲間が増え、同じ日に愛知から参加を計画していた友人らとともに、総勢29人となりました。一緒に作業した若い女性たちの丁寧で真摯な作業ぶりに、頭を垂れる思いでした。「何かお役に立ちたい」と思う、ことに若い仲間がたくさんいることに、勇気をもらいます。

 

被災地では依然、家屋やりんご畑の泥出し作業が続いていました。
新聞やニュースが、台風19号の被害から〇日、〇カ月、と節目にだけ報道するようになっても、被災された人々の非日常的な日常はずっと続いています。

 

 

 

山梨も日一日と寒くなりました。
これからも仲間とともに被災地に心を寄せ、そして問題の根本であるライフスタイルの転換に取り組んでいきたいと思います。

こちらもぜひご参考に。
SNI自転車部のブログ→クリック「台風19号 復興支援活動についてお伝えします①」
「第一弾 災害復興支援 福島での活動」

           (SNIオーガニック菜園部事務局、水島育子)


ページトップへ