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2019.09.25野草の力を知る

 

 

オーガニック菜園部長の小池聖明です。

 

自然災害に見舞われ、備蓄の食料がなくなりかけたその時、私達は何を食べて生きていけばいいでしょうか。

 そのような時、たよりになるのは、身近な自然の植物かもしれない、ということで、

SNIオーガニック菜園部の事務局では、9月5日に野草講座のイベントを開催しました。
 

 

 

 

◇食べられる草は身近にある

 

 今回イベントに講師として来て下さった地元の野草専門家の方が紹介して下さったのは、

都会でも田舎でも身近な草地に生えている草です。例えば、ハハコグサ。ゴギョウとも言われ、春の七草の一つとも言われていて、葉を刻んで草餅の材料になるということです。

 また「オオバコ」は、道路の脇など地面の固いところに生えていますが、おひたしや炒め物として食することができるとのことです。

 

【オオバコ】

 

 私達が子どものころ、原っぱでよく摘んだシロツメクサ、ムラサキツメクサも食用となるそうです。シロツメクサは、花弁を天ぷらにすると美味しいそうで、クローバーを言われる葉の部分は焙じてお茶にしていただくこともできるようです。

【シロツメクサ】

 

 

 みなさんが通称“ネコジャラシ”としてよくご存じの“えのころぐさ”も、種を乾煎りしてからご飯に炊きこんで食べることもできるようです。

【ムラサキツメクサ】

 

 

 葛根湯のもとには“クズ”という植物の根の部分だということを教わりました。“クズ”は花弁もさっと茹でで甘酢につけると、チラシ寿司の具になるということです。

【クズ】

 

 

◇自然界に生かされている私達

 

 

 他にも薬用になるたくさんの植物についても講師から教えてもらいましたが、私達の身の回りには、人間が生きていくことを助けてくれる植物がたくさんあるのだということをあらためて実感しました。

 人類が食物として利用しやすい植物が、長い時代を経て栽培植物として使われてきました。それは、例えば、稲、ムギ、イモ類、果実、などがありますが、私達の先祖は、それ以外の身近な植物も食用としていたようです。

 

 たとえば、山梨では、救荒植物(飢饉、戦争その他で食料が不足した時に、それをしのぐために間に合わせに食料として利用される植物)として、“ツルボ”を植えることを奨励された時代があったようです。ツルボは球根にデンプンを多く含み、塩を入れた熱湯でゆでたあと、塩や砂糖で味をつけて食べることができるようです。

 

 ◇自然災害に備えて

 

 救荒植物は、古くは、1800年頃、米沢藩(現在の山形県)で飢饉救済の手引書が執筆され、天保の大飢饉で、一人の餓死者も出さなかったという話があります。気候不順から飢饉を予見した藩の有識者たちが食べられる野草を調査してまとめあげた手引書「かてもの(糧もの)」は1500冊以上も刷られて普及したようです。その中には、食糧の保存法や備蓄しやすい味噌の製造法なども書かれていたようですから、現在の私達が学ぶべき点もあるかもしれません。

 

 最近は気候変動により、台風の巨大化によって、あちらこちらで日常生活に支障をきたすような状況が頻発しています。今日、食べるものがない!誰しもがそんな事態に遭う可能性は大です。そのような時に備えて、私達は、自分達の力で生きていく術を身につけておく必要があると思います。

 

 そしてその術は、私達の身近な自然界の中にあり、また、長い歴史の中で培ってきた先祖の智慧に学ぶことができるのだと思います。

 

 自らが家庭菜園で食べ物を栽培し、備蓄できるよう備えておくことは大切ですが、身近にどんな食べられる植物があるのか、そういう備えをしておくことが求められる時代なのかもしれません。
“自然と共に生きる”ということを改めて実感する良い機会となりました。

 

【クズの花とりんごを天ぷらに】

(SNIオーガニック菜園部超 小池聖明)


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