なぜ“新しい文明”の基礎づくりに取り組むのか

私たち人類は、18世紀の産業革命から今日に至るまで、石油や石炭などの化石燃料を大量に採掘してエネルギーや素材として利用し、強力な科学技術を開発して自然界のあらゆるものを人類の物質的繁栄のためだけに無制限に利用しようとしてきました。さらに、地球の生命にとって有害な放射能を大量に生み出す原子力発電までも開発しましたが、その問題点は2011年に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故によって誰の目にも明らかとなりました。

今日まで約250年間に渡る人類の活動が積み重なった結果、地球の大気中の二酸化炭素の濃度は極端に増え、地球温暖化が進み、それに伴う異常気象による災害の頻発、食糧生産の不安定化、水不足などによって、人々の生活が脅かされています。また、人間の活動による森林破壊、大気・水・土の汚染によって、地球に生息する多くの生物種が絶滅の危機に瀕しています。その一方では、世界の人口が76億人を超え、2050年には約97億人まで増加することが予測される中、資源獲得をめぐって各国の対立は激しさを増しています。

このような文明のあり方が持続不可能であることは明らかです。このままの文明を続ければ、私たちが子孫に残すものは、大気中の膨大な温室効果ガス、厳しい気候、劣化した土壌と生態系、有害な放射性廃棄物などであり、いずれも人類を含む地球上のあらゆる生命に危険を及ぼすものばかりです。

生長の家はこれを改めるために“新しい文明”の基礎づくりを進めています。具体的には、人類社会が自然エネルギーを全面的に利用することで「脱原発」と「地球温暖化の抑制」を同時に実現し、さらには人々が自然との一体感を実感して創造力を駆使する方向へ転換することによって、自然と人間が共に繁栄する“新しい文明”を築いていくことは可能であると考えます。

そのため、生長の家では「神・自然・人間は本来一体である」という真理を多くの人々に伝え、自然と調和する倫理的な生き方を喜んで実践する人々を増やしていきたいと考えます。「ノーミート、低炭素の食生活」、「省資源、低炭素の生活法」、「自然重視、低炭素の表現活動」が世界の人々の当たり前のライフスタイルになる“新しい文明”の実現を目指し、その基礎づくりに貢献してまいります。

森の中オフィス空撮

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